IBMと国連開発計画、エネルギー公平性促進のための予測モデル化ツールを新提供
IBMと国連開発計画がエネルギー公平性推進のAIモデルを提供
IBMと国連開発計画(UNDP)は、UNDPのGeoHubプラットフォームに、エネルギー問題に対処するAIモデルを新たに提供開始しました。この革新的なソリューションは、IBMのAIとデータのプラットフォームを活用して、政策立案者や一般市民がエネルギー問題を分析し、公正なエネルギー移行の意思決定をデータ駆動型で行う支援を行います。新しいAIモデルは、地理空間データとサービスを一元化するエコシステムであるGeoHub内で利用可能であり、時間データと地理的データを組み合わせて提供します。これにより、電力アクセスの地域による配分や気候変動への脆弱性評価などを証拠に基づいて行うことが可能となります。
この記事の要約
- IBMとUNDPが、政策立案者や一般市民がエネルギー問題を分析するAIモデルを提供開始。
- AIモデルはGeoHubプラットフォーム上で利用可能で、公正なエネルギー移行の意思決定をデータ駆動型で支援。
- GeoHubを通じて、エネルギー配分や気候変動への脆弱性評価などを証拠に基づき行うことが可能。
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国連開発計画と IBM は、国連開発計画のData Futures ExchangeのGeoHub向けに、AIモデルの「Electricity Access Forecasting」および統計地理空間モデルの「Clean Energy Equity Index 」の2 つの新しいインタラクティブ・モデルを開発
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国連開発計画と IBM は、IBM サステナビリティー・アクセラレーター・プログラムを通じて、IBM watsonxやIBM Cloud、IBM Environmental Intelligenceなどのテクノロジーを使用しながら協業
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新しいモデルは、国連開発計画の GeoHub ダッシュボードを通じて一般向けに無料で提供され、ユーザーは複雑なクリーンエネルギーの課題や機会を解釈するためのデータや洞察にアクセス可能に
【米国ニューヨーク州アーモンク-2024年9月17日(現地時間)】
IBMと国連開発計画(UNDP)は、本日、UNDP のグローバルなGeoHubプラットフォームにおいて、エネルギーに関する新しいインタラクティブなAIモデルを提供開始しました。これらの革新的なソリューションは、AIとデータのプラットフォームであるIBM watsonxなどのテクノロジーを使用して、国レベルやコミュニティー・レベルの政策立案者から一般市民まで、ユーザーが高度なAI技術を通じて複雑なエネルギー問題を分析したり、幅広いリソースへアクセスできるようにし、公正なエネルギー移行に向けたデータ駆動型の意思決定を支援します。
IBMのバイス・プレジデント兼チーフ・インパクト・オフィサーであるジャスティナ・ニクソン・サンティル(Justina Nixon-Saintil)は、次のように述べています。「持続可能な開発における国連開発計画の知識とグローバルなリーダーシップ、そしてAI とハイブリッドクラウドにおける IBM の画期的なイノベーションを結集し、環境やコミュニティーに対して持続的で前向きな影響をもたらすことができるテクノロジーの力を実証するソリューションを発表することを嬉しく思います。一般の方々が革新的なAIモデルを自由に利用できるようにすることで、リーダーや団体・組織、コミュニティーのメンバーたちに洞察を提供し、影響の大きいエネルギーに関する意思決定を世界中で行えるようにしたいと考えています」
GeoHub は、国連開発計画のData Futures Exchange(DFx)の一部であり、地理空間データとサービスが一元化されたエコシステムです。時間に関するデータと地理的データを衛星画像と組み合わせ、データ・セットを簡単にアップロード、視覚化、分析するためのプラットフォームを提供します。GeoHubは、地域ごとの電力アクセスの配分の決定から、気候変動の影響に対するコミュニティーの脆弱性レベルの長期的な評価まで、開発の課題や総合的な政策立案に対して、きめ細かく、地域ごとに、証拠に基づいたアプローチを支援します。
国連開発計画 政策・プログラム・サポート局 SDG 統合チーム長のローレル・パターソン(Laurel Patterson)氏は、次のように述べています。「国連開発計画とIBM の革新的な協業により、各国が開発データと技術革新を活用して生活を向上させ、地球を守ることができるよう支援します。我々が共同で作成した解決策は、各国が公正なエネルギー移行に向けて有意義で実践的な進展を遂げていくのを支援する、信頼できる根拠を提供します。ネットゼロ投資と人間中心の開発戦略は SDGs を加速させるための基礎になります」
国連開発計画と IBM は、IBM サステナビリティー・アクセラレーター・プログラムを通じて 2 年間にわたり協業してきました。このプロジェクトは、IBM Garageを通じた協力から始まり、今回、「Electricity Access Forecasting(電力アクセス予測)」と統計地理空間モデル「Clean Energy Equity Index(クリーンエネルギーの公平性指数)」という 2 つの革新的なAIモデルによる国連開発計画のGeoHubの強化へと結実しました。
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AI モデルの「Electricity Access Forecasting」は、IBM Environmental Intelligenceから提供される土地利用データに加えて、人口、インフラストラクチャー、都市化、標高、衛星データなどの一連の要因を、AIとデータのプラットフォームであるIBM watsonxやIBM Cloud、オープンソースの機械学習ライブラリーを使用して評価することで、2030 年までの電力アクセスに関する大規模な将来予測を提供します。これらの要因をモデル化して将来予測を行うことにより、Electricity Access Forecastingはより一般的に利用可能な現在の電力アクセスの推定値と比較して、明らかな利点を提供します。 このAIモデルには、アフリカ、アジア太平洋、ラテンアメリカ、中東を含む、グローバル・サウスの 102 カ国からのデータが含まれます。
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IBM と 国連開発計画 がニューヨーク州立大学ストーニーブルック校が共同で開発したClean Energy Equity Indexは、地理空間分析と環境、経済、社会的要因(教育、温室効果ガスの排出、相対的な貧富など)を組み合わせた世界初の統計地理空間モデルで、すクリーン・エナジー・エクイティー・スコア(0-1)を算出します。このスコアは、公平性と公正な移行というレンズを通じて、クリーン・エネルギー開発の機会と緊急性の両方を反映しています。GeoHub ユーザーは、ダッシュボード上で、モデル内で分析された環境、経済、社会の各要因を個別に表示およびカスタマイズして、クリーン・エネルギーへの公平なアクセスに最も大きな影響を与える要因を評価し、より良い意思決定を行うことができます。このAIモデルは、アフリカ の53 カ国からのデータを提供します。
歴史的に、これらのような先進的なモデルは、必ずしもすべてのユーザーが自由にアクセスでき、適用できるわけではありませんでした。 IBMと国連開発計画は協力して、政策立案者、政府、ジャーナリスト、意思決定者に不可欠なエネルギーに関するリソースを提供すると同時に、複雑なクリーン・エネルギーに関する情報や先進テクノロジーへの一般市民の自由なアクセスを強化するソリューションの共同開発に着手しました。
IBMサステナビリティー・アクセラレーターについて
2022年に開始したIBMサステナビリティー・アクセラレーターは、世界中のコミュニティーが直面している環境問題に取り組む社会貢献プログラムです。毎年、新しいサステナビリティーのトピックでテクノロジーとAIのソリューションを拡大するプロジェクトを5つほど選定しています。これまでに、「持続可能な農業」、「クリーンエネルギー」、「水管理」の3つをテーマとして、15のグローバル・プロジェクトを支援してきました。
詳細:https://www.ibm.com/jp-ja/impact/initiatives/ibm-sustainability-accelerator
国連開発計画について
UNDP は、約 170 か国・地域で活動し、貧困の撲滅、不平等と排他性の削減、各国が継続的に発展できるようにするための回復力の構築を支援しています。 国連の開発機関として、UNDP は、各国が持続可能な開発目標を達成するために重要な役割を果たしています。
当報道資料は、2024年9月17日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳をもとにしています。原文はこちらを参照ください。
IBM、ibm.com、watsonxは、 米国やその他の国におけるInternational Business Machines Corporationの商標または登録商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、ibm.com/trademarkをご覧ください。