人材×ブロックチェーン事業を展開するPitPa、デジタル庁「Trusted Webの実現に向けたユースケース実証事業」に採択
人材×ブロックチェーン事業を展開するPitPa、デジタル庁「Trusted Webの実現に向けたユースケース実証事業」に採択
在留カードに紐づいたDIDの作成と学歴・職歴に関する証明書の管理システムを構築することで、海外人材還流における人材環流エコシステムを創出
本実証では、在留カードに紐づいたDIDの作成とそれに紐づく学歴・職歴に関する証明書の管理システムを構築します。これにより、国境を越えてもなお個人を識別可能な共通IDを生成し、グローバル規模での人材環流エコシステムの構築を目指します。
※TrustedWebについて、詳しくは、Trusted Web推進協議会が令和4年8月に公表した「Trusted Web ホワイトペーパーver2.0」をご参照ください。(https://trustedweb.go.jp/)
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1)実証事業の概要
■ユースケース名:海外人材還流におけるクロスボーダー型個人情報流通システム
・概要資料は下記リンク先にて公開されています
https://www.toppan.co.jp/biz/social/trusted_web2023_koubo.html
■目指す世界観:国境を越えてもなお第三者立証が可能な人材還流エコシステムの創出
・在留カードに格納/連携可能なクロスボーダー型の個人情報管理システムの構築と普及を目指します
■実装するシステムアーキテクチャ・アプリ概要
本実証事業では、DID/VC等の技術を活用し、グローバル規模で第三者証明が可能なクロスボーダー型の個人情報流通システムの構築を行います。このシステムの実現により、海外人材のキャリア情報の透明性を高め、人材の流動性を加速することを目指します。
システムの構築にあたっては、証明書の管理システムに必要なアーキテクチャの機能・要件等を定義すると共に、接続対象となる証明書の選定を行います。また同時に、本システムの利活用に関わる省庁や機関、その他ステークホルダーへのヒアリングの実施やガバナンスルールの設計、そして国内外にまたがるコミュニティの企画・運営なども実施します。
本ユースケースは、日本企業(受入機関)と海外人材のマッチングにおけるコストを削減することで、少子高齢化が深刻化する日本国内の労働供給量の拡大を支援します。また、キャリア情報の流通を促し、海外人材が望む仕事に就職しやすい環境の構築や、日本企業の事業成長に必要な人材を獲得するための採用インフラの整備にも貢献します。
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2)実証事業の背景と目的
2030年には、日本国内の労働供給が644万人不足する(※1)との予測があり、この労働人口不足を補うために海外人材を採用する企業が増加しています。実際に、政府が進める在留資格の創設により、日本で働く海外人材は2017年と比較して81万人増加する(※1)と予測されています。
そうした背景がある中で、外国人労働者の還流フロー全体における課題は、個人が管理できる「国境を越えてもなお、第三者立証が可能なキャリア情報システム」が存在していないことに起因し、大きく分けて以下2つの問題が発生しています。
①在留資格及び在留カードの取得・更新における申請情報の改ざんや、それに伴う採用時のミスマッチ
申請情報の改ざんは違法就労や失踪などに繋がりやすい慢性的な社会問題です。海外人材は、自身の職歴を履歴書等で自己申告するケースが現在では主流ですが、米国においては約5人に1人が経歴を偽ったことがあるとする報告(※2)もあり、金銭的なやり取りやコネクションを通じて偽装証明書を取得する事例も報告されています。
こうした背景からリファレンスチェックにコストをかける企業が増えている一方で、「個人のプライバシー保護」の観点もあり、調査の難易度が増しているのが現状です。さらに、就職支援や能力評価を行う仲介業者は、人材情報の入手や把握に膨大な時間が必要となり、マッチングにおけるコストの増加や精度の低下が懸念されます。
実際に、採用時のミスマッチが原因で、海外人材の28%(※3)が入社後1年以内の早期退職を経験しているとする調査結果や、企業側の都合で退職した海外人材の割合が2020年1月から2021年8月にかけて常に40%(※4)を超えるなど、日本国籍の人材よりも離職率が高いといった問題が生じています。
②送出国と受入国による、リアルタイムでの海外人材の活動履歴の追跡困難
人材を送り出す政府にとって、国民が国外に転出して以降の活動履歴や、身につけたスキルなどの情報を追跡・記録する手段がないケースがほとんどです。
こうした背景から、出国前の職業訓練が実際に就職に結びついているかどうかの実態を把握することも難しいとされ、送出国は産業人材に関する育成政策の立案に繋げることができなかったり、一方で受入国においては業務生産性の非効率化が発生しているとされています。
そこで、本実証を通じて各ステークホルダーが発行する職歴やスキル等の証明書を、在留カードに格納される資格証として活用し、その資格証に基づいて身分確認や当人認証を行うシステムを構築することで、上記2つの課題を解決するエコシステムの実現を目指します。
同時に、これらの知見を外国人留学生市場や外国人ライフサポート支援市場にも応用していくことで、海外人材を取り巻く課題解決に貢献して参ります。
※1 労働市場の未来推計 2030 – パーソル総合研究所
※2 First Advantage「2019 Top Screening Trends Report」
※3 CQI produced by AIMSOUL「外国籍人材の離職とモチベーションダウンに関する調査(2021年8月)」
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3)実証事業の実施体制
■公募事業の名称:海外人材還流におけるクロスボーダー型個人情報流通システム
※詳細:https://www.toppan.co.jp/biz/social/trusted_web2023_koubo.html
■コンソーシアム内構成企業:株式会社PitPa、フォースバレー・コンシェルジュ株式会社
■協力事業者:ネパール国政府機関、ネパール国高等教育機関
■委託事業者:内定ブリッジ株式会社、ネパール国Idea Studio Nepal
本事業においては、2023年3月10日の最終成果報告会、同年3月24日の成果物納入に向けて、フォースバレー・コンシェルジュ社と共にコンセプト設計と開発を進め、関係省庁や関係機関と連携しながら、Trusted Web推進協議会が公表した「Trusted Web ホワイトペーパーver2.0」が目標とする世界観の実現を目指します。
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フォースバレー・コンシェルジュ株式会社について
フォースバレー・コンシェルジュ株式会社は、世界中の人材と企業を繋ぐ、グローバルな採用支援事業を「Connect Job」のブランド名で展開。自社開発のデータベースには186の国と地域、累計約40万人の人材が登録しており、日本の大手グローバル企業、IT企業を中心に地方・中小企業まで約400 社との取引実績有り。2021年4月には特定技能向けオンラインマッチングプラットフォーム「Connect Job WORKERS」、11月には留学生向けオンラインマッチングプラットフォーム「Connect Study ABROAD」を展開するなど、SaaS領域でもサービスを拡充しています。また、経済産業省・沖縄県・富山県・静岡県・長野県等、省庁・地方自治体からも事業を受託。雇用不足の国から人材不足が深刻な日本へ優秀な人材を迎え入れ、ビジネスの力で世界中の社会問題の解決に貢献します。
公式サイト:https://www.4th-valley.com/
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株式会社PitPaについて
【会社概要】
株式会社PitPa(ピトパ)
本社所在地:〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコDGビル
代表者:代表取締役社長 石部 達也
設立年月日:2018年5月2日
資本金:5,000万円
公式サイト:https://pitpa.jp/
主な事業内容:
・ポッドキャスト制作、マーケティング支援事業
・ブロックチェーンを活用した採用支援事業「sakazuki」(https://sakazuki.xyz/)
PitPaは「メディアのあり方を再定義し、持続可能な経済性を提供する」をミッションに、最先端のテクノロジーを活用しながらポッドキャスト制作事業やweb3事業を展開しています。
ポッドキャスト制作事業では、元MITメディアラボ所長として知られる伊藤穰一氏のポッドキャスト番組「Joi Ito’s Podcast – 変革への道」を運用。同番組リスナーのエンゲージメントを高める「会員証NFT」の配布を皮切りに、個人の学歴や職歴、スキルといった人的資本に関わる証明書のNFT化を通じて、「個人」の可能性を最大限に引き出し、新たな機会を創出する人材事業にまで発展してきました。
ブロックチェーン技術は、「インターネット空間に時間軸をもたらしたこと」が功績であり、これまで点と点で存在していた情報を紡いでいくことで、個人や日本企業のポテンシャルを最大化できるのではないかと考えています。今後も、「お金で買えないNFT」の可能性を信じ、個人が活躍できる社会の実現に向けて取り組んで参ります。
■ 本件に関するお問い合わせ先