NVIDIA、BlackwellプラットフォームをOCPに提供しAI基盤を革新

NVIDIA、BlackwellプラットフォームをOCPに提供しAI基盤を革新

NVIDIAがBlackwellプラットフォームをOCPに提供し革新へ

2024年10月15日に開催されたOCP Global Summitで、NVIDIAはその新しいBlackwellアクセラレーテッドコンピューティングプラットフォームをOpen Compute Project(OCP)に提供すると発表しました。このプラットフォームはデータセンターの効率性と拡張性を向上させる設計が特徴であり、具体的にはラックアーキテクチャや液冷技術を含む電気機械設計をOCPコミュニティと共有しました。また、NVIDIAはこれまでにも複数の世代にわたるハードウェアの設計仕様をOCPに寄与し、AIの導入を促進してきました。これにより、より高い演算密度とネットワーキング帯域幅の実現が期待されています。

この記事の要約

  • NVIDIAがOCPにBlackwellプラットフォームを提供する。
  • データセンター技術の効率性と拡張性を向上させる。
  • 複数のハードウェア世代にわたる寄与でAI導入を促進。

2024 年 10 月 15 日、カリフォルニア州サンノゼ — OCP Global Summit — NVIDIA は本日、オープンで、効率性と拡張性に優れたデータセンター テクノロジの開発を推進するために、NVIDIA Blackwell アクセラレーテッド コンピューティング プラットフォーム設計の基盤要素を Open Compute Project (OCP) (https://www.opencompute.org/)に寄与するとともに、OCP 規格に対する Spectrum-X™ の対応を拡大すると発表しました。

今年の OCP Global Summit で、NVIDIA は、ラック アーキテクチャ、コンピュート トレイとスイッチ トレイのメカニズム、液冷および熱環境の仕様、ならびに NVIDIA NVLink™(https://www.nvidia.com/ja-jp/data-center/nvlink/)ケーブル カートリッジの容量を含む、NVIDIA GB200 NVL72(https://www.nvidia.com/ja-jp/data-center/gb200-nvl72/)システムの電気機械設計の主要部分を OCP コミュニティと共有し、より高い演算密度とネットワーキング帯域幅への対応を可能にします。

NVIDIA はすでに、NVIDIA HGX™ H100 ベースボードの設計仕様を含む、複数のハードウェア世代にわたる正式な貢献を OCP に行っており、エコシステムが世界のコンピューターメーカーの製品から幅広い選択をできるようにするとともに、AI の導入を推進しています。

さらに、NVIDIA Spectrum-X イーサーネット ネットワーク プラットフォーム(https://www.nvidia.com/ja-jp/networking/spectrumx/)と OCP コミュニティが開発した仕様との連携を強化することにより、OCP 認定機器を採用している AI ファクトリーは潜在的な性能を発揮しながら、投資を活かし、ソフトウェアの一貫性を維持できるようになります。

NVIDIA の創業者/CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) は、次のように述べています。「OCP との 10 年間にわたるコラボレーションを踏まえ、NVIDIA は業界のリーダー企業とともに、データセンター全体で広く採用できる仕様と設計を生み出しています。オープンな規格を発展させることで、世界中の組織はアクセラレーテッド コンピューティングの潜在能力を最大限に活用し、未来の AI ファクトリーを造れるように支援しています」

次の産業革命を推進するアクセラレーテッド コンピューティング プラットフォーム

NVIDIA のアクセラレーテッド コンピューティング プラットフォームは、新しい時代の AI を活用するために設計されました。

GB200 NVL72 は NVIDIA MGX™ モジュラー アーキテクチャ(https://www.nvidia.com/ja-jp/data-center/products/mgx/)に基づいており、これによって、コンピューター メーカーは大規模なデータセンター インフラ設計をすばやく、費用効果の高い方法で構築できるようになります。

この液冷システムは、ラックスケール設計で 36 基の NVIDIA Grace™ CPU(https://www.nvidia.com/ja-jp/data-center/grace-cpu/)と 72 基の NVIDIA Blackwell GPU(https://www.nvidia.com/ja-jp/data-center/technologies/blackwell-architecture/)を接続しています。72 基の GPU で構成されている NVIDIA NVLink により、システムが単一の強力な GPU として機能し、1 兆パラメーターの大規模言語モデルでのリアルタイム推論が NVIDIA H100 Tensor コア GPU より 30 倍速くなります。

NVIDIA Spectrum-X(https://www.nvidia.com/ja-jp/networking/spectrumx/)イーサネット ネットワーキング プラットフォームには、次世代の NVIDIA ConnectX-8 SuperNIC™(https://www.nvidia.com/ja-jp/networking/products/ethernet/supernic/)が実装されるようになり、OCP の Switch Abstraction Interface (SAI) と Software for Open Networking in the Cloud (SONiC) 規格に対応します。これにより、お客様は、Spectrum-X のアダプティブ ルーティングとテレメトリベースの輻輳制御を使って、スケールアウト AI インフラでのイーサネット性能を加速できます。

ConnectX-8 SuperNIC には、速度が最大 800Gb/秒 のアクセラレーテッド ネットワーキング、ならびに大規模な AI ワークロードに最適化された、プログラマブルなパケット処理エンジンが実装されています。OCP 3.0 向けの ConnectX-8 SuperNIC は来年提供予定となっており、これによって組織は柔軟性に優れたネットワークを構築できるようになります。

データセンターに必要不可欠なインフラ

世界は汎用コンピューティングから、アクセラレーテッドおよび AI コンピューティングへの移行を進めており、データセンター インフラはますます複雑化しています。開発プロセスを簡略化するために、NVIDIA は AI ファクトリーを構築するための主要コンポーネントを提供している、40 を超える世界的電子機器メーカーと密接に連携しています。

また、多様なパートナーが Blackwell プラットフォームを活用してイノベーションを起こそうとしています。そのようなパートナーには Meta も含まれており、同社は GB200 NVL72 をベースにした Catalina AI ラック アーキテクチャを OCP に貢献する予定です。これによって、コンピューター メーカーは演算密度の高いシステムを柔軟に構築できるようになり、データセンターにより高度な性能とエネルギー効率を求める声に応えられるになります。

Meta のエンジニアリング担当 VP のYee Jiun Song氏は、次のように話しています。「NVIDIA は長年にわたって、オープン コンピューティング規格に多くの貢献をしています。そのなかには、過去 2 年間にわたってMetaの Grand Teton サーバーの基盤となってきた、ハイパフォーマンス コンピューティング プラットフォームも含まれています。大規模な人工知能の演算に対する要望が高まっているなか、NVIDIA による最新のラック設計とモジュラー アーキテクチャの貢献は、様々な業界での AI インフラの開発と実装を加速させることになるでしょう」

10 月 15 日から 17 日まで、San Jose Convention Center で開催される 2024 OCP Global Summit では、NVIDIA の Open Compute Project への貢献についてさらに詳しく知ることができます。

※本発表資料は米国時間 2024年 10 月 15 日に発表されたプレスリリース(https://nvidianews.nvidia.com/news/nvidia-contributes-blackwell-platform-design-to-open-hardware-ecosystem-accelerating-ai-infrastructure-innovation)の抄訳です。

NVIDIAについて

1993年の創業以来、NVIDIA(https://www.nvidia.com/ja-jp/) (NASDAQ: NVDA) はアクセラレーテッド コンピューティングのパイオニアです。同社が 1999 年に発明した GPU は、PC ゲーム市場の成長を促進し、コンピューター グラフィックスを再定義して、現代の AI の時代に火をつけながら、各種産業のデジタル化を後押ししています。NVIDIA は現在、業界を再形成しているデータセンター規模の製品を提供するフルスタック コンピューティング企業です。詳細は、こちらのリンクから:https://nvidianews.nvidia.com/

記事選定/ライター
NFT-TIMES 長尾英太

ブロックチェーン技術記者、長尾といいます。ブロックチェーンについては投資/投機的な観点よりも、技術として未来の社会でどのように取り込まれていくかを中心に発信したいです。最近ではNFTやメタバースなどに注目しています。 1989年11月7日千葉出身。大学卒業後IT企業に入社。2017年にブロックチェーンの技術ライターとして独立。 Twitter
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