FRONTEO、特化型AI「KIBIT」を用いた「未知の関連性発見技術」を特許出願、科学全般またはライフサイエンスAI分野への展開や導入も視野に
FRONTEO、特化型AI「KIBIT」による「未知の関連性発見技術」を特許出願
FRONTEOは自社開発の特化型AI「KIBIT」を使用した、「未知の関連性発見技術」を特許出願しました。この技術は、自然言語処理を通じて、論文などの文献情報を解析し、文中に記述されていない未知の関連性を発見することができます。この新技術は、科学的な創造性を刺激し、連想を生み出すため、特にAI製薬領域などのライフサイエンスAI分野での利用が見込まれます。FRONTEOは、この技術を今後、他の領域にも広げることを計画しています。
この記事の要約
- FRONTEOが特化型AI「KIBIT」を使用した未知の関連性発見技術の特許を出願した。
- この技術は、文献情報を解析し、記述されていない未知の関連性を発見する。
- この技術の応用はライフサイエンスAI分野に有望であり、将来的には他の分野にも広がる可能性がある。
株式会社FRONTEO(本社:東京都港区、代表取締役社長:守本 正宏、以下 FRONTEO)は、自社開発の特化型AI「KIBIT(キビット)」による自然言語処理において、論文等の文献情報の解析を通して文献に記載のない未知の関連性を体系的に発見する技術(以下 本技術)を特許出願したことをお知らせします。
広く科学全般において革新的な発見や発明をもたらすためにはセレンディピティ(予想外のものとの出会いからもたらされる非連続的な発見)が非常に重要な要素となります。本技術はセレンディピティを科学的に着想、想起させることを目的に開発され、ライフサイエンスAI分野(AI創薬領域)の「Drug Discovery AI Factory」構想の実現に向けて、各ソリューション(標的探索、適応症探索、導入品プロファイル、論文探索等)や製品(「KIBIT Amanogawa」)に応用されているほか、今後は広く他分野への技術的展開を視野に入れております。
【特許概要】
出願番号 : 特願2024-140720
特許出願日 : 2024年8月22日
一般的な文献の検索や解析において、既知となる文献情報の抽出や求める情報に効率的にアクセスするための技術や方法論については研究が進んでいる一方で、既知の文献情報から記載のない未知の関連性を発見することは、未だ研究者自身の発想力や偶然に依存する形となっています。
本技術は特化型AI「KIBIT」のコア技術である「Concept Encoder(コンセプトエンコーダー)」および「Concept Encoder 2(コンセプトエンコーダーツー)」により、既知の文献情報から特定要素間(例:特定遺伝子と特定疾患)の関連の強さに加え、未知性を定量化することで、関連性と未知性がいずれも高いものを広範な領域から網羅的かつアンバイアスに抽出することを可能とします。
一方で、未知性の高い情報はすなわち文献に記載のない関連性である可能性が高く、裏付けとなる情報が少ないため、仮にその関連を見出せたとしても一般的には踏み込んだ考察は困難になります。その点、本技術により抽出された情報を、既知情報と未知情報の因果関係を解析し可視化する特化型AI「KIBIT」の独自技術「KIBIT Cascade Eye(キビットカスケードアイ)」と組み合わせることで、既知情報と未知情報の関連をネットワークを通じて洞察できるため、研究者の能力や偶然に頼ることなくセレンディピティを体系的かつ効率的に着想、想起させることが可能となります。
■Concept Encoderについて
「Concept Encoder(商標:conceptencoder)」は、自社開発の特化型AI「KIBIT(キビット)」のコア技術であり、FRONTEOが独自に開発した自然言語解析技術です。当社がターゲットとする専門性の高いテキスト情報を扱うにあたり、専門用語や低頻度語も含めた膨大な語彙および文章に対して、高性能かつ優れた計算効率でベクトル化することを目的に2018年に開発しました。一般に専門領域のコーパスでは、低頻度語を含むことで語彙数が増加し、計算量が増大しますが、当技術はSub-word化のような分布仮説に従わない手法を避け、分布仮説に忠実に基づき解析的に解くことでこれを実現しています。当社の基幹技術の一つであるこの技術によって新しい関連性(未知情報)のディスカバリを実現します。
■Concept Encoder 2について
「Concept Encoder 2」は、FRONTEOが独自に開発した自然言語解析技術です。複数のコーパスを横断的に扱う際に単純にコーパス融合をしてしまうと、それぞれのコーパスが持つ特性や意味構造が崩れてしまい最適な解析ができないという自然言語処理の共通課題を解決するために2023年に開発しました。当該技術により、例えば複数の学術分野の文献を取り扱う場合や文語体情報と口語体情報を融合して取り扱う場合など、領域横断的に最適な解析を実現します。
■FRONTEOについて URL: https://www.fronteo.com/
FRONTEOは、自社開発の特化型AI「KIBIT(キビット)」の提供を通じて、日夜、社会課題と向き合う各分野の専門家の判断を支援し、イノベーションの起点を創造しています。当社独自の自然言語処理技術(日米特許取得)は、汎用型AIとは異なり、教師データの量およびコンピューティングパワーに依存することなく、高速かつ高精度での解析を可能にします。加えて、解析した情報をマップ化(構造を可視化)する特許技術を活用することで、「KIBIT」が専門家のインサイトにダイレクトに働きかけることができ、近年、KIBITの技術が創薬の仮説生成や標的探索にも生かされています。
KIBITの独自技術およびアプローチを通じて、「記録に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する」理念の実現に向けて、ライフサイエンスAI、ビジネスインテリジェンス、経済安全保障、リーガルテックAIの各分野で社会実装を推進しています。
2003年8月創業、2007年6月26日東証マザーズ(現:東証グロース)上場。日本、米国、韓国、台湾で事業を展開。第一種医療機器製造販売業許可取得、管理医療機器販売業届出。資本金898,618千円(2024年8月31日時点)。
※FRONTEO、KIBIT、Drug Discovery AI Factory、Amanogawa、conceptencoder、Cascade EyeはFRONTEOの日本における登録商標です。