岩手銀行とneoAI、行内業務効率化へ向けた自社専用の生成AI「neoAI Chat」の導入を開始
AIスタートアップneoAIと岩手銀行、業務効率化を目指す生成AIを導入
AIスタートアップのneoAIと岩手銀行が協力し、生成AI「neoAI Chat」を導入した。これにより、行内業務の効率化を図る予定で、これまでの試験で文書の読み取りや照会業務、報告書作成などの効率化が確認されている。しかしながら、これ以上の効率化を図るためには、企業秘密の取り扱いを伴うため、セキュリティの確保が求められていた。それに対し、今回のAI導入では岩手銀行の既存のAzure環境を利用し、厳格な情報管理体制の中でAI技術が使われることで、高度なセキュリティを確保しつつ効率化を推進する基盤を整えた。
この記事の要約
- 東大松尾研発のスタートアップ、neoAIが岩手銀行と協力し生成AIを導入。
- 試験段階で照会業務や報告書作成などの効率化が確認されている。
- 高度なセキュリティを確保しながら、さらなる業務効率化を進行する基盤を整備。
生成AI特化の東大松尾研発スタートアップ株式会社neoAI(本社所在地:東京都文京区本郷、代表取締役社長:千葉駿介、以下neoAI)は、株式会社岩手銀行(本社:岩手県盛岡市、以下「岩手銀行」)と協力し、行内業務の効率化を目的として、高度なセキュリティレベルを確保した環境下で生成AIの本格導入を実施いたしました。
■導入の背景
岩手銀行とneoAIは、2023年より生成AIの業務への活用に向けた実証実験を行い、表を含めた文書の読み取りが可能であり、行内の膨大な資料についても、適切に参照して照会業務や文章作成等の業務効率化に活用できることを確認いたしました。
実務でさらに生成AIを活用して業務効率化を推進するためには、行内の機密資料の使用が不可欠であり、よりセキュアな環境の構築が課題となっていました。
■今回の取り組み
この課題に対応するため、この度、岩手銀行のMicrosoft Azure環境内に完結したシステムを構築し、高度なセキュリティと情報管理の厳格さを維持しつつ、最新の生成AI技術を活用する基盤を整えました。
neoAIの生成AIオールワンパッケージ「neoAI Chat」のアプリケーションを岩手銀行のMicrosoft Azure環境内に実装することで、高度なセキュリティを確保しています。さらに、岩手銀行の独自環境でありながらSaaS版の「neoAI Chat」と同様に、隔週でのアップデートを実施することにより、常に最新の生成AIモデルと機能改善を反映できる環境を整備いたしました。
Microsoft Azure環境の構築や各種設定については、NTTデータ東北が担当し、セキュリティ対策の実施および基盤監視体制の構築を通じて、安全性と安定性を確保しています。
本システムの導入を通じて、岩手銀行の業務効率化と生産性向上を推進し、顧客サービスの向上と業務プロセスの最適化を目指します。
■各社コメント
岩手銀行 総合企画部 プランナー 加藤孝大様から
当行は、行内規程等から必要な情報へのアクセスが課題であり、照会の効率化に生成AIの活用を検討しておりました。自行環境での高度なセキュリティ対策と監視体制が確立されていること、簡単に専門的なアシスタントを作成できること、機能のアップデートが早いことなどから、neoAI Chatの導入を決めました。今後も新たな技術の活用に積極的に取り組むことで、当行の生産性を高め、お客さまへより質の高いサービスの提供につなげてまいります。
NTTデータ東北 デジタルトランスフォーメーションオフィス課長代理 前田泰佑様から
この度、岩手銀行様のneoAI Chatご導入にあたって、安心・安全に生成AIアプリケーションをご利用いただけるよう、Microsoft Azure環境に対する当社知見を活かしたセキュリティ対策の実施、および基盤監視体制の構築を実施いたしました。NTTデータ東北はこれからも様々なユースケースにおいてお客様のクラウド導入・活用を支援してまいります。
neoAI 代表取締役 CEO 千葉駿介から
岩手銀行様とは昨年の9月の実証実験から様々な生成AI活用の検討を重ね、この度正式に生成AI基盤を構築するに至り、大変嬉しく思います。単に、セキュアな生成AI環境を導入するのではなく、RAGやアシスタントなど様々な技術を活かした地銀業務に紐づいた生成AI活用に繋がるように、基盤を構築いたしました。本取り組みを地銀様における生成AI活用のモデルケースとできるよう、引き続きneoAIとしても注力してまいります。
■neoAI Chatの概要
neoAI Chatは、自社のデータを読み込み生成AIの活用を可能にするAIプラットフォームです。MicrosoftのクラウドサービスであるAzure上で構築されており、大規模自然言語モデル(LLM)であるChatGPT等をカスタマイズして利用できます。
SaaSの問い合わせ対応AI、企業分析AI、補助金AIなどの企業活動に特化した専門的なAIを、学習を行うことなく既存のドキュメントをご準備いただくだけで利用可能です。
ChatGPTをただ配布するだけでは実際の業務においての利用方法が解らずあまり使われないことが多いなか、neoAIのノウハウや前回の実証実験から、業務でChatGPTを活用するために以下のような機能がポイントであることが分かりました。
①ユースケースに特化した機能の提供
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ユースケースを想定したプロンプトのテンプレート作成機能(メール文章や稟議書類の生成、文章校正、企画のアイデア出しなど)
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ChatGPTのハルシネーション(嘘をつく)に対応するために、回答根拠を明示する機能
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行内データを利用するために、PDF、テキストだけでなく、Word、Excel、Power Pointファイルの有効利用と取り込んだデータの特徴に適したデータ抽出アルゴリズムの提供
②豊富な管理機能とセキュリティ
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アシスタント(ChatGPTに特定の行内データを読み込ませたチャットボット)の利用を管理する高度な権限管理
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AIに学習させる行内データの更新の管理機能
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ユーザ管理だけでなく、組織情報をあわせ持った高度な権限管理機能
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ChatGPTやアシスタントを不正利用させないためのセキュリティ機能(ワンタイムパスワード、IPアドレス制限、暗号化、等)
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ChatGPTにデータが再学習されない環境で安全運用するための、監視機能、等
neoAI ChatはユーザフレンドリーなUI機能により、操作研修等を行うことなく利用を開始する事ができます。
■会社概要
岩手銀行
会社名:株式会社岩手銀行
代表者:岩山 徹
本社所在地:盛岡市中央通一丁目2番3号
URL:https://www.iwatebank.co.jp/
NTTデータ東北
会社名:株式会社岩手銀行
代表者:岩山 徹
本社所在地:盛岡市中央通一丁目2番3号
URL:https://www.iwatebank.co.jp/
neoAI
生成AIに特化したソリューションを提供する東京大学松尾研究室発のスタートアップ
会社名:株式会社neoAI
代表者:代表取締役 CEO 千葉駿介
所在地:東京都文京区本郷1-28-10 本郷TKビル 5階502号室
HP URL: https://neoai.jp
neoAI Chat: https://neosmartchat.neoai.jp/