KPMG FASと富士通、リスクマネジメント高度化へ協業開始
KPMG FASと富士通がリスクマネジメントの協業を開始
KPMG FASと富士通は、「Fujitsu Data Intelligence PaaS」を活用し、リスクマネジメントの高度化に向けて協業をスタートしました。日本の企業は、国際情勢や社会構造の変化に伴う複雑化したリスクに対処することが求められています。これによりリスクを未然に防ぐだけでなく、脅威を企業成長のチャンスに変える高度な戦略が必要です。新体制では継続的な情報収集とリスク因子の分析を通じて、効果的なアクションプランを策定することが目指されています。
この記事の要約
- KPMG FASと富士通がリスクマネジメントで協業を開始。
- 国際情勢の変化により複雑化したリスクへの対策が重要。
- 継続的情報収集と分析に基づく新たな体制の構築が求められる。
KPMG FAS(東京都千代田区、代表:岡田光、以下、当社)は、富士通株式会社(神奈川県川崎市、代表取締役社長:時田隆仁、以下、富士通)と、データに基づく高度な意思決定を支援するオールインワンオペレーションプラットフォーム「Fujitsu Data Intelligence PaaS」を活用し、リスクマネジメントの高度化を実現すべく、協業を開始しました。
日本企業に求められる、リスクマネジメントの高度化
近年、国際情勢や社会構造の急速な変化に伴い、日本企業を取り巻くリスク領域は複雑化・多様化し、有事発生時に企業価値の毀損を最小化することが大きな課題になっています。また、生き残りをかけた競争環境下では、企業価値の毀損を防ぐため未然に対策を講じるだけでなく、脅威を企業価値向上の機会(チャンス)にも変えられるような高度なリスクマネジメントが求められています。
リスクマネジメントの高度化に必要な機能・体制
リスクマネジメントの高度化には、対象となる企業、部門または個人から情報収集する体制よりも、継続的に情報収集して得られた、予兆ともいえるリスク因子を分析・評価し、アクションプランにつなげることができる体制・仕組みの構築が必要になります。
予兆段階でのリスク因子の検知を実現するためには、人力による情報収集では限界があり、効率的かつ網羅的なスクリーニングを可能とするテクノロジーが必要になります。さらに、複雑化・多様化したリスクは、往々にして相互依存関係にあるため、リスク情報を複数部門・部署間で相互連携できるような全社横断的なリスクマネジメント体制が求められます。
「Fujitsu Data Intelligence PaaS」の有効性
一般的な企業において機能別に各部門・部署を配置する組織構成とした場合、リスクに関する情報や知見が社内に散在する傾向があり、社内データのみならず、外部データまで含め一元的に収集・管理を行うには多大な労力が必要です。これは、リスク情報を統合し部門横断で連携が必要な、高度なリスクマネジメントの実現に向けた大きな課題の一つであり、この課題をシステム統合ではなく、“データ統合”により解決できます。
全社横断でのリスクマネジメント体制においては、検知されたリスク因子が関連する部門・部署に同時に共有され、一連の対応(深堀の調査、具体的なアクションの実施)が求められるため、一つのプラットフォームの中でのデータ統合に加え、一連の取組みを可視化し、具体的なアクションに繋げることができる体制が必要になります。
「Fujitsu Data Intelligence PaaS」の活用により、これまで様々なツール(もしくは担当者)を跨いで対応していた一連の情報収集、蓄積、情報の取り出し、加工(整形・統合)、可視化・最適化、分析、評価、意思決定までをワンプラットフォーム内で実現できます。
当社では、フォレンジック部門において「Fujitsu Data Intelligence PaaS」を活用し、大規模かつ緻密なデータ分析に基づく調査業務の更なる高度化を実現してきました。その機能は、日本企業におけるリスクマネジメントの高度化にも有効であると認識し、このたび、「Fujitsu Data Intelligence PaaS」の社内ユースケースを有し、日本企業向けに豊富な導入実績を持つ富士通と協業するに至りました。
両社の協業により提供する、新たな価値
当社のリスクマネジメントにおける高度な知見と、富士通の「Fujitsu Data Intelligence PaaS」を活用した課題解決の経験と技術という両社の強みを組み合わせ、体制構築から実行支援、また日々の意思決定を支える仕組みの構築までトータルにサービスを提供し、日本企業のリスクマネジメントの高度化実現、更には持続的な企業価値の向上を強力に支援してまいります。
先ずは、特にグループ横断的な取り組みが必要となる代表的なリスクマネジメント領域、サードパーティリスクマネジメント(TPRM)、サステナビリティ情報のような非財務情報に係るデータインテグリティの確保、不正等の予防・発見機能等のテーマにおける「Fujitsu Data Intelligence PaaS」を活用した高度化を推進してまいります。
【図:「Fujitsu Data Intelligence PaaS」によるリスクマネジメント体制の高度化と画面イメージ※注1】
富士通株式会社 クロスインダストリーソリューション事業本部 Digital Shifts Deputy Head 山崎 剛司氏のコメント
富士通は「Fujitsu Data Intelligence PaaS」の提供により、これまで多くのお客様の経営課題の解決に資するデータに基づく意思決定の実現を支援してきました。社会の不確実性が高まるなか、企業活動に関係するリスクをいち早く察知し素早く適切な意思決定行うことが、お客様の新たな経営課題として浮上しています。今回の協業により、KPMG FASの持つリスクマネジメントに関する豊富な知見や経験と、富士通のデータ&AIの技術と組み合わせることで、お客様の経営課題の解決をより強力に支援することが可能となります。両社の強みを活かし、クロスインダストリーで社会課題解決を支援する事業モデル「Fujitsu Uvance」が目指すグローバルな社会課題の解決に取り組んでまいります。
「Fujitsu Data Intelligence PaaS」について
組織内外に散在する膨大なデータを意味の理解できる形に統合して意思決定を支援する、クラウドベースのオールインワンオペレーションプラットフォームです。富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」と、企業、業種を超えたデータ連携とトレーサビリティを実現するブロックチェーン技術「Fujitsu Track and Trust」、「Palantir Foundry」や「Microsoft Azure」などのデータ基盤、の3つで構成されています。業種間で分断されたデータを統合的に連携・分析し、企業間のクロスインダストリーを活性化させ、これまでにない解決策や知見の導出を実現します。
【本件に関するお問合せ先】
株式会社 KPMG FAS マーケティング:fasmktg@jp.kpmg.com
KPMG FASについて
KPMG FASは、KPMGインターナショナルのメンバーファームであり、KPMGジャパンを形成する中核会社の一社です。企業戦略の策定から、トランザクション(M&A、事業再編、企業・事業再生等)、ポストディールに至るまで、企業価値向上にむけた取り組みを総合的にサポートします。主なサービスとして、M&Aアドバイザリー(FA業務、バリュエーション、デューデリジェンス、ストラクチャリングアドバイス)、事業再生アドバイザリー、経営戦略コンサルティング、不正調査等を提供しています。