東大発スタートアップAI予防医学研究所とテクノクラフトが提携開始

東大発スタートアップAI予防医学研究所とテクノクラフトが提携開始

AI予防医学研究所とテクノクラフトが提携し健康寿命延伸へ

東大発のAI予防医学研究所とテクノクラフトが業務提携を開始しました。この提携は、超高齢社会における医療費の抑制と健康寿命の延伸を目指し、認知症などの高齢者疾患の予防に焦点を当てています。両社は、デジタルヘルスケアの取り組みを通じて、AIによる認知症リスク判定と健康見守り機能を提供し、予防から発症後の見守りまでを包括的にサポートする事業を推進します。これにより、未来の健康管理のあり方に革新をもたらすことが期待されています。

この記事の要約

  • AI予防医学研究所とテクノクラフトが提携を開始。
  • 高齢者疾患の予防に向けたデジタルヘルスケアの強化。
  • 認知症リスク管理から見守りサービスまでの一貫したサポートを目指す。

東京大学発スタートアップ株式会社AI予防医学研究所(所在地:東京都新宿区 代表取締役:酒谷薫 以下 AI予防医学研究所)と株式会社テクノクラフト(本社:新潟県新潟市西蒲区、代表取締役社長:栂坂昌業)は、2024年11月より、認知症の予防医療の伸展とトータルサポートを目指したデジタルヘルスケア分野での業務提携を開始したことをお知らせいたします。

  • 業務提携の背景と目的

超高齢社会である日本では、医療費の抑制、社会・地域の活性化等の観点から、認知症等の高齢者疾患の予防による健康寿命の延伸が重要視されており、疾病の早期予防を目指した予防医療が注目されています。そこでは、「デジタルヘルスケア」と呼ばれる、デジタルデータに基づく健康管理や疾病予防が、医療やヘルスケアの向上に繋がることが期待されています。

今回の業務提携の背景として、2社の有する技術やリソースを組み合わせることで認知症分野での予防医療の伸展と予防から発症後の見守りを含めたトータルサポートを目指す事業を実現したいと考えております。AI予防医学研究所は、コア技術として認知症リスク判定AI「AICOG(アイコグ)」を有しております。一方、テクノクラフトは、国内シェアトップクラスを誇るゴルフナビ事業をはじめとしたGPSやアプリケーション、各種コントロール端末の開発・製造・販売を行う企業で、ヘルスケア部門では「健康見守り事業」を展開、脈拍数、 血中酸素レベル、 体温、 歩数、 転倒検知等のバイタル情報を取得できるスマートウォッチや子ども・高齢者の見守り機能を有したGPSを開発してきました。

2社が連携することで、将来的には、認知症分野における「予防・リスク予測・発症対策・発症後のGPSの見守り」まで一気通貫したサービスを展開していきたいと考えています。

  • 業務提携の内容

認知症分野における、予防医療の伸展と予防から発症後の見守りを含めたトータルサポート事業を実現すべく、今後は下記の事業を共同で進めてまいります。

・製品の共同開発

・共同製品開発事業

・AIによるデータマイニング事業

・共同マーケティング事業の展開

AICOGは、認知症のリスク判定にあたり特別な検査を必要とせず、一般の健康診断のデータのみでリスク推定が可能です。テクノクラフトのバイタル情報を取得できるスマートウォッチのシステムにも組み込みやすく、更にバイタルデータ等と組み合わせることで、リスク予測や各種健康アドバイス等に繋げたり、更にGPSと組み合わせることで、認知症発症後の見守り等にもつなげることができます。

想定展開チャネル:自治体、企業(ゴルフ、農業、運送業、保険会社)、高齢者施設、病院・クリニック等

  • 東大の認知症予防研究と「AICOG」について

超高齢社会において健康寿命の延伸は、医療費の抑制、社会・地域の活性化につながる取り組むべき重要な課題です。厚生労働省がまとめた推計によると、認知症の高齢者は2025年には471万6000人、2040年には584万2000人にのぼると推計されています(※2)

アルツハイマー型認知症などの変性性認知症を完全に治す治療法はまだありません。そこで、予防・早期発見が重要となります。東京大学高齢社会総合研究機構及び大学院新領域創成科学研究科では、AIを用いて一般の健診データよりフレイル・認知症の早期発見と予防法の研究開発を行ってきました。

AICOGは、酒谷薫により開発された、生活習慣病やフレイルなどの全身性代謝障害より認知障害リスクを推定するアルゴリズムです。人工知能(AI)の深層学習を応用して、健診データを解析、認知機能リスクを推定します。AICOGはアミロイドβなどアルツハイマー型認知症に特徴的なバイオマーカー測定を必要とせず、一般の健康診断のデータのみでリスク推定が可能、定期健診以外の特別な検査は必要ありません。そのため、過去の健診データの解析や大規模スクリーニング検査を実施することが可能です。さらに、健診の血液データなどから認知症のリスクとなっている病態を個人ごとに推定し、パーソナライズされた食事療法や運動療法を指導できるメリットもあります。(Front Neurol 2020, 2022;特許第6702836号,特許第6845716号)。

※2 厚生労働省発表 「認知症および軽度認知障害(MCI)の高齢者数と有病率の将来推計」

(認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究」令和5年度老人保健事業推進費等補助金九州大学二宮利治教授) https://www.mhlw.go.jp/content/001279920.pdf

  • 「AICOG」開発者について

・代表取締役CEO 酒谷薫 (さかたに・かおる)

医学博士、工学博士。東京大学高齢社会総合研究機構特任研究員(東京大学大学院新領域創成科学研究科前特任教授)、医療法人社団醫光会理事長。(一社)脳とこころの健康科学研究所理事長。

米ニューヨーク大学医学部脳神経外科研究所(助教授)、米イェール大学医学部神経内科(客員助教授)にて神経外傷の生理学的研究に従事。2003年、日本大学医学部脳神経外科教授、12年、同大学工学部教授、19年、東京大学大学院新領域創成科学研究科特任教授を経て現職。ストレス性脳障害を対象とした「脳の健康外来」(日大板橋病院)を立ち上げるなど脳神経医学の第一人者。『臨床が変わる! 医療AIシンプル・レクチャー・ブック』(新興医学出版社)など著書多数。

  • 株式会社AI予防医学研究所

会社名: 株式会社AI予防医学研究所

設立日: 2024年6月

所在地: 東京都新宿区新宿5-11-25 アソルティ新宿5丁目302

代表取締役: 酒谷 薫

事業内容: AI技術を活用した予防医学システムの開発・運営、健康管理アプリケーションの提供

  • 株式会社テクノクラフト

会社名: 株式会社テクノクラフト

設立日: 1992年3月

所在地: 新潟県新潟市西蒲区越前浜字浜手6985番地2

代表取締役: 栂坂 昌業

事業内容: GPSやインターネットを利用したアプリケーションやASPサービス、各種端末の開発・製造・販売・サポートによる、子どもから高齢者までの安全管理・健康管理の提供

プレスリリースに関するお問い合わせ:ap-kanri@aipremed.ai

記事選定/ライター
NFT-TIMES 長尾英太

ブロックチェーン技術記者、長尾といいます。ブロックチェーンについては投資/投機的な観点よりも、技術として未来の社会でどのように取り込まれていくかを中心に発信したいです。最近ではNFTやメタバースなどに注目しています。 1989年11月7日千葉出身。大学卒業後IT企業に入社。2017年にブロックチェーンの技術ライターとして独立。 Twitter
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