東京海上日動とPKSHA、業務特化型AI「AI Search Pro」を導入開始

東京海上日動とPKSHA、業務特化型AI「AI Search Pro」を導入開始

東京海上日動とPKSHAが業務特化型AIを導入開始

東京海上日動火災保険株式会社とPKSHA Technologyは、照会応答業務特化型対話AI「AI Search Pro」を共同開発し、東京海上日動での本格導入を開始しました。このAIは大規模言語モデルを活用し、保険業界における業務効率化を実現します。試験運用において高い精度が確認され、約100万件のデータを基にしたアルゴリズムのチューニングを実施。結果として、多くのケースでAIの有用性が認められ、社員の回答時間も約4割削減される見込です。これにより、社員はより創造的な業務に注力できるようになります。

この記事の要約

  • 東京海上日動とPKSHAが業務特化型AI「AI Search Pro」を導入。
  • 試験運用で高精度が確認され、業務効率が約4割向上。
  • 今後、社員は新たな価値提供に注力できる環境が整う。

 東京海上日動火災保険株式会社(本店:東京都千代田区、取締役社長:城田 宏明、以下 東京海上日動)と株式会社PKSHA Technology(読み:パークシャ・テクノロジー、本社:東京都文京区、代表取締役:上野山 勝也、以下PKSHA)は、大規模言語モデル※1を活用した照会応答業務特化型対話AI「AI Search Pro」を共同開発※2し、このたび東京海上日動にて本格導入を開始します。

 「AI Search Pro」の活用を通じて業務効率化を図り、創出された時間を活用して、人にしかできない対応・創造的な発想等を通じた新たな価値提供に一層注力してまいります。

※1 大量のテキストデータを事前に学習したモデルのことで、さまざまな言語処理タスク(文章生成や質問応当など)に応用することが可能です。

※2 開発にあたっては、当社とPKSHAとの合弁会社である株式会社AlgoNaut(以下 AlgoNaut)と連携します。

1.背景

 保険業界では、専門用語を含む複雑な内容のやりとりも多く、実務における対話AIの活用には一定のハードルがありました。この課題の解決に向けて2023年2月より東京海上日動、PKSHA、AlgoNautの3社にて、東京海上日動の業務に適用した大規模言語モデルの設計およびプロトタイプの開発に着手し、2023年6月から照会応答業務における試験運用を開始しました。※3

 試験運用では、代理店から寄せられる自動車保険に係る照会を対象に開発したプロトタイプによる回答作成を行った結果、高い精度が認められました。そこで、対象商品の拡大に向け、火災保険や傷害保険等も含めた約100万件の照会応答履歴データを投入するとともに、アルゴリズムのチューニング等を実施しました。

 その結果、自動車保険に留まらない保険商品において、約8〜9割のケースで「AI Search Pro」活用の有用性が認められたうえに、社員が1件あたりの回答に要する時間も約4割削減されることが確認されたため、今般、全営業部店および代理店ヘルプデスク等への本格導入を開始します。

※3 2023年4月19日 保険領域に特化した対話型 AI の開発および活用の開始

https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/230419_01.pdf

2.「AI Search Pro」の概要

 「AI Search Pro」は、照会履歴データ等を使って学習した検索AIと生成AIを組み合わせ、大規模言語モデルの適切な連携を支援するソリューション「PKSHA LLMS」※4を活用し、東京海上日動のデータを学習したアルゴリズムを多段階的に組み合わせることで高い精度を実現した、照会応答サポートシステムです。

 多くの企業で直面している生成AIの業務浸透に向けた課題に対し、代理店との照会応答システム上にAI機能を組み込み、直感的かつ簡単に操作ができるインターフェースにすることで、高度なデジタルスキルを不要とし、社員が日常的に対話AIを活用できる環境を実現しました。

【活用イメージ】

  1. 代理店から受けた照会に対して、「AI Search Pro」が照会履歴等を自動検索

  2. 抽出された類似照会の回答事例を表示し、回答例生成に利用したい事例を選択(複数選択可)

  3. 選択した事例から「AI Search Pro」が最適な回答例を作成

  4. 正確性の担保やハルシネーションリスク回避の観点から、生成した回答例は社員が確認、必要に応じて修正し、代理店へ回答

※4 「PKSHA LLMS」: 複数の大規模言語モデルを統合的にカスタマイズできる環境を提供するソリューション(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000090.000022705.html) 

【画面イメージ】

3.今後の展望

 本システムの導入から得られた知見について、コンタクトセンターにおける照会応答業務への転用可能性を模索していくとともに、グループ会社等への横展開を通じて、AI活用による業務効率化・高度化領域におけるシナジー創出を検討してまいります。

4.会社紹介

●東京海上日動火災保険株式会社 URL:https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/

取締役社長 城田 宏明

本社所在地 東京都千代田区大手町二丁目6番4号

●株式会社AlgoNaut

AlgoNautは、東京海上ホールディングスとPKSHA Technologyが両社の経営資源を最大限に生かすために設立した合弁会社です。 東京海上グループ各社が積み上げてきたリスクデータやリスク予防ノウハウと、 PKSHAが自社開発した機械学習・深層学習領域のアルゴリズムを用いてお客様や社会を取り巻くリスクに対応するソリューション事業を企画・開発を行っています。

代表取締役  佐野 長紀

設立日    2020年11月

所在地    東京都文京区本郷 2-35-10 本郷瀬川ビル 4 階

URL:https://www.algonaut.co.jp/

●株式会社PKSHA Technology

「未来のソフトウエアを形にする」をミッションに、企業と人の未来の関係性を創るべく自社開発した機械学習/深層学習領域のアルゴリズムを用いたAIソリューションの開発・AI SaaSの提供を行っています。自然言語処理技術を用いた自動応答や、画像/動画認識、予測モデルなど多岐に渡る技術をベースに顧客の課題にあわせた解決策を提供する他、共通課題を解決するAI SaaSの展開により、ソフトウエアの社会実装を多面的に支援し、人とソフトウエアが共に進化する豊かな社会を目指します。

会社名:株式会社PKSHA Technology

所在地:東京都文京区本郷 2-35-10 本郷瀬川ビル 4F

代表者:代表取締役 上野山 勝也

URL: https://www.pkshatech.com/

◆本件に関するお問合せ

pr@pkshatech.com

記事選定/ライター
NFT-TIMES 長尾英太

ブロックチェーン技術記者、長尾といいます。ブロックチェーンについては投資/投機的な観点よりも、技術として未来の社会でどのように取り込まれていくかを中心に発信したいです。最近ではNFTやメタバースなどに注目しています。 1989年11月7日千葉出身。大学卒業後IT企業に入社。2017年にブロックチェーンの技術ライターとして独立。 Twitter
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