株式会社はこぶん、Microsoftと共に感情分析AIを開発し顧客ニーズを可視化

株式会社はこぶん、Microsoftと共に感情分析AIを開発し顧客ニーズを可視化

株式会社はこぶんが感情分析AIを開発、顧客ニーズを可視化

株式会社はこぶんはMicrosoftと共同で、感情分析AIを開発しました。このAIは、顧客の声データを解析し、埋もれていたニーズや課題を明確に可視化します。目的は、分析スキルが無い企業担当者でも簡単に顧客の声を分析できるようにすることです。また、ボイスオブカスタマー(VOC)分析を手軽に行える「ホンネPOST」を運営。このサービスでは、顧客の本音を引き出し、詳細なフィードバックを取得することで、企業が抱える課題を少しでも軽減する支援を行っています。2023年8月のサービスリリース以来、7,000件以上の顧客の意見を事業者に届けています。

この記事の要約

  • 株式会社はこぶんとMicrosoftが感情分析AIを共同開発。
  • 顧客の声を解析し、隠れたニーズや課題を可視化。
  • 「ホンネPOST」により、手軽にVOC分析を実現。

 顧客のマイクロニーズ/ペインを手軽に収集・分析できる「ホンネPOST」を運営する株式会社はこぶん(本社:東京都世田谷区、代表取締役:森⽊⽥剛)は、マイクロソフトのイノベーション創出拠点「Microsoft AI Co-Innovation Lab Kobe」(以下AI Co-Innovation Lab)のSprint開発支援を受け、大量の顧客の声データを解析し、埋もれていたニーズや課題を見える化できる「感情分析AI」を開発しました。これにより、分析スキルやノウハウを持たない企業担当者でも本格的なVOC分析(Voice Of Customer:顧客の声)がより簡単に実現できるようになります。

「感情分析AI」で見過ごしていたマイクロニーズ/ペインを見える化

 ホンネPOSTは、サイレントカスタマーの「言いたい」から本音を自然に引き出し、形式的なアンケートには出てこない細かな顧客ニーズや不満を見える化する、デジタル手紙の顧客コミュニケーションツールです。心理学/行動経済学を応用した「顧客がふと伝えたくなる」現場設計を通じて、「1投稿の平均75文字、最大1200文字超」の具体的なテキストデータで顧客フィードバックが取得できる点が強みで、案件単位で数万文字〜のVOCデータを取得していきます。2023年8月にサービスリリース以降、約7,000件の顧客の生の声を事業者に届けてきました。

 従来よりAIを活用した自然言語解析は独自で行なっていましたが、今回マイクロソフトのAIエンジニアから最新技術のレクチャー及びAI技術の実践的なノウハウをAI Co-Innovation Labで直接学ぶ機会を得たことで、出力精度の飛躍的な向上とオペレーション効率の大幅アップデートを実現することができました。

 Sprint開発支援のプログラム期間では、データの前処理及びLLMへの受け渡し方法(Grounding)やモデルのチューニングなどの具体的なアドバイスを受けながら設計構築パターンを検証。また、プロジェクトメンバーで「多種多様な顧客の声の行間を読み解き、どのような基準でポジティブ要素・ネガティブ要素に分類していくか?」の定義を行い、Azure AI Studioを活用して様々なメソッドを用いたプロンプトエンジニアリングでAIに落とし込んでいき、独自のAI感情分析の開発に成功しました。

Azure AI Studioで検証しながらディスカッションしている様子
最新技術のレクチャーやAI技術の実践的なノウハウについてのディスカッションの様子

「小さな声」に大きな事業成長のヒントが潜んでいる

 近年、市場の成熟化/顧客ニーズの多様化に伴い、顧客単位の要望を解像度高く捉え、顧客満足度や顧客ロイヤリティを高めるCX(カスタマーエクスペリエンス) の改善が重要視されており、顧客の生の声をCXへ活かすことができるVOC分析への期待が高まっています。 一方で、従来の形式的なアンケートによるNPSや満足度の点数評価の平均値での分析では、顧客単位の意見や満足度が理解できず打ち手まで繋がらなかったり、 分析の業務負荷の高さや専門の分析ノウハウを持つ社員がいないことにより、本格的にVOC分析を実践できている企業は未だ少ないのが現状です。

 ホンネPOSTでは「本格的なVOC分析を、誰でも簡単に。」をコンセプトに、サイレントカスタマーの埋もれている「言いたい」を掘り起こし、今回開発した感情分析AIを通じて、企業担当者が簡単に顧客分析ができ、事業戦略への落とし込みがスムーズに実現できる仕組みを構築し、日本の事業創造力の底上げに挑戦していきます。

今後の展開:テキストデータから「熱量」を独自基準で見える化

 AIは、高品質なデータが存在してはじめて力を発揮します。その点、ホンネPOSTでは解像度の高い顧客の声のテキストデータを収集できるため生成AIとの相性が良く、さらなる機能拡張・価値創造に大きな可能性を秘めています。

 

 今回は、顧客の声という定性データを「ポジティブ・ネガティブ」を基準に投稿数で順位化することで定量化を実現しています。そこから更に、例えば文脈から読み取れる「顧客の熱量」を独自基準で定義しスコア化することで、これまで数値化や認識できなかったサイレントファン(※)の存在を見える化し、新たなファンマーケティングやリピート促進施策への戦略活用をすることが可能になります。

※サイレントファン

SNSでの投稿やファンコミュニティへの加入等、積極的にサービスや商品のファンとして発信や活動までする熱心なファンではないが、継続して利用・購入を続けている好意ユーザー層。

 また、蓄積していくVOCデータ・分析結果をベースに、クライアント企業が目指すゴールや活用目的に沿って、Next Actionや改善提案を自動で行う仕組みの構築にも取り組んでいきます。

マイクロソフトエンジニアからのコメント

Data & AI Solution Architect 戸川氏

この度はMicrosoft AI Co-Innovation Lab Kobeをご利用いただきありがとうございます。今回Sprint開発をご一緒する中で、はこぶんの皆様が和気藹々とした雰囲気を湛える一方、強い熱意と信念を持ってホンネPOSTの開発を進めているということを感じました。それがプロジェクトの進行において、メンバーの意見やアイデアを尊重しながらも、より良いプロダクトを目指して常に高い基準を追求する姿勢として表れていたと思います。皆様のご尽力と創造力、そしてそこにAI技術が加わり、まさに人とAIが「共創」することで新しい価値が創造され、ホンネPOSTが事業者と顧客のコミュニケーションを豊かにする一助となることを確信しております。その道で我々AI Co-Innovation Labも伴走者として今後もご一緒できれば幸いです。

Data & AI Solution Architect 今井氏

短い期間ではありましたが、とても有意義な時間を過ごすことができました。ありがとうございました。私はSubエンジニアという立場でサポートとして参加させて頂きました。はこぶん様と戸川と共に、短時間で開発に注力する事で課題解決がスムーズに行えたSprintだと感じております。とても良いデータを蓄積されており、森⽊⽥様の想いとして伺っていた、顧客の想いに直結する「熱意」を今後どう情報として可視化していくのか、また様々なデータを利用し、それをどういうデータに構成してAIを作り未来視していくのか、はこぶん様の今後の開発をとても楽しみにしております。そしてそこに我々AI Co-Innovation Labが伴走者として関わらせていただけたら嬉しく思います。

※Microsoft、Azureは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。

株式会社はこぶんについて

会社名  株式会社はこぶん

設立   2022年 4月

所在地  東京都世田谷区北沢2丁目11ー15ミカン下北A街区4階

代表者  森木田 剛

事業概要 「ホンネPOST」の運営・提供およびVOCコンサルティングサービス(*)

(*)顧客の声収集のための最適なタッチポイント構築の企画・設計・クリエイティブ制作、感情分析・コミュニケーションアプローチ戦略策定等、VOC可視化を一気通貫でサポートする伴走支援サービス

URL:https://honne-post.com/

記事選定/ライター
NFT-TIMES 長尾英太

ブロックチェーン技術記者、長尾といいます。ブロックチェーンについては投資/投機的な観点よりも、技術として未来の社会でどのように取り込まれていくかを中心に発信したいです。最近ではNFTやメタバースなどに注目しています。 1989年11月7日千葉出身。大学卒業後IT企業に入社。2017年にブロックチェーンの技術ライターとして独立。 Twitter
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