NFTを所有している221名にNFTの利用状況に関するアンケート調査を実施

NFTを所有している221名にNFTの利用状況に関するアンケート調査を実施

NFTを所有している221名にNFTの利用状況に関するアンケート調査を実施

NFT所有者のNFT所有数は、1人あたり10点未満が半数以上を占め、1点あたりの平均金額は1万円未満が70%の反面、1点1万円以上かけた人は25.9%も。所有分野は音楽、ゲーム等バラエティに富んだ。

株式会社ゼロアクセル(https://zero-accel.co.jp/)は、2022年にNFTを所有していた国内在住の男性109名、女性112名の合計221名にNFTの利用状況に関するアンケート調査を実施いたしました。
■調査サマリー

  1. 現在NFTを所有している人が所有するNFTの数は、1人あたり10点未満が全体の64.6%と半数以上にのぼり、数多くのNFTを所有するというよりも、所有したいNFTを厳選して所有する傾向が強い結果となった。
  2. NFT所有者がNFTを初回購入した年について、2020年から2021年と回答した人が67.7%を占めたことと、NFTを所有する前から暗号資産(仮想通貨)取引をしていた人が53.2%を占めたことから、以前より暗号資産(仮想通貨)に投資していた人がいち早くNFTの情報をキャッチしてNFTを購入していたことがわかる。その一方で、NFTを購入するために暗号資産(仮想通貨)の取引を始めた、あるいはNFTを購入した後に暗号資産(仮想通貨)の取引を始めたと回答した人も44.1%いることから、それまで暗号資産(仮想通貨)取引と無縁だった人もNFTの購入をきっかけに暗号資産(仮想通貨)取引を開始したことが明らかとなった。
  3. 現在NFTを所有している人は、音楽、ゲーム、スポーツ、アート・イラストとバラエティ豊かな分野のNFTを所有していることが明らかとなり、例えばゲームの分野においては、NFTを購入しないとプレイできないゲームがリリースされるなど、コレクションや投資のみが目的ではないNFT購入の動機も考えられる結果となった。
  4. NFT1点あたりにかけた平均金額について、1点につき1万円以上をかけたと回答した人は25.9%いる一方、1万円未満と回答した人が70%を占めた。高額なNFTに関する話題は記憶に残りやすいが、実際にNFTを購入している人は、比較的入手しやすい価格帯のNFTを購入している一面がうかがえる結果となった。
  5. 現在NFTを所有している人のうち83.2%が今後もNFTを所有したい意向を示しており、NFTの今後の将来性に期待する人が多い背景も垣間見れる結果となった。近年は、ふるさと納税の返礼品や地方創生なども含め、より多くのフィールドでNFTの利用が期待されていることも、NFTを所有したいとユーザーに思わせる一因となった可能性も示唆される。

■あなたは現在NFTをいくつ所有していますか

図1図1

​現在所有しているNFTの数について、6〜10点と回答した方が43.2%、次いで11〜50点が22.3%という結果となり、アンケートに回答したNFT所有者の多くが複数のNFTを保有していることがわかりました。
NFTを複数所有することについて、NFT作品をシリーズ化して販売しているアーティストもいることから、ファンは同じシリーズのNFTを購入する可能性があることや、NFTを投資商品として所有している場合、価格変動リスクを抑えるためにNFTを分散して購入していることなどが考えられるでしょう。(図1)

■あなたがはじめてNFTを所有したのはいつですか

図2図2

はじめてNFTを所有した時期については、2020年〜2021年と回答した方が全体の半数以上である67.7%を占める結果となりました。2020年頃からNFTの認知度が上がり、購入しはじめた方が多いことがわかります。
2020年10月にリリースされた、NBA選手のNFTトレーディングカードの売買総額は2億ドルを超え、大きくニュースで取り上げられました。
2022年以降にNFTを初めて所有した方は12.3%であることを見ると、2021年までのNFTブーム時より新規ユーザー数の増加率は落ち着いてきているという見方もできるでしょう。(図2)

■あなたが所有したことがあるNFTは、どのようなジャンルのものですか。あてはまるもの全てをお答えください

図3図3

NFTといえばイラストのイメージがありますが、実際に保有しているNFTの割合は「音楽」ジャンルが最多という結果となりました。 近年、音楽NFTの市場は増加しており、音楽NFT専門マーケットプレイスも多数リリースされています。
日本では「.mura(ドットミューラ)」というマーケットプレイスで小室哲哉氏の作品が出品されたことが話題になりました。
「ゲーム」、「スポーツ」ジャンルが多いのは、NFTを利用したブロックチェーンゲームや、運動することで仮想通貨やNFTを獲得できるスポーツゲームの増加が要因のひとつでしょう。
ゲームやスポーツ関連はNFTを所有していないとプレイできないこともあるので、所有数が増えていると考えられます。(図3)

■あなたがNFTを所有する目的としてあてはまるもの全てをお答えください​

図4図4

NFTを所有する目的として、「値上がりによる利益」が73.6%を占める結果となりました。人気のあるNFTは元値の10倍以上の値がつくこともあり、投資目的で購入しているユーザーが多い可能性が示唆されます。
また、「NFTを活用したサービスの利用」の回答が利益目的に次いで58.6%と多くなっています。NFTを購入しないとプレイできないゲームのリリースや、別荘を1日単位で利用できる権利を得られるなど、投資目的ではない活用方法の増加が要因のひとつとして考えられるでしょう。(図4)

■あなたはNFTを主にどのように入手しましたか

図5図5

NFTを入手した主な方法について、「国内事業者のサイトで購入した」旨の回答が最多の40.0%となり、NFTを販売する国内事業者のサイトの増加が要因のひとつとして考えられます。
国内事業者のサイトでは購入できないNFTもあるため、海外事業者のサイトで購入したユーザーも21.4%とまだ多く存在する結果となりました。(図5)
国内では、2021年にCoincheckが初めてNFTマーケットプレイスをリリースしました。

■NFT1つあたりの購入にかかった金額は平均してどのくらいですか

図6図6

NFT1点あたりの購入にかかった平均金額には、「1万円未満」である回答が70%近くを占める結果となりました。
高額なNFTが話題にあがることは多いですが、実際に購入しているユーザーは比較的手の出しやすい価格のNFTを購入しているとわかります。高額なNFTに注目が集まる一方で、手頃な金額のNFTが多く普及していると言えるでしょう。
手頃な金額で購入できるNFTが増えることでユーザーが増加し、NFT市場の拡大が期待できます。(図6)

■あなたは暗号資産(仮想通貨)の取引をしていますか

図7図7

暗号資産(仮想通貨)の取引について、「NFTを購入するよりも前から暗号資産(仮想通貨)の取引をしていた」と回答した方が53.2%と、半数を占める結果となりました。
2021年のNFTブーム前からNFTを購入していた方が多かった結果(図2)からもわかるように、仮想通貨に投資していた方が、いち早くNFTの情報をキャッチしていた可能性が高いでしょう。
NFTを取引するにあたって仮想通貨が必要となるため、もともと仮想通貨を保有していた方はNFTを購入することへのハードルが低かったとも考えられるでしょう。(図7)

■NFT購入時に特に確認した項目としてあてはまるもの全てをお答えください

図8図8

NFT購入時には、「手数料などを含めた総支払額」と「希少性」の2点が、特に確認していた項目として挙がりました。
NFTを購入する際には、支払いに利用する仮想通貨の手数料(ガス代)が必要です。ガス代は日々変動し、NFTの取引が集中した際には、1回の購入に5,000円以上必要な時もありました。NFTよりガス代の方が高くなる場合もあり、NFT購入時には手数料の確認は欠かせません。
また、NFTは発行数が少ないほど価格が上昇する傾向にあるので、投資目的の方は希少性を重視しているであろうことが推察される結果となりました。(図8)

■NFTの購入・利用に関して難しかった項目としてあてはまるもの全てをお答えください

図9図9

NFTの購入・利用に関して難しかった項目として、「ウォレットの作成・設定」と答えた方が最も多く54.5%、「暗号資産の購入」が50.0%という結果となりました。
NFTを購入するためにはウォレットが必要となりますが、ウォレットは仮想通貨取引所と使い勝手がまったく違うため、初めて作成する方にとって難しく感じる点が生じた背景がうかがえます。
また、NFTの購入には基本的に暗号資産が必要なので、仮想通貨取引所に登録し、口座を開設しなければ購入できません。
本人確認書類の提出や審査があるため、購入までの手間がかかることも難しく感じる点の1つに考えられるかもしれません。(図9)

■今後(も)NFTを購入したいと考えていますか

図10図10

一部ニュースやSNSにおいては、「NFTブームはもう終わった」というネガティブな意見もみられますが、今後もNFTを購入したいと考えている方が83.2%と大多数を占める結果となりました。
NFTはゲームやアートだけでなく、ふるさと納税の返礼品など、地方創生にも利用され始めています。
NFTの利用用途はより拡大していくことが期待されていることから、NFT所有者はその将来性に期待している人も多くいるのではないかと推察されます。(図10)

 

■アンケート調査の概要

調査概要 NFTに関するアンケート調査
調査方法 インターネットリサーチ 
調査対象  国内在住でNFTを所有している男女20歳〜59歳 
調査目的  NFTの利用状況にまつわる調査 
調査件数  221名(男性109名、女性112名) 
対象地域  日本国内 
調査実施日程  2023年1月17日

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記事選定/ライター
NFT-TIMES 長尾英太

ブロックチェーン技術記者、長尾といいます。ブロックチェーンについては投資/投機的な観点よりも、技術として未来の社会でどのように取り込まれていくかを中心に発信したいです。最近ではNFTやメタバースなどに注目しています。 1989年11月7日千葉出身。大学卒業後IT企業に入社。2017年にブロックチェーンの技術ライターとして独立。 Twitter
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