流行/「NFT」トークンエコノミー」が「トレンドマップ 2021下半期」にて躍進/日経クロストレンド

流行/「NFT」トークンエコノミー」が「トレンドマップ 2021下半期」にて躍進/日経クロストレンド
株式会社 日経BP(本社:東京都港区、社長:吉田 直人)は2021年10月12日、マーケティング&イノベーション専門メディア「日経クロストレンド」が作成した「技術」「マーケティング」「消費」の潮流を見極める「トレンドマップ 2021下半期」を発表した。

日経クロストレンド「トレンドマップ 2021下半期」を発表

◆NFT(非代替性トークン)の盛り上がりを受け、「トークンエコノミー」が躍進

技術、マーケティング、消費の3分野は変化が激しく、様々なバズワードが飛び交います。この中から、中長期的に注目すべきトレンド(潮流)の見極めを目的とし、日経クロストレンドの活動に助言する外部アドバイザリーボード約50人と、編集部の記者など各分野の専門家の知見を集約しました。その分析結果は、「現時点での経済インパクト」と「将来性」の2つのスコアでマッピングしています。

前回の2021年上半期調査と比較し、今回、将来性スコアが最も伸びたのは、技術分野では「トークンエコノミー」「GNSS(測位衛星システム)」、マーケティング分野では「CRM(顧客関係管理)」「OMO・オムニチャネル」、消費分野では「オタク消費」となりました。

また、経済インパクトで今回スコアを伸ばしたキーワードは、技術分野では将来性スコアと同じく「GNSS」「トークンエコノミー」でした。マーケティング分野では「OMO・オムニチャネル」に加え、「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)」が浮上。消費分野では「サブスクリプション消費」が躍進しました。

◆各分野でスコアを伸ばしたキーワード(2021年上半期調査との比較)

今回の調査で新たに追加したキーワードは、マーケティング分野の「UGC(ユーザー⽣成コンテンツ)」「MEO(マップ検索エンジン最適化)」、消費分野の「TikTok売れ」という3つのキーワードです。また、マーケティング分野では前回調査まで「オムニチャネル」としていたキーワードを今回は「OMO・オムニチャネル」と変更し、消費分野でも「サステナブル消費」「エシカル消費」と分かれていたキーワードを「サステナブル・エシカル消費」とまとめています。

◆新たに追加・変更したキーワードの将来性スコア

今回のトレンドマップ2021下半期調査は、首都圏などに3度目の緊急事態宣言が発令された21年8⽉に実施しました。主なトピックスは以下の通りです。なお、最新トレンドマップの全キーワードのスコア、詳細解説記事は、21年10月12日に日経クロストレンドのWebサイト(https://xtrend.nikkei.com/)で公開します。

◆2021下半期トレンドマップの高スコアキーワード(スコア4.00以上、上位3キーワード)

◆​2021下半期トレンドマップ【技術キーワード編】の例

【トレンドマップ2021下半期のポイント】

◆技術分野の将来性、経済インパクトで「トークンエコノミー」のスコアが伸長

21年に⼊って国内でも企業の参⼊が相次いでいる「NFT(⾮代替性トークン:Non-Fungible Token)」のブームが、「トークンエコノミー」に注目が集まった背景にあると見られます。NFTは、ビットコインなどの暗号資産と同じくブロックチェーン(分散型台帳)技術をベースとし、取引データをネットワークにつながった多数のコンピューターで共有するため、改ざんが⾮常に困難なのが特徴です。デジタルデータもリアルな美術品などと同様に希少性が担保され、資産的な価値を持つようになることで、デジタル上のマーケットプレイスの拡大が期待されます。

同じく、21年にビジネス上の注⽬度が⾼まったキーワードに、インターネット上でアバターなどを介して参加者同⼠の交流が可能な「メタバース(仮想空間)」があります。そのメタバースとNFTの相性はよく、バーチャルな世界に巨⼤経済圏を⽣み出す技術として今後も注目を集めそうです。

◆マーケ分野では、「OMO・オムニチャネル」が将来性、経済インパクトのスコアで躍進

新型コロナウイルス感染症拡⼤の影響で外出⾃粛が広がり、EC市場が急速に拡大しています。ネット化が進んだ消費⾏動は元に戻らないといわれる中で、コロナ後を見据えた事業戦略として店舗とECサイトを誘導した「OMO・オムニチャネル」への関心が高まっています。

今回調査では「CRM(顧客関係管理)」の将来性スコアが急浮上していますが、OMO・オムニチャネルが推進されることでオンオフ問わず顧客データを蓄積できるようになると、CRMの⾼度化にもつながります。今後はデジタルで消費者と直接つながり、関係性を築いていく仕組み作りが一層求められます。

◆消費分野は「オタク消費」の将来性スコアが急上昇。Z世代の「推し活」が背景に

消費分野で将来性スコアを伸ばした「オタク消費」の背景には、Z世代で広がる「推し活」がありそうです。好きなアイドルや俳優、キャラクターなど、特定の対象を熱狂的に応援する動きで、Instagramではハッシュタグ「#推しのいる⽣活」が81万7000件以上も投稿されています。

また、幅広の透明テープに油性ペンで推しの名前を書いてグラスに貼り付けた「推しグラス」や、トレーディングカードを⼊れた透明ケースをシールやラインストーンで飾る「トレカケースデコ」など、推しグッズの制作にハマる⼈も続出しています。こうした消費者の強いこだわりをいかに自社商品・サービスに取り込むか、あるいは作り出すことが今後はヒットの条件になりそうです。

■「トレンドマップ2021下半期」の分析手法
調査は2021年8月中旬から下旬に実施。編集部が選定した技術28キーワード、マーケティング29キーワード、消費28キーワードそれぞれを認知する人に、そのキーワードの現時点での「経済インパクト」と「将来性」を5段階で尋ねてスコアリングしました。質問の選択肢は下記の通りです。
[経済インパクト]
1.どの企業も収益を得られていない/2.一握りの企業(1~2割程度)の収益に影響している/3.一部の企業(3~5割程度)の収益に影響している/4.大半の企業(6~8割程度)の収益に影響している/5.社会全体になくてはならない存在
[将来性(=企業の収益貢献や社会変革へのインパクト)]
1.将来性は低い/2.将来性はやや低い/3.どちらとも言えない/4.将来性はやや高い/5.将来性は高い

【日経クロストレンドについて】
「日経クロストレンド」(https://xtrend.nikkei.com/)は、マーケティング戦略や商品開発、新事業創造などの情報を提供するデジタルメディアです。デジタル・テクノロジーの進化などで様変わりする企業の新商品開発、マーケティング戦略、事業戦略の最前線をデータと実例を基に詳報。「売れる商品」「サービス開発」の勘所を解き明かします。対象は企業の経営企画、新事業開発、商品企画・開発、システム、マーケティング、営業、顧客窓口など幅広いビジネスパーソンで、Webサイト・スマホサイトを中心にお届けしています。


記事選定/ライター
NFT-TIMES 長尾英太

ブロックチェーン技術記者、長尾といいます。ブロックチェーンについては投資/投機的な観点よりも、技術として未来の社会でどのように取り込まれていくかを中心に発信したいです。最近ではNFTやメタバースなどに注目しています。 1989年11月7日千葉出身。大学卒業後IT企業に入社。2017年にブロックチェーンの技術ライターとして独立。 Twitter
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