アクセンチュア調査、企業96%が人材・組織変革に5%以上の投資を検討も自信はわずか30%、労働力変化への対応ギャップ明らかに
企業の96%が労働力変革への投資を考慮、ただし自信はわずか30%
アクセンチュアによる調査から、企業のほぼ全てが人材・組織変革へ5%以上の投資を検討している一方で、その自信はわずか30%という結果が明らかにされました。人材・組織変革成功のためのブループリント(設計図)を提供し、企業が変革能力を体系的に構築・向上できるよう導くレポートも発表しています。経営幹部が変化への対応能力を備え、事業と従業員が良好な結果を引き出せるような継続的な変革を行うことが重要であるとされています。
この記事の要約
- 企業の96%が人材・組織変革に5%以上の投資を計画している。
- しかし、変革能力に自信を持っているのは僅か30%の企業に過ぎない。
- 継続的な変革能力を持つことが事業と従業員の良好な結果を引き出す鍵であると強調。
アクセンチュア(NYSE:ACN)の最新調査によると、グローバル企業の96%が、今後3年間で総収益の5%以上を人材・組織変革に投じる計画であることが明らかになりました。なお、この規模の投資を行う企業は、3年前の31%から大幅に増加しました。一方で、人材・組織変革から大きな価値や成果を得ることのできる企業は、比較的少数であることも分かりました。生成AIを含むテクノロジーの革新や働き方の変化などを受け、創造的破壊(ディスラプション)が起こる可能性がある中で、企業の経営幹部には、変化に順応する能力が求められています。
調査によると、全ての経営幹部が労働力の変化を想定しているにもかかわらず、自社の人材・組織の変革能力に自信を持っているのは30%に過ぎず、大きなギャップが存在していることも分かりました。レポートでは、経営幹部が企業全体の再創造を加速する中、将来を予測し、かつ事業全体にポジティブなインパクトをもたらす、継続的な変革能力を備えることへの重要性を強調しています。
本レポート「Change Reinvented: A New Blueprint for Continuous, Meaningful, Successful Change(邦題:人材・組織変革能力の再創造:継続的な変革成果をもたらすためのブループリント(設計図))」では、人材・組織変革を成功に導く要素を明らかにし、変革能力の成熟度と変革プログラムがもたらす価値を紐づけるブループリント(設計図)の提供を通じて、経営幹部が変革能力を体系的に構築し、向上させることを可能にすると述べています。
そして、変化に順応するカギは事業と従業員により良い結果をもたらす、継続的な人材・組織の変革能力を備えることです。これらの能力は、成功の法則ともいえる実証済の手法を含む「ファウンデーション」、そして、テクノロジー、データ、AIから洞察を得て、新たな行動に移すことで変革を活性化する「イノベーション」に大別されます。これらはアクセンチュアの「人材・組織の変革能力指数(Change Capability Quotient)」の基礎にもなっています。「人材・組織の変革能力指数」は継続的な変革手法を体系化し、データで変革の成功可能性を予測することで、変革能力の成熟度とパフォーマンスの関連性を導き出すものです。
本調査を通じて、前述のブループリント(設計図)が示す変革能力の成熟度を高めることで、企業は期待以上の成果創出と適応力の向上が可能になることも明らかになりました。この成熟度が高い企業では、変革の成功確率が2.1倍高く、また、その業種や規模を問わず、生産性向上、コスト削減、利益創出やサステナビリティ指標の改善、従業員の「Net Better Off(正味幸福度の向上)」に至るまで、変革への投資に対してより早く大きなリターンを達成しています。しかし、調査対象となった 1,000の企業のうち、大規模な人材・組織変革を実行している企業は16%に留まりました。
アクセンチュアの人材・組織プラクティスのグローバル統括のカラリー・クローズ(Karalee Close)は、次のように述べています。「ビジネス環境はかつてないスピードで進化を続けており、変化に対応するために、体系的かつ根拠に基づいたアプローチの必要性は明らかです。すべての経営幹部は、企業文化を発展させ戦略を活性化するために、変革をリードする必要があり、それは、企業の成長、適応、イノベーションの礎となります。本調査において特筆すべきは、変革能力と成果との関連性を示している点です。直感に頼るのではなく、データと根拠に基づいたアプローチによってのみ、企業は複雑な再創造とも言うべき変革を乗り切ることができるのです」
実際、変革を成功に導く企業の能力は、再創造の土台となるものです。アクセンチュアが以前発表したように、継続的な再創造のための能力を有する一部の企業(9%)は、リインベンターズ(再創造企業)と呼ばれ、変革能力自体を企業の中核的な強みとして組み込んでいます。
(リインベンターズ(再創造企業):
https://www.accenture.com/jp-ja/insights/consulting/total-enterprise-reinvention )
企業の経営幹部は、継続的な人材・組織変革の必要性を認識していますが、実現の過程における共通の障壁は、変革を導くための洞察と、それを実行するための行動との間で生じるギャップです。例えば、現場のマネージャーは経営幹部よりも2倍、変革のスピードが速すぎると考える傾向があります。また、信頼の欠如も課題であり、チームの準備態勢に自信を持っているリーダーはわずか25%であり、変化に対応できると感じている従業員は42%にすぎません。
アクセンチュア ストラテジー&コンサルティングのグループ・チーフ・エグゼクティブを務めるジャック・アザグリー(Jack Azagury)は、次のように述べています。「再創造戦略を導入している企業は、テクノロジー、データ、AIと先進的な働き方を通じて業績を向上し、競争優位性を確立しています。変革能力は、継続的な再創造のための能力として位置付けられ、企業のDNAの一部であるべきです。人間中心かつデータ主導の変革アプローチを活用することで、企業はすべてのステークホルダーにとって、かつてない価値を引き出し、業界の未来を切り開くことができます」
最新調査レポート「Change Reinvented: A New Blueprint for Continuous, Meaningful, Successful Change(邦題:人材・組織変革能力の再創造:継続的な変革成果をもたらすためのブループリント(設計図) )」についてはこちらをご覧ください。
https://www.accenture.com/jp-ja/insights/consulting/change-reinvented
調査方法
本調査は、2つの手法に基づいています:(1)企業変革活動に関するマクロ環境、労働、業界のトレンドを幅広く理解するうえでの経済モデリング、データ分析、グローバル調査を行い、変革をめぐる対話の進展とその方向性を明らかにする。(2) 詳細な聞き取り調査などを通じて、変革のダイナミクスに関する多様な視点を収集し、従業員個人と企業レベルでの仕事における体験、視点、機会、 および課題を分析。調査やインタビューなどを通して、17カ国に本社を置き、14の業界を代表する1,000人以上の経営幹部と5,000人以上の従業員からデータを取得しました。
アクセンチュアについて
アクセンチュアは、世界有数のプロフェッショナル サービス企業です。アクセンチュアは、世界をリードする企業や、行政機関をはじめとするさまざまな組織の中核にデジタル技術を実装することで、組織運営を最適化し、収益を拡大させ、また市民サービスの向上にも貢献するなど、お客様に対して目に見える成果を圧倒的な規模とスピードで創出しています。 アクセンチュアでは、優れた才能でイノベーションを主導する約750,000人もの社員が120カ国以上のお客様に対してサービスを提供しています。 また、テクノロジーが変革の成否を分ける時代において、世界中のエコシステム・パートナーとの緊密な連携を図りつつ、クラウド、データ、AIおよび業界ごとの比類のなき知見、専門知識や、グローバル規模のデリバリー能力を最適に組み合わせながらお客様の変革を支えています。アクセンチュアは、ストラテジー&コンサルティング、テクノロジー、オペレーションズ、インダストリーX、ソングの領域をまたぐ、幅広いサービス、ソリューションやアセットを活用して成果につなげています。アクセンチュアでは、成功を分かち合う文化や、360度でお客様の価値創造を図ることで、長期にわたる信頼関係を構築しています。またアクセンチュアは、お客様、社員、株主、パートナー企業、社会へ提供している360度での価値創造を、自らの成功の指標としています。
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