分散型ID/デジタル証明書に関するビジネスコンソーシアム「DID/VC共創コンソーシアム」を設立
分散型ID/デジタル証明書に関するビジネスコンソーシアム「DID/VC共創コンソーシアム」を設立
相互運用のルール整備とビジネス共創により、安心安全なデジタル社会を実現
DVCCでは、DIDとVCの社会実装と普及を促進する相互運用ルールを整備し、社会課題の解決による社会貢献や本技術を活用したビジネス共創に取り組んでいきます。
1. 背景と目的
デジタル技術が浸透する現代社会においてデータの価値は一層高まっています。それに伴い、「やり取りしている相手は本人か」、「やり取りしている情報は信頼できる内容か」、「自身の情報を勝手に使われていないか」といったセキュリティやプライバシーに関する課題が生じています。
内閣官房デジタル市場競争本部のTrusted Web推進協議会から2021年3月にTrusted Webに関するホワイトペーパーが公表されました。また、様々な団体や企業でも自己主権型アイデンティティ(SSI:Self-Sovereign Identity)というキーワードのもと広く検討が行われています。
個人が自身に関する情報を自分で管理するという秘匿性、改ざん耐性やトレーサビリティという安全性、一度証明された情報を個人が持ち歩いて利用できる利便性、これらを担保し、安心安全で便利な認証や証明を実現する手段の1つがDIDおよびVCであると考えます。
DIDやVCは前述の機能を備えることからグローバルで期待が高まっており、社会的な普及が課題となっています。
博報堂キースリーではDataGateway社と共同で、DID/VCを活用したデータウォレット「wappa」を提供しており、生活者が自身のデータをより楽しく、かつ安全に管理活用できる未来を目指しております。
2. DID/VC共創コンソーシアム(DVCC)の設立
本コンソーシアムは上記の世界観による課題解決を目指し、その手段の1つであるDID/VCに着目していきます。日本におけるビジネスユースケースの実証や相互運用のルール整備を行い、本技術を活用したビジネス共創を通して、DID/VCの社会的な普及を促進させ、安心安全なデジタル社会を実現していきます。
DID/VCの技術仕様としての標準化は、W3C 2、IETF 3、OIDF *4などで現在もグローバルで進められているため、本コンソーシアムにおいても適宜その整理に沿う形で検討を進めていきます。また、本コンソーシアムは、あくまで日本のビジネスシーンへの適応を優先して目指すものになります。
*1 DID(Decentralized Identifier):分散型ID。
VC(Verifiable Credential):検証可能なデジタル証明書。
*2 W3C(World Wide Web Consortium):World Wide Webで使用される各種技術の標準化を推進するために設立された標準化団体。
*3 IETF(Internet Engineering Task Force):インターネットの機能改善を目指す標準化団体。
*4 OIDF(OpenID Foundation):2007年に米国で設立された非営利の国際標準化団体。インターネット上のアイデンティティ層およびAPIアクセス管理に関わる技術の標準化を行う。
本コンソーシアムは主に以下4つの活動に取り組んでいきます。
1ビジネス共創
ユースケースのシェアや共同検討を行っていきます。
また、実証実験や事業を共同推進していきます。
2相互運用に向けたルール整備
コンソーシアム参加企業間で一定の相互運用性を確保するため、主にビジネスに関するルールを整備していきます。
3資源の共通利用
効率性などの観点から、必要に応じて、本コンソーシアム参加企業間でシステムや基盤などを共通利用していきます。
また、コンソーシアム内での情報共有も検討していきます。例えば、有効なVCを正確に判別するために、VCが有効であるか否かを確認するリストをコンソーシアム内で共有していくことが必要になる可能性があります。
4国・省庁など外部との情報連携
本コンソーシアムはあくまで有志の検討会であり、検討したルール等を外部に適用するものではありません。必要に応じて国・省庁などと適宜情報共有、連携していきます。
3. 今後の活動予定
2023年10月より、会員企業8社でまずはルール整備分科会での協議を優先して進めていきます。相互運用性の確保に向けて、優先度の高い汎用的な検討事項を協議していきます。
並行して複数の事業会社の参加を調整し、ビジネス共創分科会を今後立ち上げていきます。ルール整備分科会での議論も踏まえて、特定のユースケースを想定したより具体的な協議を進めていきます。
本コンソーシアムは開かれた活動になります。趣旨に賛同頂き、興味関心がある場合は以下までご連絡ください。
DID/VC共創コンソーシアム運営委員会(dvcc_post@tr.mufg.jp)
4. DVCCの概要
1正式名称
DID/VC共創コンソーシアム
(Decentralized Identifier / Verifiable Credential Co-Creation Consortium)
2参加企業
商 号 : 三菱 UFJ 信託銀行株式会社
代 表 者 : 取締役社長
U R L : https://www.tr.mufg.jp/
商 号 : 株式会社NTTデータ
代 表 者 : 代表取締役社長
U R L : https://www.nttdata.com/jp/ja/
商 号 : 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
代 表 者 : 代表取締役社長
U R L : https://www.ctc-g.co.jp/
商 号 : TOPPANデジタル株式会社
代 表 者 : 代表取締役社長
U R L : https://www.digital.toppan.com/ja/
商 号 : 株式会社日立製作所
代 表 者 : 執行役社長兼CEO
U R L : https://www.hitachi.co.jp/
商 号 : 富士通株式会社
代 表 者 : 代表取締役社長
U R L : https://www.fujitsu.com/jp
商 号 : アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
U R L : https://www.amt-law.com/
商 号 : 株式会社博報堂キースリー
代 表 者 : 代表取締役社長
U R L : https://www.key3.co.jp/
■博報堂キースリーについて
博報堂キースリーは、株式会社博報堂とAstar Network開発の知見を活かしコンサルティングや開発サポートを行うStartale Labs JapanのCEO渡辺創太氏が共に2022年12月に設立したweb3事業プロデュース企業です。web3時代のデータウォレットサービス「wappa」の開発、web3グローバルハッカソンやKEY3 STUDIOを活用し、企業と生活者、企業と企業が”共創”できる、新しい事業やサービスの構築を支援します。
公式サイト:https://key3.co.jp/
X(Twitter):https://twitter.com/H_KEY3
■「wappa」とは
DID/VC領域に知見あるDategateway社とともに開発している「wappa」は、様々な個人に関連するデータやNFT、各種証明書等をユーザー自身の権利のもとに簡単に持ち運べるデータウォレットです。「wappa」の名前の由来は、日本古来のお弁当箱「曲げわっぱ」からきています。色々な食材を持ち運ぶことができるお弁当箱のように、「wappa」も様々なデータを持ち運び、それによって生まれる新しい体験を楽しんでほしいという願いを込めて名付けました。「wappa」は、生活者が自身のデータをより楽しく、かつ安全に管理活用できる未来を目指します。
■DataGatewayについて
DataGatewayは、“Bridging the worlds between Web 2.0 and Web 3.0” というビジョンのもと、 データウォレットを通じ、「情報は自己がコントロールする=Data Self Sovereignty」の実現を目指し、製品・サービスの開発・提供を行う技術研究開発型企業です。
公式サイト:https://datagateway.network/
LinkedIn:https://www.linkedin.com/company/datagateway-pte-ltd/