三菱UFJ信託銀行 のNFTニュース|優待等を対象としたNFT「Progmat UT」及びデジタルアセット用ウォレットサービスの開発について
三菱UFJ信託銀行 のNFTニュース|優待等を対象としたNFT「Progmat UT」及びデジタルアセット用ウォレットサービスの開発について
三菱UFJ信託銀行株式会社(取締役社長: 長島 巌)、以下 三菱UFJ信託銀行)は、ブロックチェーン上で一意かつ代替不可能なデータとして記録できるNFT*1の技術を用いて、株主優待等の特典や、特定のアセットやサービスに関する利用権や会員権といった権利をユーティリティトークン*2(以下、UT)として発行可能な「Progmat UT(プログマユーティー)」の仕組みと共に、各種デジタルアセットを対象としたウォレットサービスの開発を開始しますのでお知らせします。
*1 ブロックチェーン等の電子情報処理組織を用いて移転することができる、一意で代替不可能なデータの総称
*2 ブロックチェーン等の電子情報処理組織を用いて移転することができる、特定の役務提供を受ける際に必要な証憑として機能するデータの総称
1.「デジタルアセット共創コンソーシアム」(略称DCC)による取組み実績
三菱UFJ信託銀行では、2019年11月6日付で設立した「ST研究コンソーシアム」(略称SRC)を2022年4月に改組し、ST*3やSC*4・NFT等のデジタルアセットに係るエコシステム共創を目指す「デジタルアセット共創コンソーシアム」(略称DCC)とすることを発表しており、現在の会員企業数は84社まで拡大しております。
「Progmat」を利用する会員企業間の共創により、本邦初となる資産裏付型STの発行に続き、複数の公募実績が積みあがっており、2023年度にはセカンダリ市場確立やブロックチェーンのオープン化と共に、本邦初の信託型ステーブルコイン「Progmat Coin」の提供を予定しております。
このような動きに加え、ST保有者に対して配当等の金銭的対価に加えて、投資対象に関連する特典・権利(非金銭的対価)も付与可能とし、「投資×利用&関与」の新しい体験を提供すべく、会員企業と検討を重ねてきました。
*3 ブロックチェーン等の電子情報処理組織を用いて移転することができる有価証券
*4 ブロックチェーン等の電子情報処理組織を用いて移転することができる、法定通貨と価値の連動等を目指す決済手段の総称
2.「Progmat UT」の概要
三菱UFJ信託銀行では、株主優待等の特典や、特定のアセットやサービスに関する利用権や会員権といった権利を、一意かつ代替不可能なNFTの形で、ブロックチェーン上で発行・移転可能なUT化する「Progmat UT」の仕組みについて特許を出願しており、プラットフォームを提供予定です。
「Progmat UT」は、優待券や会員証といった券面(紙)を伴うアナログ処理を不要とし、デジタル完結で「発行」「利用」「移転」「管理」が可能となることで、以下のような価値を提供可能です。
価値提供の対象者 | 付加価値内容 |
各種権利(役務等)の 利用者 | ・利用都度券面を持参する必要がなく、スマートフォンがあれば一元的な手元管理のほか、随時権利行使が可能 ・異なるアプリケーションサービスを跨いで、個人間で柔軟に譲渡することが可能 |
各種権利(役務等)の 提供者 | ・券面の印刷や紙管理、配送等に伴うコストを極小化 ・UTの利用状況や移転状況について、リアルタイムで把握が可能 ・譲渡制限等をUTにプログラムすることで完全に統制することも可能 |
また、ST投資と「Progmat UT」を組み合わせることで、投資額や保有年数等を踏まえて投資対象に関連するUTを付与する「ファンマーケティング」の取組みが可能になります。「ファンマーケティング」では、各投資家が「投資主兼ファンユーザー」としてロイヤルカスタマー化することで、以下のような更なる付加価値の提供を目指します。
価値提供の対象者 | 付加価値内容 |
ST投資家(兼ファンユーザー) |
・自分自身のUT利用や、自分では使いきれない場合等にUTを譲渡した他者の利用を通じて、投資対象の価値の向上に繋がり、保有するSTのリターンとして還元されることで、Win-Winの関係性を築くことが可能 |
ST発行体企業(兼各種権利提供者) | ・投資を入口にエンゲージメント(“同じ船”意識)の高い顧客基盤を構築できるため、従来のマーケティングにおいて認知・関心の獲得と維持に要していたコストを極小化 |
「Progmat UT」は、「Progmat」上で発行されるSTの付帯権利のみならず、既存の上場株式等に付随する株主優待や、有価証券の存在を前提としないチケットや会員証等についてもUT化することを可能とし、様々な事業者が提供する日常チャネルへのプログラム組み込み(Embedded Finance(埋込型金融))も可能な、開かれた基盤とすることを目標とします。
4.デジタルアセット用ウォレットサービス「Token Wallet」「Token Manager」の概要
「Progmat ST」「Progmat Coin」「Progmat UT」はいずれもブロックチェーンを中核としたインフラ基盤であり、アクセス手段は特定のチャネルに限定されず、様々な参加事業者の提供するサービスを介して更新していく設計となっています。(STは第1種金融商品取引業者、SCは仲介業者等)
三菱UFJ信託銀行も、各インフラ基盤を利用する事業者の一角として、各種デジタルアセット保有者向けのモバイルアプリ「Token Wallet」と、ST・SC・UT発行体企業向けのWebアプリ「Token Manager」を提供予定です。2022年内に「β版」をリリースし、まずはUTを対象とした実証実験が可能となる環境を整備します。
今後も三菱UFJ信託銀行は、テクノロジーの積極的な活用を通じて、様々な社会課題の解決に貢献してまいります。
(ご参考)
◆「Progmat(プログマ)」について
Webサイトを公開しておりますので、以下URLからご覧ください。
https://www.tr.mufg.jp/progmat/
◆「Progmat UT」のグランドデザイン
コンセプトペーパーをご用意しておりますので、以下URLからご覧ください。
https://www.tr.mufg.jp/ippan/pdf/progmat ut.pdf
◆「Token Wallet」の画面イメージ(抜粋)