TOPPANとVESS Labs、イベントのデジタル参加証配布サービスを共同開発

TOPPANとVESS Labs、イベントのデジタル参加証配布サービスを共同開発

TOPPANとVESS Labs、イベントのデジタル参加証配布サービスを共同開発

SBTやVCなどの譲渡・売買不可である信頼性の高いデジタル参加証明の配布で、イベントを活用したマーケティングを支援

 TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPAN株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:齊藤 昌典、以下 TOPPAN)とNFT/SBT(※1) やVC(Verifiable Credentials)  (※2)を用いたデジタル証明の配布ソリューションを提供する株式会社VESS Labs(読み:ベスラボズ、本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:藤森 侃太郎、以下 VESS Labs)は、リアルイベントからメタバースまで様々なイベントへのデジタル参加証明書となるSBTやVCを配布可能とするサービス「ZEN STA(読み:ぜんすて)™」を開発しました。

 「ZEN STA」は、イベントに参加した証明を主催者側から参加者へSBTやVCなどのデジタル参加証としてワンタイムQRコードやURLから簡単に配布し、イベントの回遊促進やイベント開催後のコミュニティ形成などのマーケティング活動を支援するサービスです。TOPPANグループが2023年4月より提供を開始した企業などのマーケティングにおけるNFT活用を支援する「エンタープライズ向けNFT認証ソリューション」の第2弾として、2023年10月17日よりイベントやエンターテイメント業界を中心に販売を開始します。

 なお、「ZEN STA」の共同開発を皮切りに、TOPPANとVESS Labsは、Web3におけるNFT・SBT・VCを活用したマーケティング領域での協業を開始します。

「ZEN STA」のサービス概要 © TOPPAN Inc.「ZEN STA」のサービス概要 © TOPPAN Inc.

■ 開発の背景

 リアルイベントやオンライン、メタバースイベントの参加証明やノベルティとして、NFTの配布を検討する主催者やイベント運営会社が増加しています。しかし、NFTを参加証明として配布しても、NFTは譲渡や売買が可能であるために、参加証明としての担保が難しいという課題があります。TOPPANとVESS Labsで共同開発した本サービスにより、譲渡ができないSBTやVCを配布することが可能となります。NFT発行サービスは数多く存在しますがSBTやVCを主に扱うものは少なく、そのほとんどは国外のサービスです。本サービスでは、SBTやVCの配布により参加証明が担保できるため、実際のイベント参加者に対してのコミュニティ形成や参加後のコミュニケーションが可能になります。

 VESS Labsは、中央集権的な管理者や第三者機関を必要とせずに、インターネット上で個人や組織の身元を証明・管理する分散型アイデンティティ領域に焦点を当て、分散型ID (※3) やSBTやVCを活用して信頼性の高いデジタル証明書を作成できる「VESS」や、web3領域に特化した求人/求職が行えるジョブプラットフォームサービス「SYNAPSS」を提供しています。それらのデータを様々なサービスやプラットフォームがユーザー同意のもと利活用できるようにするためのSDK (※4)の開発も進めています。

 TOPPANグループは、これまでリアル/デジタルの両面で企業のマーケティング活動を支援してきました。また、web3時代に活用が期待されるメタバース技術や翻訳ソリューションなども有しサービス展開をしています。web3技術を活用した新たなマーケティング支援を目的とするweb3専門組織「web3 Marketing Unit®」による事業創出を積極的に推進し、2023年9月現在、計50社以上のNFT販売を支援しています。2023年4月には、企業などのマーケティングにおけるNFT活用を支援する「エンタープライズ向けNFT認証ソリューション」のラインアップ第1弾として、企業などが発行する特定のNFTを保有した人にコミュニティ参加権を付与することができる<はやくてかわいいNFT認証ツール>「HAYACAWA®わん」の提供を開始し、アート業界やイベント業界で採用されています。

 両社の協業により、TOPPANが保有するWeb3やメタバースを活用したマーケティングノウハウや顧客体験設計(CX)と、VESS Labsが保有するNFT、SBT、VCを簡単に発行・配布できる技術を連携し、イベント業界・エンターテインメント業界を中心にweb3進出を支援していきます。

■ 「ZEN STA」の特長

・イベント参加証明としてSBTやVCを簡単に発行

ユーザー間での交換や売買ができないSBTやVCによる参加証明の発行で、イベントにおける信頼性の高い参加証明として有効に利用できます。

・ワンタイムQRコードまたはURLから配布

オフラインイベントでの配布方法としてワンタイムQRコードでの配布、オンラインイベントでの配布方法としてURLからの配布と、リアル・メタバース両方のイベントで利用しやすい参加証明の入手方法を揃えています。

・ユーザー情報の収集と活用

「ZEN STA」からイベントの参加証明としてNFT・SBT・VCなどを受け取ったユーザー情報を保存することができるため、イベント終了後に実際のイベント参加者のみに別の特典NFTを提供することも可能です。また、TOPPANが提供するNFT認証ソリューション「HAYACAWA®わん」と連携することで、特定のNFTを保有したユーザーに限定したコミュニティの形成も可能です。

■ 価格

・30万円~ (合計2,000個まで)

※対応チェーン:Polygon

※その他オプション機能は別途費用

■ 今後の目標

 TOPPANは、イベント業界、エンターテインメント業界を中心に「ZEN STA」を拡販し、Web3進出を支援していきます。また、NFT/メタバース/クリエイターエコノミー/web3マーケティング支援などweb3関連事業で2025年度までに約10億円の売上を目指します。

 VESS Labsは「ZEN STA」を通して、Web3や分散型アイデンティティ領域の新たなユースケースを創出し、デジタルアイデンティティの社会実装の推進を目指します。

 両社は、Web3におけるNFT・SBT・VCを活用したマーケティング領域における協業により、企業のマーケティング活動、個人の体験に新たな技術を取り入れながら、日本国内のみならずグローバルなサービス展開を加速させていきます。

※1 SBT

Soul Bound Tokenの略称。譲渡不可なNFT。

※2 VC(Verifiable Credentials)

Web標準を定める国際団体であるW3C(World Wide Web Consortium)が標準化を進める、第三者が介さずとも内容の検証がオンラインで可能な自己主権型のデジタル証明書。    

※3 分散型ID

Decentralized Identifier(分散型識別子)。特定の事業者に依存しない識別子でW3Cにより標準化が進められている。    

※4 SDK

Software Development Kit の略称。ソフトウェアの開発を支援するためのツールセットでライブラリやツール、ドキュメントを提供します。

* 「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

* 「ゼンステ/ZEN STA」は、TOPPANホールディングス株式会社が商標登録出願中です。

* 「ZEN STA」の関連技術については、TOPPANホールディングス株式会社と株式会社VESS Labsにて特許出願中です。

* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。

* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以  上


記事選定/ライター
NFT-TIMES 長尾英太

ブロックチェーン技術記者、長尾といいます。ブロックチェーンについては投資/投機的な観点よりも、技術として未来の社会でどのように取り込まれていくかを中心に発信したいです。最近ではNFTやメタバースなどに注目しています。 1989年11月7日千葉出身。大学卒業後IT企業に入社。2017年にブロックチェーンの技術ライターとして独立。 Twitter
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