大洗町消防本部、AI搭載の新型火の見櫓を運用開始

大洗町消防本部、AI搭載の新型火の見櫓を運用開始

大洗町消防本部がAI火の見櫓を運用開始しました

茨城県の大洗町消防本部は、全国に先駆けてAI搭載の「火の見櫓AI®」を運用開始しました。この新型火の見櫓は、町内を一望できる位置に設置され、火災の早期発見と情報収集を目的とした高所監視カメラを備えています。11月14日には運用開始の記念式典が開催され、町長がデモンストレーションを行い、煙を検知する様子が披露されました。昨今の大規模災害を受け、全国的に防火対策の強化が求められています。

この記事の要約

  • 大洗町消防本部がAI搭載の火の見櫓を運用開始。
  • 火災の早期発見や情報収集を目的としたシステム。
  • 全国的な防火対策の強化が求められている。

全国火災予防運動実施中の11月14日、大洗町消防本部(所在地:茨城県東茨城郡大洗町)にて大洗町火災監視等AIカメラ運用開始記念式典が開催されました。大洗町消防本部は、全国に先駆けて、AI搭載の広域監視防災システムとして、旧来の火の見櫓(ひのみやぐら)を彷彿とさせる「火の見櫓(ひのみやぐら)AI®」を、町内を一望できる消防本部敷地内訓練塔上部に設置、システムの概要をデモンストレーションと共に公開いたしました。昨今、輪島市等での大規模災害も踏まえた今後の消防防火対策のあり方として、火災の早期覚知、情報収集のための「高所監視カメラ」の整備を全国的に促進していこうという動きもあります。(※1:総務省報道資料(令和6年7月5日付け))。昨日は大洗町 國井豊町長(消防長)も登壇、現地にて、火災発生を模して人工的に起こした煙を、実際に「火の見櫓AI®」が検知するデモンストレーションも公開致しました。

※1 https://www.soumu.go.jp/main_content/000957033.pdf

左から、アースアイズ㈱山内三郎代表、大洗町 飯田英樹 町議会議長、大洗町 國井豊町長(消防長)、大洗町消防本部 二階堂均消防次長
左から、アースアイズ㈱山内三郎代表、大洗町 國井豊町長(消防長)、大洗町消防本部 二階堂均消防次長

<式典レポート>

大洗町 國井豊町長(消防本部長)

大洗町 國井豊町長(消防長)による挨拶

「早期に火災を発見できるため、安心安全の大洗町というアピールが出来ます。災害はないに越したことはありませんが、いざ有事には早期に対策がとれることとなります。さらに観光地としても受け入れ態勢が整うように思います。」

大洗町 飯田英樹 町議会議長

大洗町 飯田英樹 町議会議長による挨拶

「AI搭載ということで色々な可能性を感じています。最近の火災も初期の対策が出来れば被害が最小限に抑えられたと思います。今後も町と消防団と一体となって町の安全に取り組んでいき今回のAIシステムにも期待しています。」

大洗町消防本部消防次長 二階堂均

大洗町消防本部消防次長 二階堂均による説明

「ここ数年、夜間に空家などの無人建物からの出火の発見と通報の遅れが被害の拡大に及んでしまうことが消防本部としての大きな課題でした。そこでAIを活用した火災監視システムに可能性を見いだし、調査の過程で今回のAIシステムに出会い導入に至りました。24時間火災を監視してくれるこのシステムは、大洗町の安心・安全の要になると考えております。」

アースアイズ株式会社 代表取締役 山内三郎

アースアイズ株式会社 代表取締役 山内三郎による火の見櫓AI®の説明

「このシステムを火の見櫓AI®と名付けました。江戸時代より高所から火災を発見するためのものであった火の見櫓は、現在では通報等通信環境が整ってきたことで役割が減少してきています。AIを活用して高所から俯瞰的に監視するという点で現代版の火の見櫓と言えるでしょう。火の見櫓AI®は、500mから800m先までを見渡しAIで煙や火災を検知し早期発見することができます。当社のコンセプトは事件事故を未然に防ぐことです。このシステムを活用して町の防災に貢献していきます。

※各登壇者のコメントは要約しています。

●第二部は消防本部へ移動、実際の訓練塔と火の見櫓AI®が上部に設置された様子を見学していただきました。

火の見櫓AI®が設置されている訓練塔の全景
訓練塔最上階の火の見櫓AI®

最後に希望者のみ指令室へ移動、実際に大洗町消防本部敷地内において、火災発生を模して人工的に起こした煙を訓練塔の上部に設置したAIカメラが検知⇒消防本部指令室のパトランプが点滅、モニター画面の対象箇所が赤枠で点滅⇒出動の流れをリアルタイムでご覧いただきました。

消防本部指令室の火の見櫓AI®モニター

<式典概要>

タイトル:大洗町火災監視等AIカメラ運用開始記念式典

内容:AI搭載の広域監視防災システム(「火の見櫓AI®」)の導入の経緯等やシステムの詳細をご紹介する記者会見及び同システムのミニ見学会

日時:2024年11月14日(木)11時00分~11時45分 

場所:大洗町役場(スマイルホール大洗1F視聴覚室)及び大洗町消防本部

茨城県東茨城郡大洗町磯浜町6881−275

主催:大洗町 協力:アースアイズ株式会社

登壇者:大洗町町長/消防長 國井豊、大洗町議会議長 飯田英樹、大洗町消防本部消防次長 二階堂均、アースアイズ株式会社代表取締役 山内三郎

プログラム:

(第1部)記者会見

登壇者からの挨拶、導入の経緯等説明、同技術説明に続いて、質疑応答、フォトセッション。

(第2部)火の見櫓AI®ミニ見学会

町役場に隣接する消防本部敷地内にて、「火の見櫓AI®」をご見学。実物をご覧いただきながらの補足説明及び「火の見櫓AI®」をバックにしての登壇者のフォトセッション。その後、煙検知のデモンストレーションを指令室にて披露。

<火の見櫓AI®について>

高所に設置することで、広範囲を俯瞰し、火災や煙、その他自然災害や不審な動きなどをAIで検知出来るシステムです。今回の大洗町消防本部には火災と煙を検知出来るように特化してAIに学習させています。煙や15㎝の火柱でも検知できる技術を備えており、早期発見が可能です。録画装置機能しかない単なる防犯カメラとは異なり、24時間AIが360度見渡せるカメラで常時監視、異常があれば通知します。現代社会の大きな課題となっている自然災害と地域防犯。深刻化する災害対策や複雑化する街の防犯対策に活躍し、早期対応を実現します。

<アースアイズの技術について>

アースアイズは、従来の「記録するだけ」に留まる防犯カメラとは一線を画し、AIが24時間監視し不審な動きや異常を検知する最先端AIが搭載された防犯カメラシステムの開発から始まりました。かつて、万引犯を捕獲する保安員としての経験がある代表の山内三郎がAIに万引きをしようとする不審者の動きを覚え込ませたことにあります。現在ではそれが売上げアップにも繋がると商業施設において活用されています。アースアイズは3Dでモノの大きさや距離を測る技術はじめスマートフォンへの通知システムなど、多くの特許を取得し、その後も様々な用途に応じて技術を応用して社会に貢献しています。

(アースアイズ株式会社 東京都港区浜松町1-2-1 No.R浜松町ビル五階 https://earth-eyes.co.jp/) 

技術の一例

<参考資料> 火の見櫓(ひのみやぐら)とは

江戸時代に起源を持つ、上部に鐘がついた高い塔です。木造建築が多かった日本で火災を知らせるために使われていました。高度成長期の昭和初期には国内に一気に多数設置されましたが、現代ではその数は少なくなっています。アースアイズ株式会社が開発した広域監視防災システム「火の見櫓AI®」※2は、現代版の火の見櫓と言えるもので、AIを搭載したカメラで遠方のわずかな火や煙等も検知し、管理者に即時に通知することができるシステムです。

※2「火の見櫓AIⓇ」はアースアイズ株式会社の登録商標です。

記事選定/ライター
NFT-TIMES 長尾英太

ブロックチェーン技術記者、長尾といいます。ブロックチェーンについては投資/投機的な観点よりも、技術として未来の社会でどのように取り込まれていくかを中心に発信したいです。最近ではNFTやメタバースなどに注目しています。 1989年11月7日千葉出身。大学卒業後IT企業に入社。2017年にブロックチェーンの技術ライターとして独立。 Twitter
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