NHKとNHKアートが描くAIによる新時代のブロードキャスト、『チコちゃんに叱られる!』ではリアルタイム表示システムが実現されました。生放送のニューノーマル
『チコちゃんに叱られる!』でAI利用したリアルタイム表示対応を実現
NHKアート(東京都渋谷区、平田恭佐社長)が担当する番組『チコちゃんに叱られる!』にて、リアルタイム表示システムを用いたAIを活用した新たなブロードキャスト体験が実現されました。特に「ボーッと生きてんじゃねーよ!」というチコちゃんの決め台詞をAIによってリアルタイムで表示することが実現しました。チコちゃんの顔認識には専用の画像エンジンが必要で、株式会社ウサギィが開発した画像認識エンジンを採用し、成功を収めています。リアルタイム表示の成功により、視聴者により高度な演出を提供することが可能になり、更なる技術開発への期待が高まっています。
この記事の要約
- NHKアートが担当する番組『チコちゃんに叱られる!』にてAIを用いたリアルタイム表示システムの対応が実現。
- チコちゃんの特徴的な顔を認識させるために、株式会社ウサギィの画像認識エンジンを採用。
- この技術の成功により、より高度な演出が可能となり、視聴者へのブロードキャスト体験の向上が期待される。
NHKの番組美術をリアルからデジタルまでワンストップで担う総合美術会社、(株)NHKアート(東京都渋谷区、平田恭佐社長)では、『チコちゃんに叱られる!』(総合/毎週金曜日午後7時57分~)のCG制作を担当しています。
8月30日放送の『チコちゃんに叱られる!真夏の生放送!あの大スターが生中継で大実験 岡村VS加藤浩次、負けたらホランちゃんの茶色い弁当よ、スペシャル〜!!』では、生放送の中で、チコちゃんの決め台詞である「ボーッと生きてんじゃねーよ!」をAIによるリアルタイム表示システムによって実現しました。
制作チームでは、2018年の放送開始当時から生放送の実現を目標としてきました。現在では、AIを使用して画面の中の人の顔をリアルタイムで認識することができますが、人の顔認識エンジンではチコちゃんの顔を認識することはできません。チコちゃんは、顔の特徴が人とは大きく異なるため、専用の顔認識用画像エンジンが必要になります。『第70回NHK紅白歌合戦』(放送:2019年)では、「チコちゃんリアルタイム表示システム」の開発において株式会社ウサギィ(※)の画像認識エンジンを採用し、ほぼ正面の向きに限定されましたが、頭部の認識を行い、チコちゃん決め台詞をリアルタイムCGで処理することに成功しました。株式会社ウサギィの画像認識エンジンでは学習のための大量の映像を用いずチコちゃんの顔のCGデータを使って短期間で学習させることができ、それにより初めての生放送が実現しました。
その後、正面顔に限定しない、より自由度の高い演出を実現するために、NHKアートでは、株式会社ウサギィと協力して何度かの改良を行い、より通常放送と近いかたちで、生放送でのチコちゃんの「ボーッと生きてんじゃねーよ!」の決め台詞をリアルタイムで合成することができるようになりました。
NHKアートでは、今後も最先端技術を取り入れ、より良い番組制作のための技術開発を進めてまいります。
(※)株式会社ウサギィについて
株式会社ウサギィ(東京都港区)
TEL:03-3453-1314
E-mail: contact@usagee.co.jp
URL:https://usagee.co.jp/
本件に関するお問い合わせ先
㈱NHKアート 広報担当/デジタル・グラフィック部
TEL:03-3481-2882
FAX:03-3481-2905
E-mail: info@nhk-art.co.jp
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