高齢者の健康予測を実現!ヒューマノーム研究所とフージャースケアデザインがAI開発に向けた生活データ解析で共同研究スタート
AIによる高齢者の健康予測サービス開発のための共同研究始動
ヒューマノーム研究所とフージャースケアデザインが、高齢者の健康予測AIの開発を目指し、共同研究を開始した。この研究では、高齢者の生活データの解析を中心に行うことで、その心理面を含めた健康状態を把握し、疾病予防や早期治療につなげることを目指す。既存の体調予測AIを高齢者向けに特化させ精度を上げ、本人が自覚しにくい体調変化も捉えられるよう開発される予定だ。
この記事の要約
- ヒューマノーム研究所とフージャースケアデザインが、高齢者の健康予測AIの開発のための共同研究を開始。
- 両社は、高齢者の心理面を含めた健康状態を理解し、疾病予防や早期治療につなげることに焦点を当てる。
- 高齢者向けに特化し精度を上げた体調予測AIが開発され、本人が自覚しにくい体調変化も検知することを目指す。
株式会社ヒューマノーム研究所(本社:東京都中央区、以下「ヒューマノーム研究所」)は、シニア向け分譲マンションの企画・運営を行う株式会社フージャースケアデザイン(本社:東京都中央区、以下「フージャースケアデザイン」)と共同で、高齢者が自らの健康と向き合うためのAI開発に向けた、生活データの計測および解析を開始しました。
変化し続ける社会情勢に向き合いながら、高齢者が健康を案じる気持ちに寄り添い、人の目が行き届きにくい心理面も含めた見守りサービスをつくりたい、という思いが両社ともに一致し、今回の連携にいたりました。
ヒューマノーム研究所が培ってきた体調予測AIを、高齢者向けに特化し精度をあげることで、本人の主観だけでは気づきにくい体調変化の兆しを拾い上げ、疾病予防・早期治療につなげる機会の増加を目指します。
本件の背景
高齢者が抱える代表的な不安には「自分が病気になる」「介護が必要となる」「認知症を患う」などの健康に関するものがあげられています。未婚率の増加や核家族化の影響を受け、2040年には単独世帯の割合が40%に達すると見込まれています。健康状態を継続的に観察すること、変化に注意を払うことを家族のみで維持することは困難になると予想されます。
現在、政府も医療DXへの取り組みを積極的に進めており、介護現場では要介護者の見守り業務の省力化を目的とし、生体データの収集・分析が行われています。デジタル技術の活用による良質なケアを受けやすい環境は、今後ますます重要視されていくものと考えられます。
本件では、当社と「住むことで健康になるマンション」をテーマに新しい暮らし方の提案に取り組むフージャースケアデザインと連携し、高齢者のさまざまな日常生活データから高齢者の体調変化を予測するAI開発を進めます。日常生活のささいな変化から体調変動の予兆を見出す仕組みをつくることで、高齢者が適切なタイミングで受診・検査できる環境の提供を目指します。
本件の取り組み
体調変動予測を行うAI開発の実施にあたっては、高齢者の日常生活データの取得が不可欠です。
本開発の起点となる「日常生活を普通に送ることができる高齢者」の実データを取得するため、フージャースケアデザインが運営するシニア向け分譲マンションのご入居様にご協力いただき、以下の身体計測会を実施しました。
場所 |
デュオセーヌ豊田 |
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住所 |
〒191-0065 東京都日野市旭が丘3-1-25 |
開催日時 |
2024年5月31日、2024年6月1日 |
参加者 |
36名参加(参加定員:40名、戸数:118戸) |
計測内容 |
問診、血圧測定、握力、歩行能力評価、姿勢測定、バランス測定、関節可動域測定、身長、握力、体重、筋肉量、脂肪量、骨密度、アンケート(WHO-5:精神状態判定、LSNS-6:社会的な孤立状態の判定) |
本計測会と並行して、日常生活に支障のない高齢者を対象とする継続的な生体データの計測活動を予定しており、継続的に試験的な計測を進めています。試験計測はデュオセーヌ豊田の職員のみなさまにご協力いただき、高齢者がデジタルデバイスを利用する際に生じる諸問題(デジタル・ディバイド問題、利便性の周知方法、サポート体制など)の洗い出しや、導入に向けた流れについて検討しています。
今後の予定
入居者の日常生活改善に向けた啓発活動の一環として、計測結果に加えてデータ分析から得られた見解をフィードバックレポートとして参加者のみなさまへ返却いたします。計測データや解析結果については今後の体調変動予測AIの基礎データとして活用する予定です。
今後は、入居者のみなさまにデジタルデバイスによる、睡眠・運動量データの継続的な取得、アンケートによる主観的な体調の調査を行います。高齢者の体調とデータの相関に関する解析と、高齢者に特化
した体調変動予測AIの開発を進めていきます。家族が担ってきた見守り業務の省力化に加え、健康状態にあわせた運動プログラムや受診の提案など、さまざまな形で高齢者の健康を支援していきます。
フージャースケアデザインの提供するシニア分譲マンションにおいては、本AIによる計測・解析をご希望される入居者のデータを施設内に常設されている健康相談室に提供することで、スタッフ(看護師)による見守り体制の省力化と強化をはかります。心身の変動を見守るデータを継続的に取得することで、医療へのスムーズな連携体制の構築だけではなく、スタッフと入居者の関係性を深める契機や、高齢者の日常生活に関するデータベースとしても活用していく予定です。
会社概要
株式会社ヒューマノーム研究所 会社概要
会社名 |
株式会社ヒューマノーム研究所 |
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所在地 |
東京都中央区築地2-4-10 SAテンハウス2階 |
代表者 |
代表取締役社長 瀬々 潤 |
URL |
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事業内容 |
ヒトやヒトの理解に向けたAI・データ解析技術の研究開発、生体・環境計測によるDX推進に関するAI技術支援・共同開発、AI開発普及に向けたノーコード環境開発 等 |
株式会社フージャース ケアデザイン 会社概要
会社名 |
株式会社フージャース ケアデザイン |
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所在地 |
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町四丁目3番16号 柳屋太陽ビル2階 |
代表者 |
代表取締役社長 大久保 将樹 |
URL |
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事業内容 |
事業内容シニア向け新築マンション分譲事業、シニア向けマンション管理・運営事業、介護保険事業 |