Weights & Biases Japan、経済産業省のGENIACプログラムに採択

Weights & Biases Japan、経済産業省のGENIACプログラムに採択

Weights & Biases Japanが経済産業省のプログラムに採択

Weights & Biases Japan株式会社(W&B Japan)は、経済産業省とNEDOが実施するGENIACプログラムに採択されました。このプログラムは日本国内の生成AI開発力を向上させることを目的としています。W&B Japanは、AIモデルの性能評価やGPU計算資源の利用モニタリングを担当し、実験管理・MLOpsプラットフォームであるW&B Modelsを活用します。また、国内のLLM開発に貢献するホワイトペーパーの執筆やLLM日本語能力ランキングの運営なども行っています。

この記事の要約

  • W&B Japanが経済産業省のGENIACプログラムに採択。
  • 生成AIの基盤モデル開発力向上を目的とした支援活動開始。
  • 実験管理プラットフォームを用いた性能評価やモニタリングを実施。

Weights & Biases Japan株式会社(以下、W&B Japan)は、ボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)の委託先として経済産業省とNEDO※が実施する生成AI開発支援プログラム、GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)に採択されました。本プログラムは日本国内の基盤モデル開発力を底上げし、企業等の創意工夫を促すことを目的としております。W&B JapanはGENIACの支援を通じて構築されたAIモデルの性能評価や、開発段階におけるGPU計算資源の利用モニタリングなどを、W&B Japanが持つ実験管理・MLOpsプラットフォーム、W&B Modelsを用いて担当致します。

※本事業は、経済産業省の政策に基づき、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「ポスト5G情報通信システ厶基盤強化研究開発事業/生成AI基盤モデルの開発のあり方に関する調査」(公募期間:2024年6月28日~7月29日)において、実施体制等の選定が行われたものです。

 今回の採択の背景と目的 

W&B Japanの提供する実験管理・MLOpsプラットフォームは、OpenAIやMetaをはじめとする世界中の生成AI開発企業に利用され、その実験的開発プロセスのトラッキング機能を中心とした機能展開で、トレーサビリティーと再現可能性の高いAI開発を可能にしてきました。

 

製品の提供だけではなく、W&B Japanは、ホワイトペーパー「大規模言語モデル(LLM)評価のベストプラクティス」の執筆や2023年7月よりLLM日本語能力ランキング、Nejumi LLMリーダーボードを運営し、国内のLLM開発に深く貢献してきました。本リーダーボードは国内外60以上のLLMを評価する国内最大級の性能評価ランキングに成長し、LLMモデルを性能と安全性双方の観点から評価する新たなフレームワークとして定評を獲得してきました。

 

また、W&B Models製品の特徴として、開発中のコードに最小限の記述を加えるだけで、AI開発時・AIシステム稼働時のログを記録し、追跡・遡求が可能な形で保存する機能を提供することで、開発の履歴のトレーサビリティーを高めるとともに、運用時の説明可能性を高めるなど、経済産業省と総務省が取りまとめた「AI事業者ガイドライン」でも推奨される責任あるAI開発を支援します。

 

さらに、モデル学習時の計算機リソースの利用状況をモニタリングすることができる機能を有しており、これによりGPUの提供クラウドベンダーの種類などに依存せずに、割り当てられたGPUの活用効率を可視化することができます。

 

これらの背景を踏まえ、多数のGPUを採択企業に提供し、質の高い生成AIモデルの構築を目標とするGENIACプロジェクトの運営において必要とされる重要機能を提供できることが評価され、GENIACプロジェクトとして2023年度に実施された公募での採択に引き続き、今回の公募にも採択されました。

 

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 GENIACにおけるWeights & Biases Japanの役割 

今回の採択によりW&B Japanは、W&B Modelsを採択された開発企業・研究機関に提供することで、各社が責任ある開発を実践し、開発スピードと質の高いモデルの構築することを支援します。具体的には下記の役割を担います:

GPUの利用効率を可視化するためのダッシュボードの提供

大規模なモデルの学習を現実的な時間内で終わらせるためには、大量の計算リソースが必要とされます。特に割り当てられた多数のGPU上に学習ジョブを並列展開し、各GPUの演算およびメモリを効率良く稼働させることは技術的難易度が高いことが知られています。GENIACプログラム向けのリソースダッシュボードは、W&B Modelsがトラッキングした情報を日次で集計し、開発企業に割り当てられたGPUの利用効率を可視化します。また、ダッシュボード上でデータのインタラクティブな分析が可能になります。

 

なお、上記の役務は、GENIACプロジェクトの事務局の実施先として採択されたボストンコンサルティング グループからの委託によって提供されます。

 Weights & Biases Japan株式会社について 

Weights & Biases Japan株式会社は、エンタープライズグレードのML実験管理およびエンドツーエンドMLOpsワークフローを包含する開発・運用者向けプラットフォームを販売する日本法人です。W&B Modelsは、LLM開発や画像セグメンテーション、創薬など幅広い深層学習ユースケースに対応し、NVIDIA、OpenAI、Toyotaなど、国内外で50万人以上の機械学習開発者に信頼されているAI開発の新たなベストプラクティスです。

 

W&B社日本語ウェブサイト:https://wandb.jp

記事選定/ライター
NFT-TIMES 長尾英太

ブロックチェーン技術記者、長尾といいます。ブロックチェーンについては投資/投機的な観点よりも、技術として未来の社会でどのように取り込まれていくかを中心に発信したいです。最近ではNFTやメタバースなどに注目しています。 1989年11月7日千葉出身。大学卒業後IT企業に入社。2017年にブロックチェーンの技術ライターとして独立。 Twitter
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