住信SBIネット銀行とサイボウズ、kintoneで業務効率化に成功
住信SBIネット銀行がkintoneを活用して業務効率化を実現
住信SBIネット銀行がサイボウズの「kintone」を導入し、業務の効率化に成功したことを発表しました。カスタマーセンターでは、電話による問い合わせのエスカレーション作業を表計算ソフトやメールからkintoneに移行することで、工数を半減。さらに、生成AIとの連携による顧客対応の強化にも取り組んでいます。ビジネスの成長に伴い、業務フローやデータの信頼性向上に寄与しており、導入2年でユーザー数が550に増加するなど、他部署への拡大も進んでいます。
この記事の要約
- 住信SBIネット銀行がkintoneを導入し業務効率化を達成。
- エスカレーション業務の工数を半減し、生産性を向上。
- 導入2年でユーザー数550に増加、他部署への拡大も実施。
サイボウズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:青野慶久、以下 サイボウズ)は、住信SBIネット銀行株式会社(本店:東京都港区、代表取締役社長:円山法昭、以下 住信SBIネット銀行)の「kintone(キントーン)」活用事例を発表しました。住信SBIネット銀行は、ビジネスの規模拡大に伴って課題となっていたカスタマーセンターから他部署へのエスカレーションを、表計算ソフトとメールでの作業からkintoneに移行することで、工数を半減させることができました。また、M-SOLUTIONS株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長CEO:植草学、以下M-SOLUTIONS)が提供する、kintone内でChatGPTなどの生成AIが使用できる「Smart at AI for kintone Powered by GPT(以下Smart at AI)」 との連携によって、顧客電話用対話型AIのシナリオ作成にも着手しています。
■kintoneの導入背景とカスタマーセンターでの業務効率化の成果
住信SBIネット銀行は、インターネット専業銀行として2007年に開業しました。デジタルバンク事業をはじめ、パートナー企業にフルバンキング機能を提供するBaaS(Banking as a Service)事業や、カーボンクレジット・第一次産業のDXなどに取り組むTHEMIX事業など、銀行を超えたテクノロジー企業として対応領域を拡大しています。
同社のカスタマーセンターでは、オペレーターが顧客からの問合せ内容を所管部に確認する際の手段として、表計算ソフトとメールを利用しエスカレーションを行っていました。しかし、ビジネス規模が拡大するにつれ、大量なデータによるファイル破損対策や、大人数でのファイル共有によるデータ更新時やメール送受信時のオペレーションリスク防止策など、考慮すべき課題が発生していました。これらの課題を解決するため、kintoneを情報共有基盤として採択するに至りました。採択の決め手は、kintoneがISO認証、FISC安全対策基準など、金融機関に求められるセキュリティ要件を満たしている点や、監査ログを残せる点に加え、誰でも簡単に使え、スモールスタートできるため初期投資が少なく済む一方拡張性に優れ、外部連携もしやすいなどの点が挙げられました。
kintoneを導入し、業務フローの再構築を行ったことで、複数人月程度におよぶ工数を要していたエスカレーション業務の工数が半減するなど、業務の効率化が推進され、データの信頼性・堅牢性を高めることによる業務の高度化にも成功しました。
現在は、問合せをエスカレーションする先の部署の担当者もkintoneを利用しているため、カスタマーセンター以外の複数の部門にもkintone導入が拡大しています。当初20ユーザーで契約したkintoneアカウントは、導入から2年経った現在では、550ユーザーにまで増強されています。実験的に開発したものも含めると、200を超えるアプリが作成されています。
■kintone+生成AIで、顧客電話用対話型AIのシナリオを作成
住信SBIネット銀行は、今後もさらにkintoneを活用した業務改善を行うため、kintoneと生成AIを活用した新たな試みにも取り組んでいます。
顧客の電話に自動応答を行う対話型AIの活用に向け、kintoneとM-SOLUTIONSが提供する「Smart at AI」のプラグインを利用して、受け入れテスト(UAT)のシナリオを作成しています。作成した質問文は、UATで対話型AIがどう回答するかのテストに使用されています。一問一答形式で処理を行うチャットベースの生成AIに対し、kintone+Smart at AIでは、APIコールの連続実行によって繰り返し処理を行えることから、時間と手間の大幅な削減が可能です。また、AIの活用により、業務担当者がシナリオを作成する際に起こり得るバイアスや偏りを防ぐことが見込まれ、受け入れテストの精度の向上が期待できます。
■今後の展望
住信SBIネット銀行は、今後、各種システムと利用者をつなぐためのフロントエンドUIとしてkintoneを活用していく予定です。また、AWS上に展開している基幹システムとのAPI連携を進めていくことで、セキュリティ要件を満たしながらクラウド内で業務が完結できるような環境を目指していきます。
・kintone 事例サイト:https://kintone-sol.cybozu.co.jp/cases/sumishinsbi.html
詳細は事例サイトでもご紹介しています。
■kintoneとは
東証プライム上場企業の3社に1社を含む、37,000社以上が利用しているサイボウズのノーコード・ローコードツール。ITの知識がなくても自社の業務に合わせたアプリを作成でき、日々変化する業務にあわせた改良も簡単に素早くできます。主な機能として「データベース+ワークフロー+コミュニケーション」の特性があり、顧客管理、出張申請、業務日報など幅広い用途で活用できるため、現場主導の継続的な業務改善を実現します。
製品サイト:https://kintone.cybozu.co.jp/
■Smart at AIとは
Smart at AI for kintone Powered by GPT(通称:Smart at AI)は、M-SOLUTIONS株式会社が提供する簡単・安全・効率的にkintone内でChatGPTなどの生成AIが利用可能になるkintone連携サービスです。
製品サイト:https://smartat.jp/kintone-solution/ai/
Smart at AIの事例サイト:https://smartat.jp/works/4932/
※商標・著作権表示に関する注記については、こちらをご参照ください。