コニカミノルタジャパン、対話型生成AI「チャッともシンク」を正式発売

コニカミノルタジャパン、対話型生成AI「チャッともシンク」を正式発売

コニカミノルタ、対話型生成AIを学校向けに正式発売

コニカミノルタジャパンが、学校教育向けソリューション「tomoLinks」に新たに「生成AI学習支援機能」を追加し、サービス名を「チャッともシンク」として2024年10月22日から正式に発売します。このサービスは、88校の小中高等学校での先行トライアルを通じて強化され、利用者からの肯定的なフィードバックを受けて、安心・安全に対話型生成AIを教育現場に導入しました。導入後、児童生徒の積極的な参加意識や学習の効果が確認され、有害ワードのフィルタリングなど安全性も確保されています。トライアルの結果を元にした報告書も無償提供予定です。

この記事の要約

  • コニカミノルタが学校向けAI「チャッともシンク」を発売
  • 88校でのトライアル結果を受け、機能を強化
  • 児童の学習意欲向上や安全性が評価されている

コニカミノルタジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:一條 啓介、以下 コニカミノルタジャパン)は、教育現場における社会課題の解決を目指す学校教育向けソリューション「tomoLinks(トモリンクス)」において、協働学習や探究学習で安心・安全に対話型生成AIを利用できる「生成AI学習支援機能」のサービス名を「チャッともシンク」とし、2024年10月22日から正式に発売を開始します。本サービスは、2024年2月1日から2024年9月30日の期間に応募された88校の小・中・高等学校による先行トライアルを踏まえて、処理速度の高速化や多言語機能の追加、生成AI機能の強化を実行してきました。

左:教員によるプロンプト作成画面イメージ 右:児童生徒による利用画面イメージ

先行トライアルでは、88校全3,384アカウントのユーザーが利用し、実施授業回数は567回に上りました。

トライアルに参加した教員からは、「チャッともシンク」の使用について、「AIの回答パターンに教員側の意図を入れることができるので、授業での活用がしやすい」や、「生成AIを初めて利用する児童が多かったため、導入期における利便性や危険性などの理解につなげられた」といった声が上がりました。また、「非常に集中して生成AIを用いた授業に取り組んでいた」「学習支援を要する児童が、これまでよりも自力で参加できる様子が見られた」といった意見もあり、子どもたちの授業への参加意識や興味関心の向上が伺えました。学校教育における生成AIの活用では、児童生徒が安心・安全に利用できることが大前提となりますが、有害ワードのフィルタリングや児童生徒の利用状況・履歴確認といった安全性を確保する機能についても高く評価されました。

こうしたトライアルの結果を受け、「tomoLinks」の一部として、生成AI学習支援機能「チャッともシンク」の正式発売を2024年10月22日より開始します。また、トライアルユーザーの声を中心に生成AI活用の実態に関するアンケート結果や実践事例をまとめた報告書を、期間限定で無償提供します。

【「チャッともシンク」が提供する価値】

1.子どもたちの考える力の育成をサポート

「チャッともシンク」は、対話型生成AIとの対話を通し、子どもたちの「問題を発見し課題を設定する」「自分の考えを深める」「異なる考えを整理・比較・深堀りする」といった学習プロセスをサポートする機能です。一般的に、対話型生成AIは利用者が入力した情報に対し、適切と思われる回答を提示するものですが、本機能では、授業の目的や利用する子どもたちの学年に合わせた回答の提示方法など、生成AIの振る舞いに関する指示文(プロンプト)をあらかじめ教員側で設定することができます。授業ごとに個別で設定しておくことが可能なため、異なる教科で連続して利用したい場合も、急いで設定変更を行う必要はありません。既定のテンプレートでは、子どもたちの質問に対して直接的な解ではなく、ヒントを提示する設定となっており、子どもたちの思考をサポートします。

2.安心・安全な利用環境で年齢制限なく生成AIを活用可能

「チャッともシンク」の利用に際し、教員や子どもたちが入力した情報はAIの学習には利用されません。有害なキーワードや回答を提示しないよう、フィルタリングも設定されています。また、子どもたちが生成AIとどのようなコミュニケーションをしたか、教員の画面から確認することができるなど、教員と13歳未満を含むすべての子どもたちが対話型生成AIを教育現場で安心して利用できる環境を提供します。

3.登録不要、対話回数の上限なしで快適な利用を実現

ChatGPTなどの対話型生成AI機能は、その利用に学習支援サービスとは別の新たな個別のIDとパスワードの設定が必要となりますが、「チャッともシンク」は学習eポータルを始めとしたすべてのtomoLinksのオンラインサービスと同じID・パスワードでシングルサインオンできるため、煩わしいユーザー登録や管理から解放されます。また、本機能は一般的な対話型生成AIのライセンスの制限である対話回数の上限を排除しており、授業内で制限なく利用が可能です。これにより、学校間や児童生徒間で利用に不公平が生じることを防ぎ、子どもたち一人ひとりが納得いくまで自由に生成AIを用いて学びを深めることができます。追加ライセンスの契約により、利用可能時間帯を拡張することも可能です。

 学校教育において生成AIを取り入れることは、学習の基盤となる「情報活用能力」を養うことや、「個別最適」な教育を実現するといった観点からその重要性が高まってきています。一方で、個人情報やプライバシーが生成AIの機械学習に利用される可能性があること、不適切な回答がされる恐れがあること、利用方法によっては子どもたちの考える力を育てることができないことといった懸念点も指摘されています。こうした背景を踏まえながら、コニカミノルタジャパンは、子どもたちが安心・安全に生成AIを利用しながら、学びを深めることができる環境の実現を「チャッともシンク」を通して支援していきます。

【生成AI授業活用の実態調査報告書を期間限定で無償提供】

トライアルの結果をまとめた「学校教育における生成AI活用の実態調査報告書」を、2024年10月22日(火)から2024年12月27日(金)までの期間、無料で提供します。

生成AIの活用内容については、使用した学年や教科、児童生徒の興味関心を高めた活用方法などの詳細のほか、校務での利用についての情報も掲載しています。また、8校の小・中学校での活用事例を掲載しており、その中で教員が児童生徒向けに設定した、実際のプロンプト例も公開しています。

詳細はこちら:https://bs-offers.konicaminolta.jp/tomolinks/aireport/PR_2

【生成AI授業実践の効果と課題 オンラインセミナーを開催】

小・中・高等学校において生成AIを先進的に活用されている先生方から、実際の事例を紹介します。「授業における生成AIの具体的な活用方法」や「児童・生徒の学びにどのように貢献できるのか」について、実践から得られた貴重なヒントを提供します。

日時:2024年10月27日(日)19:00~21:00 

会場:オンライン開催(Zoom)

登壇者(50音順):

·        近畿大学附属高等学校 乾 武司 教諭

·        聖光学院中学校高等学校 高木 俊輔 教諭

·        大阪信愛学院小学校 高橋 脩 教諭

定員:500名(先着順)

参加費:無料

お申し込み方法:WEBサイトからのお申し込み

https://bs-offers.konicaminolta.jp/tomolinks/webinar202410/PR_2

【tomoLinksについて】

tomoLinksは、不登校や外国籍の児童をはじめとした、学び方や理解のペースが異なる多様な子どもたちへの学びの機会の提供と個別最適な学びの実現、また教員不足や多忙な職場環境といった教育現場における社会課題の解決を目指し、2019年から開発をはじめたクラウド型学習支援サービスです。教育現場のフィードバックを製品に反映しながら開発を進めてきており、教育データ利活用を軸としたサービスで構成されています。これらのサービスを学校の教育プラットフォームとして導入することで、デジタル端末だけでなく教育データの効果的な活用が可能になり、子どもたち一人ひとりの力を最大限に引き出す個別教育の実現を推進します。

 ■「学習支援」サービス

教員、児童生徒、保護者が直観的に操作できるわかりやすいUI(ユーザーインターフェース)で、ICTを使った双方向授業や遠隔授業、連絡帳やこころの日記など、学校と家庭の両方の学習活動をオールインワンで実現できます。

協働学習機能「とも学」では、ワークシートを用いた学習が可能です。クラス全体でのワークシート共有や、複数名で同じワークシートの共同編集など、協働的な学びをサポートする機能が充実しています。また、教員端末から学級内のワークシートをリアルタイムに確認できるため、授業の展開を考えることにも役立ちます。

 

■「先生×AIアシスト」サービス

子どもたちの教育データを元に一人ひとりの学力定着度合いをAIが分析し、先生の指導のサポートや、それぞれの児童生徒に合った学びの学習方法を提案する、ダッシュボード機能とAIドリル機能を中心としたサービスです。

「先生×AIアシスト」の分析AIは、国内で初めて教材に依存せずに、学校が所持している既存の学力データや、新たにデジタルで提供される様々な企業の教材の学力データなどを分析することが可能です。従来、教材と分析AIが紐づいて一体となって提供されていましたが、tomoLinksは教材選択の制限を開放し、児童生徒一人ひとりがそれぞれに取り組んできた学習内容に基づいて、個別に最適な学習内容を提示します。

tomoLinksの教育データ運用方針について

tomoLinksは、文部科学省から示された学習ログデータの取り扱い方針に、いち早く対応しました(2022年11月22日発表)。tomoLinksでは、システム開発を含む商業的な利用を目的とした個人データの利用を行わず、教育委員会や家庭からの個人データの削除や解約時のデータ破棄などの依頼に対応する、データの所有者である生徒児童や保護者にとって安心安全なデータ運用を実現しています。

tomoLinks 公式サイト:https://bs-offers.konicaminolta.jp/tomolinks/pr202410_2

【お客様のお問い合わせ先】

コニカミノルタジャパン株式会社

ICW事業統括部 教育DX事業開発部

https://bs-offers.konicaminolta.jp/tomolinks/contact

(お問い合わせフォームよりご連絡ください)

記事選定/ライター
NFT-TIMES 長尾英太

ブロックチェーン技術記者、長尾といいます。ブロックチェーンについては投資/投機的な観点よりも、技術として未来の社会でどのように取り込まれていくかを中心に発信したいです。最近ではNFTやメタバースなどに注目しています。 1989年11月7日千葉出身。大学卒業後IT企業に入社。2017年にブロックチェーンの技術ライターとして独立。 Twitter
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