株式会社IP-RoBo、TM-RoBoの英熟語処理機能を強化

株式会社IP-RoBo、TM-RoBoの英熟語処理機能を強化

TM-RoBoの英熟語処理機能が加わり商標調査を強化

株式会社IP-RoBoは、AIサービス「TM-RoBo」の商標検索機能を強化し、英熟語処理に新たに対応いたしました。これにより、英語が含まれる商標に関してもより正確な調査が可能になります。新機能は2024年12月2日よりβ版として提供が開始され、英語辞書の充実を通じて、商標登録の可能性や侵害リスクを検討する際の精度が向上します。IP-RoBoは今後も商標調査業務の効率化を図り、専門家と同等の判断を機械学習を介して提供し続けます。

この記事の要約

  • IP-RoBoがTM-RoBoの機能をアップデート。
  • 英熟語処理を追加し、商標調査の精度を向上。
  • 2024年12月2日にβ版が提供開始予定。

 株式会社IP-RoBo(本社:東京都港区、代表取締役社長:岩原将文、以下IP-RoBo)は、商標の登録可能性、使用による侵害リスク等の商標調査を支援する人工知能サービス「TM-RoBo(ティーエム・ロボ)」を提供しております。

 TM-RoBoの商標検索機能のアップデートとして、英熟語処理に対応しました。また、英語辞書に英熟語、英単語を大幅に充実させることで、商標中に英語が含まれている場合の精度を向上させました。

これら機能を含むβ版のサービス提供を2024年12月2日(月)より開始いたします。

■背景

 当社は、特許庁、裁判所等の専門家の判断を機械学習した人工知能が専門家と同等レベルの精度で調査商標の登録可能性判断に有益な各種指標を数値化する「TM-RoBo」を2018年4月にリリースし、その後も新機能を順次追加することにより、商標調査業務の効率を向上させることを目指してきました。

 特に、2020年7月にリリースした<商標検索機能>は、一連一体のカタカナ称呼を入力して調査することしかできなかった従来システムに対して、下記の機能を実現した画期的な機能となっております。

・外観どおり(漢字/ひらがな/アルファベット等のあらゆる文字種別をそのまま表記)の文字商標を入力することで、AIが称呼付与と語力統計指標(各語と商品役務との間の関連性の指標であり、識別力に関連する指標)を数値化する

・複数語からなる結合商標が入力された場合は、分離観察されうる全ての組合せ語を網羅的に抽出したうえで、組合せ語毎に、TMR(称呼のオリジナル性に関連する指標)やTMC(分離観察される可能性に関連する指標)を算出したうえで、TMS(総合指標)をAIが数値化する

■課題

 上記のうち、商標検索機能は、入力商標が結合商標の場合、中間処理画面において、分離観察されうる全ての組合せ語を生成し、網羅的に表示します。組合せ語を生成する前処理として、TM-RoBoは入力商標を最小単位語に分割します。

 これまでのTM-RoBoでは、分割処理の際、分割を意味する記号として空白を使用していたため、表記上途中に空白を含むことになる英熟語等については、最小単位語として扱うことができませんでした。

 例えば、「Blue water proof」について、商品役務に化粧品を指定してTM-RoBoの商標検索機能で検索した場合、「Blue」、「water」、「proof」が最小単位語として分割され、それぞれに称呼と語力統計指標(識別力に関する指標)が算出されます。そのため熟語表現である「water proof」を一体の語として扱うことができず、「water proof」は、あくまで「water」、「proof」が組み合わさった語としてしか扱うことができませんでした。化粧品との関係では、「water」は識別力が弱め、「proof」は識別力が強めと考えられるため、その組合せ語としての「water proof」も識別力が強めになってしまいましたが、耐水を意味する「water proof」という熟語としてみれば、化粧品分野での識別力は弱いことになり、識別力に関連する指標である語力統計指標が不正確になるという問題がありました。

 上記の問題に加え、英熟語の一部とその前後に入力された単語との予期しない組合せ語についても、TM-RoBoでは熟語の一部であるということを加味することなく処理するという問題がありました。

「Blue water proof」の例では、「Blue water」のような組合せ語も作成し、語力統計指標を算出、処理されてしまいます。本来「water proof」は2語で一連のものとして扱うことがふさわしく、熟語の一部を切り出し、前後の単語とくっつけた組合せ語は作成するべきではないという問題も抱えていました。

■アップデート内容

 この問題に対応すべく、TM-RoBoでは区切り文字を従来使用していた空白記号「 」から、「/」に変更いたします。(区切り文字ではなく、商標中の文字として「/」を入力することも可能となっています)

 区切り文字の変更によりこれまで仕様上対応できなかった英熟語にも対応できるようになりました。今回のアップデートにより、分割語における最小単位をユーザが任意に指定することが可能となります。英熟語のような空白を含みながらも一連の分割語として扱いたい場合にも対応することができるようになりました。

 さらに、今回のアップデートで英熟語に対応したことから、英語辞書に英熟語を追加するとともに、英単語についても拡充をいたしました。

 

■機能概要

 TM-RoBoの商標検索機能において、調査商標を入力した後、商標分割ボタンを押すと単語の区切りを表す「/」が下図のように表示されます。

 これにより空白が含まれるような2語以上から構成される「Blue water proof」のような英熟語についても「Blue」+「water」+「proof」ではなく、「Blue」+「water proof」のように一連の熟語を1つの分割語として扱うことができるようになりました。そのため、分割位置によって不正確な語力統計指標が算出されるといった上記課題が解決され、より高度な商標調査が実現されます。

調査商標入力画面 イメージ図

■効果

 商標の中に英熟語のような空白が含まれた文字列が存在する場合でも、最小単位語を任意に指定することができるようになったため、単語ごとではなく英熟語を一連の分割語として調査することができます。

 ひとかたまりとして扱うことで、専門家の判断手法に基づいた検索により近づき、より高度な商標調査を実現します。また、ユーザ自身で区切り記号「/」を入力することで英熟語でなくとも空白を含む単語が存在する商標についての調査も、より望ましい検索が可能となり、調査の精度向上に繋がります。

 さらに英語辞書に英熟語を追加登録したことにより、アルファベットを含んだ商標について、これまでよりも正確な称呼や語力統計指標が表示されるようになります。

■TM-RoBoとは

 商品等の名称として商標を新たに使用したり、商標権を取得しようとする場合、同一または類似の商標が既に出願、登録されていないかを調査することが極めて重要であり、このような商標調査を行うことが一般的に行われています。

 

 ただし、商標調査を行う既存システムでは、表記される商標そのものについて検索する場合(商標検索)には、調査商標との完全一致検索かこれに準じた検索しかできないため、より重要な類似検索を行うことが困難となっています。また、称呼(商標の読み)について検索する場合は類似検索が可能となっていますが、類似の程度まで加味して結果表示することができないために、大量にリストアップされた全ての商標を調査者がしらみ潰しにチェックする必要がありました。これらのことから、商標調査には、高度な専門性に加え、多大な手間とコストがかかっていました。

 

 当社は、特許庁、裁判所等の専門家の判断を機械学習した人工知能であるTM-RoBoを2018年4月にリリースし、その後も追加機能を順次リリースすることにより、最新のAI技術を用いて商標調査の業務効率を劇的に改善することをサポートしています。

現在のTM-RoBoでは、今回新たにリリースした組合せ語拡張機能のほかに、下記機能もラインナップしております(一部有料オプションとなっております)。

・称呼類否検索機能

・類似群コード検索機能

・類似群コードテンプレ機能

・称呼一括検索機能

・表示項目追加機能

・商標検索機能

・外観部分一致検索機能

・PDF一括出力機能

・システム連携機能        etc

公式Webサイト:http://www.tm-robo.com/

■株式会社IP-RoBoについて

社 名 :株式会社IP-RoBo( http://www.ip-robo.co.jp/ )

代表者 :代表取締役社長 岩原 将文(いわはら まさふみ)

所在地 :東京都港区西新橋1-22-5 新橋TSビル7階

設 立 :2018年3月20日

資本金 :1067万円

事業内容:

1. コンサルティング事業(知的財産に関わるコンサルティング全般)

2. Webサービス事業(知的財産に関わるインターネット情報サービス)

3. ソフトウェア開発事業(知的財産に関わるソフトウェアの設計、開発)

お問い合わせ:Mail:info@ip-robo.co.jp

記事選定/ライター
NFT-TIMES 長尾英太

ブロックチェーン技術記者、長尾といいます。ブロックチェーンについては投資/投機的な観点よりも、技術として未来の社会でどのように取り込まれていくかを中心に発信したいです。最近ではNFTやメタバースなどに注目しています。 1989年11月7日千葉出身。大学卒業後IT企業に入社。2017年にブロックチェーンの技術ライターとして独立。 Twitter
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