モビルスが提供開始する新AI機能で顧客窓口が進化する

モビルスが提供開始する新AI機能で顧客窓口が進化する

モビルスが新AI機能で顧客サポートの改革に挑む

モビルス株式会社は、顧客窓口の効率向上を目指し、オペレーターへの回答支援を行うAI「MooA CommNavi」と、企業内ナレッジを基にしたナレッジ検索機能「MooA KnowledgeBase」を2024年11月14日以降に順次提供開始することを発表しました。これにより、慢性的なオペレーター不足の解消と業務の属人化を防ぎ、顧客満足度を高めることを目的としています。新機能はコンタクトセンターの運用品質を向上させ、顧客との「つながり」を強化する期待が寄せられています。

この記事の要約

  • モビルスが新AI機能により顧客対応を革新する。
  • 「MooA CommNavi」と「MooA KnowledgeBase」を発表。
  • オペレーター不足の解消と顧客満足度向上に寄与する。

コンタクトセンター向けCXソリューションを開発・提供するモビルス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:石井智宏、以下モビルス)は、コンタクトセンター運用の応対品質と業務効率を改善するオペレーション支援AI「MooA®(ムーア)以下、MooA」にて、AIが文字起こしや通話内容を分析するオペレーター向け回答支援ダッシュボード「MooA CommNavi(ムーア コミュナビ)以下、MooA CommNavi」と、生成AIを活用し、企業内ナレッジを組み込んだナレッジ検索機能「MooA KnowledgeBase(ムーア ナレッジベース)以下、MooA KnowledgeBase」(ベータ版)を2024年11月14日以降順次サービス提供を開始することをお知らせします。

これらの新機能により、「つながる」お客さま窓口の確立に向け、慢性的なオペレーター不足問題の解決やコンタクトセンター業務の属人化解消が可能となります。

「MooA CommNavi」と「MooA KnowledgeBase」の全体イメージ

■ 開発背景

コンタクトセンターは顧客満足度への影響だけでなく、商品やサービスの継続や購入にも大きな影響を与える部門として考えられています。しかし、慢性的なオペレーター不足や、繁忙期の混雑で電話が集中した場合に窓口の利用者はスムーズにコンタクトセンターにつながることが出来ず、不満を募らせている状況も多く見られます。

またコンタクトセンターでは、業務効率化や応対品質の向上、安定したサポート提供を目的に、利用者との応対履歴を記録しています。応対履歴はナレッジとして蓄積し、オペレーター向けのFAQシステムやマニュアル等の作成時に活用するなど、社内共有を図る取り組みに活かされています。応対履歴の作成は通話中に応対内容を書き起こし、通話後には「課題特定」「解決策検討」「クロージング」と内容を整理する業務ですが、オペレーター自身が実施するため、オペレーターの業務負荷増の大きな原因となっています。

さらに、応対内容に迷ったオペレーターが解決策を社内から探し出そうとしたときに、適切な回答が得られないFAQシステムだったり、該当するマニュアルを見つけることが困難だったりと、現場で使いづらい仕組みで情報の更新が滞っていることも多く、依然としてオペレーター個人のスキルや知識に依存し応対品質のばらつきが課題となっているコンタクトセンターが多くあるのが実情です。

これを踏まえ、モビルスは、コンタクトセンター運用の応対品質と業務効率を改善するオペレーション支援AI「MooA」に、文字起こしやAIが通話内容を分析するオペレーター向け回答支援ダッシュボード「MooA CommNavi」と、生成AIを活用し、企業内ナレッジを組み込んだナレッジ検索機能「MooA KnowledgeBase」(ベータ版)を2024年11月14日以降順次提供開始します。

この度提供開始する新機能2種は、生成AIを活用しており、終話後の後処理(応対記録作成等)といった「ACW(平均後処理時間※1)、以下ACW」等の業務の効率化やオペレーターの経験に左右されない応対品質の向上・安定化を実現します。

またコンタクトセンターを中心に蓄積される顧客データ、FAQや顧客の声(VOC)の収集・利活用も可能となっており、サービスや製品へ反映することで顧客体験(CX)や企業価値の向上支援や企業の収益改善にも貢献します。

※1 ACW(After Call Work):顧客からの問い合わせ内容などをまとめ、専用システムへ記録入力する業務のこと

■ MooAについて

MooAは、モビルスが独自開発するオペレーション支援AIで、コンタクトセンターのオペレーターやスーパーバイザーの業務をサポートするAIシステムです。生成AIを活用した音声認識機能、データ生成機能など様々な機能でACW削減、コンタクトセンターの業務の効率化やCXの向上を実現します。

■ 機能詳細

(1)オペレーターダッシュボード「MooA CommNavi」

「MooA CommNavi」は、通話開始と同時に音声認識による文字起こしやAIが話者特定と文脈理解を行い、オペレーターの回答を支援するダッシュボードです。「MooA KnowledgeBase」と連動し、RAG(Retrieval Augmented Generation:検索拡張生成、以下RAG※2)と生成AIで適切な回答を生成します。オペレーターは確認手順に従って電話対応ができるため、経験が浅いオペレーターでも品質の高い応対が可能です。また、型番や証券番号なども正確に音声認識ができるため、業務特化型のプロンプトを選択できる点も特徴です。通話終了後は文字起こしされた通話内容を基に、生成AIが通話内容を意図抽出・要約、さらにQAドラフト作成、オペレーター評価、顧客満足度評価、VOC抽出などCX評価を文字化してノウハウとして抽出します。要約結果はセールスフォースやFastHelp5などのCRMシステムと連携することで対応履歴の記録が大幅に効率化できます。

従来提供しているMooAの応対要約(概要要約、結論、分類、引継ぎメモ)に加えて、「MooA CommNavi」の要約メニュー MooA Prompt10(プロンプトテン)を利用することで、応対業務の効率化やオペレーターの経験に依存しない応対品質の均一化を実現します。

※2 RAG(Retrieval-Augmented Generation):大規模言語モデル(LLM)によるテキスト生成に、外部情報の検索を組み合わせることで、回答精度を向上させる技術

「MooA CommNavi」での操作画面イメージ(通話中文字起こし、応対要約、QAドラフト生成など)

<特徴>

・①要件リストアップ機能で、エスカレーションに必要な情報を引継ぎし「ATT(平均通話時間※3)」を削減

・②QAドラフト機能が高品質なQ&Aを自動生成しACWを短縮

・③VOC汎用、④痛点・ディライト、⑤CX満足度の各抽出・分析機能にてVOC分析を充実化

・⑥オペレーター応対評価、⑦顧客特性評価機能にて、客観的な応対評価を取得可能

・⑧レギュレーションチェック、⑨ハイリスク検知(注意喚起)、⑩カスハラチェックにて法規や業務に特化した対応を支援

※3 ATT(Average Talk Time):顧客がかけてきた電話がオペレーターにつながってから、やりとりが行われ、電話が終わるまでの時間

MooA Prompt10イメージ

(2)RAG方式企業内ナレッジ「MooA KnowledgeBase」

「MooA KnowledgeBase」は、RAG方式(検索拡張生成)で企業内ナレッジを基にオペレーターの質問に回答する生成AIを活用し、ナレッジデータベースを構築できる機能です。これにより効率的なナレッジの蓄積・活用を実現します。

具体的には、AIが通話中に抽出した質問に、企業内ナレッジから回答を生成しその根拠を提示します。さらに、オペレーターが入力した質問(プロンプト)に対し、生成AIがマニュアル等の企業内ナレッジを参照し回答することも可能です。回答文は、登録された情報からのみ生成し、事実に基づかない情報の生成(ハルシネーション)は抑制されます。また、曖昧な質問に対しては、類似のキーワードや内容を特定し回答するため柔軟に利用することができ、現場で使いやすい仕様になっています。

「MooA CommNavi」での「MooA KnowledgeBase」操作画面イメージ(通話中の文字起こし、絞り込み、追加指示、質問の意味検索、回答トーク支援、回答根拠の提示)

<特徴>

・通話中にAIが文字起こしを行い顧客表現で質問を抽出。意味検索による回答と根拠の提示が可能

・通話データから、構造化されたQAドラフト案を高品質で自動生成するため、負担ゼロを実現

・ヒトによる知識、経験に頼った応対をFAQとして整備。形式知は、マニュアルや規定文をナレッジとして共有し、スーパーバイザー依存からの脱却を支援

・RAG方式での意味検索により参照率は80%以上を実現。類義辞書登録、言い換え表現のメンテナンスが不要

RAG方式による「MooA KnowledgeBase」について

オペレーターダッシュボード「MooA CommNavi」デモ動画はこちらからご覧になれます。

デモ動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=50axWp5VUXE

■ 今後の展望について

モビルスでは、これまで「MOBI AGENT(モビエージェント®)」「MOBI BOT(モビボット®)」をはじめとしたモビシリーズや、PCI DSSに準拠したセキュア・コミュニケーション機能「Secure Path®(セキュアパス)」の開発・運用を通して、コンタクトセンターの業務効率化に取り組んできました。2023年11月の「MooA-音声認識」提供開始以降も継続的に新機能をリリースしています。

2025年春以降にも「回答作成支援」「回答評価」「自動回答」「ナレッジ管理」のサービス提供を予定するなど、「MooA」をはじめとするCXソリューション提供にてクライアントのCX向上を支援してまいります。

モビルスの目指す生成AIを活用したオペレーター支援機能イメージ

■ モビルス株式会社について

モビルス(東証グロース:4370)は、クライアントの顧客のつまずきや課題へ先回りしたCX(顧客体験)のブランディング設計を行い、企業価値と経営収益向上へ貢献する会社です。そのために、新しいテクノロジーを取り込んだオペレーション支援生成AIサービス 「MooA®(ムーア)」 や、顧客コミュニケーションのノンボイス化とデジタル化を推進する有人チャットやボイスボットなどのSaaSソリューション「モビシリーズ」の開発を行っています。モビシリーズは500社以上に導入実績があり(2024年11月時点)、7年連続でチャットボット市場売上シェア1位※を獲得しています。

また、LINEヤフー株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:出澤 剛)が提供するマーケティングソリューションの導入ならび支援など各領域に特化したパートナーを認定する「LINEヤフーPartner Program」において、2024年度の「Technology Partner」のコミュニケーション部門「Premier」に認定され、認定バッジ「Customer Care」を取得しています。

※ 出典:ITR「ITR Market View:対話型AI・機械学習プラットフォーム 市場2024」チャットボット市場:ベンダー別売上金額推移およびシェア(2023年度)

■ CX-Branding Tech. Labについて

「すべてのビジネスに、一歩先行くCXを。」をミッションに掲げるモビルスが、支援するクライアントの顧客のCX向上を目的として運営するラボです。テクノロジーによるCXの課題解決、変革の促進を目指して、調査レポートやカオスマップ、導入事例の発表、セミナー開催、登壇、実証実験を通した研究開発などを企画・発信しています。

CX-Branding Tech. Lab:https://mobilus.co.jp/lab/

会社名:モビルス株式会社

代表者:石井智宏

所在地:東京都港区芝浦一丁目1番1号 浜松町ビルディング15階

設立:2011年9月

上場市場:東京証券取引所 グロース(証券コード:4370)

事業内容:コンタクトセンター向けSaaSプロダクト(モビシリーズ)などのCXソリューションの提供

公式HP:https://mobilus.co.jp

記事選定/ライター
NFT-TIMES 長尾英太

ブロックチェーン技術記者、長尾といいます。ブロックチェーンについては投資/投機的な観点よりも、技術として未来の社会でどのように取り込まれていくかを中心に発信したいです。最近ではNFTやメタバースなどに注目しています。 1989年11月7日千葉出身。大学卒業後IT企業に入社。2017年にブロックチェーンの技術ライターとして独立。 Twitter
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