大日本印刷とローソンがAI活用の宣伝予算最適化サービスを開始
大日本印刷とローソンがAIで宣伝予算最適化を実現
大日本印刷株式会社(DNP)は、2024年10月に新店舗の開店時における宣伝予算をAIで最適化するサービス「DNP販促最適化AI」を提供開始します。このサービスは、宣伝手法ごとの予算配分をAIが算出し、店舗の特性に基づいて売上最大化を目指します。DNPはローソンと共同でその効果を検証し、正式に運用を開始することで、小売業の新店舗やリニューアル店舗の販促活動を支援します。これにより、宣伝業務に不慣れな店舗管理担当者でも最適な広告戦略を実行できるようになります。
この記事の要約
- DNPがAI利用の宣伝予算最適化サービスを発表。
- 2024年11月からローソンの店舗で運用開始予定。
- 店舗特性に基づいた広告の最適化により売上拡大を図る。
大日本印刷株式会社(本社:東京 代表取締役社長:北島義斉 以下:DNP)は、小売業が新店舗をオープンする際の宣伝予算について、AI(人工知能)を活用して最適化するサービス「DNP販促最適化AI」を開発し、2024年10月に提供を開始します。このサービスは、新店舗・リニューアル店舗の開店後7日間の売上の最大化を目指して、個々の宣伝手法(YouTube広告・ポスティングチラシ・新聞折込等)への最適な予算配分をAIで算出するものです。
DNPは本サービスの効果について、株式会社ローソン(本社:東京 代表取締役社長:竹増貞信)と共同で2023年7月から検証してきました。今回、その有用性が認められたため、2024年11月以降にオープンするローソンの新店舗やリニューアル店舗において、正式に運用を開始し、個店販促を支援します。
【「DNP販促最適化AI」の開発背景】
小売業の新店舗やリニューアル店舗がオープンする際は、店舗ごとに異なる特性(地域、商圏、規模、オープン時期等)を踏まえ、チラシやYouTube等の宣伝手法やその予算配分を決める必要があります。そうした決定を宣伝業務が専門ではない店舗管理の担当者が行う場合も多く、膨大なデータの分析や適切な宣伝手法の選定、予算配分を迅速に行うことが難しいという課題がありました。そのため、パターン化された最小限の宣伝に抑えることが多く、宣伝による売上拡大が見込める店舗であっても十分な宣伝ができずに売上機会の損失につながるケースが多くありました。
こうした課題の解決に向けてDNPは、独自に開発したAIを活用することで、担当者の経験などに左右されることなく、適切な媒体を選定して宣伝予算を最適に配分できるサービスを開発しました。
【「DNP販促最適化AI」のサービスの特長】
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宣伝予算・店舗情報・商圏情報をAIにインプット(入力)すると、開店後7日間の売上最大化に向けた最適な宣伝手法の予算配分を算出します。AIが宣伝予算内で最も売上が高くなる組み合わせを抽出し、現場の担当者による宣伝手法と予算の選択を支援します。
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「DNP販促最適化AI」のサービスは、DNPがカタログ制作向けに開発したシステムを応用しています。このシステムは、商品の購買データを活用し、その商品の掲載カタログを生活者が利用した際の売上を最大化するように、カタログ誌面のレイアウトとコマ割り(商品の掲載位置やサイズ等)を算出するものです(2024年10月7日時点で特許申請中)。
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各企業の担当者は、煩雑なデータ処理や分析作業が不要となり、販促・宣伝の知識が少なくても各宣伝手法への適切な予算配分が可能となります。
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本サービスでは、登録するデータや宣伝手法の選択肢等に応じて、個別にシステムと運用プロセスの設計を行います。サービス価格は条件によって変動し、初期開発費は約1500万円から、運用費は月額約100万円からとなります。
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予算配分後もDNPは、チラシの作製からポスティング(家庭等への配布)まで、デジタル広告の作成からネット配信まで、各企業の販促活動全体をシームレスに(つなぎ目なく)支援します。例えば、DNPの多様な広告サービスを活かし、WebサイトやSNS等のオンライン広告と、印刷物やリアル店舗等でのオフライン広告を最適に組み合わせ、各種広告施策の販促効果を高めます。
【今後の展開】
DNPは今後、本サービスを、店舗を持つ小売業を中心に展開するとともに、サービスの精度向上や機能拡張を行います。DNPは本サービスで、2025年度末までに累計5億円の売上を目指します。
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