Stripeが発表したAI企業の収益化トレンド調査結果
Stripeが発表したAI企業収益化トレンド調査結果
Stripeは、収益が最も高いAI企業100社のデータを調査し、急成長を遂げているAIスタートアップの収益化トレンドを明らかにしました。この調査では、現在AI企業がどのように収益を上げているか、また、過去のSaaS企業と比較した収益化の速さが特に注目されました。最近のAI企業の評価額や資金調達額の増加など、AIビジネスが生み出す新たな経済圏への関心が高まる中、Stripeのプラットフォームを通じて、信頼性の高い決済と収益モデルの柔軟性が企業の成長を支えていることが示されました。
この記事の要約
- Stripeが収益の高いAI企業100社の収益化トレンドを調査。
- AI企業は過去のSaaS企業よりも早く収益を上げている。
- 信頼性の高い決済と収益モデルの柔軟性が成長を支える。
企業向け経済インフラ・プラットフォームである Stripeは、当社のプラットフォームを導入している企業のうち、収益が最も高い AI 企業 100 社を対象とし、収益データを調査しました。
昨今、世界中で多くの AI スタートアップ企業が新設され、ベンチャーキャピタルからの資金調達額は過去最高を記録、評価額も驚異的な水準に達するなど、新たな経済圏を生み出しており、これらの企業の実態に大きな関心が集まっています。現在、Stripe は、OpenAI、Perplexity、Midjourney、Anthropic、Mistral AI をはじめとした、2024 年 Forbes 注目すべき AI 企業 50 社に選出された 3 分の 2 以上の AI 企業の決済基盤を支えています。これらの AI 企業は、早期の事業拡大に向け、信頼性の高い決済、世界基準の不正対応、サブスクなどの収益モデルへの柔軟性および世界展開を見据えたスケーラビリティを求めています。そこでこの度、急激に変化する時代に革新的に事業を展開する AI 企業が、独自の AI 技術開発に注力するかたわら、どのように収益化を図っているのか、2024 年 7 月時点で
Stripe で最も高い収益をあげている AI 企業 100 社、およびその比較として 2018 年時点で収益が高かった SaaS 企業の収益データを調査したところ、急成長を遂げている AI 企業の事業拡大のトレンドが浮かび上がりました。
<調査結果>
● 急速に収益化している AI 企業
収益データを比較したところ、現在 Stripe を導入している AI 企業は、過去に Stripe を導入し収益が高かった SaaS 企業よりもはるかに早く収益を上げていることが分かりました。AI 企業は平均して、
Stripe での初売上後、年間収益 100 万ドル (約 1.5 億円) に達するまでわずか 11 カ月しかかかっていなかったことに対し、過去の事例で成功を収めた SaaS 企業は 15 カ月を要しました。さらに、年間収益 3,000 万ドル (約 45 億円) 以上までに成長した AI 企業は平均して、この額に到達するまでにわずか 20 カ月しかかかっていなかったのに対し、類似する有望な SaaS 企業は 65 カ月かかりました。
●収益化のスピードがさらに速くなっている新興 AI 企業
年間収益 100万ドルに到達するのに要した期間は、新興 AI 企業が平均してわずか 5 カ月であるのに対し、2020 年より前に設立された AI 企業は 14 ヶ月かかることが分かりました。平均して、新興 AI 企業は、2020 年より前に設立された AI 企業と比べて、Stripe を導入した初年度に 4 倍の収益を上げています。
● 海外進出早期化の時代が到来
平均すると、トップの AI 企業は Stripe を導入して 1 年目に 59 カ国で事業を展開し、2 年目には 93 カ国にまで拡大していました。一方、過去に収益が高かった SaaS 企業では、初年度に 26 カ国、2 年目には 43 カ国と、グローバル展開の規模感に倍以上の違いがあります。また、AI 企業は平均して収益の半分以上 (56%) を 130 の海外市場の顧客から得ていることが分かりました。
日本においては、AI に対する 2023 年の各国の民間投資額は、首位の米国が 672 億 2000 万ドル (約10兆円) を注ぎ込む中、日本は 12 位にとどまり、100 分の 1 の 約 6 億 8000 万ドルとなっています*。また、個人利用においても、総務省が発表した 2024 年版情報通信白書では、比較対象とした中国 (56.3%)、米国 (46.3%)、英国 (39.8%)、ドイツ (34.6%) と比べ、 日本は生成 AI を利用している個人が 9.1% にとどまっています。ただ、AI の活用による様々な業界での大きな事業機会の可能性や個人使用にも「潜在的なニーズがある」という見方が多く、2028年には日本の AI システム市場規模 (支出額)が 2 兆 5,433 億 6,200 万円まで拡大すると予測**されているなど、これからのさらなる普及が期待されます。
(*スタンフォード大学 AI Index Report 2024 |**総務省令和六年情報通信白書)
ストライプジャパン 代表取締役のダニエル・へフェルナンは、次のように述べています。
「新興 AI 企業が驚くほど速く強力な収益モデルを構築していることは、非常に興味深い傾向です。AI 分野ではかつてなく競争が激化し、2020 年以前と比較して事業拡大のスピードははるかに速くなっており、今後もその潮流は加速されるでしょう。Stripe は、AI 企業が独自の技術開発に集中し、そのスピード感を損ねることなく事業拡大ができるよう、先進的な AI 企業が求める、迅速な導入や信頼性の高い決済に加え、不正対策、サブスク、グローバル化への対応など、急速に変動する時代に沿ったサポートを引き続き提供して参ります。」
【調査概要】
・調査方法 :Stripe データを分析
・調査実施機関:Stripe
・調査実施日:2024 年7月31日 (水)
・調査対象 :
①AI 企業: 2024 年 7 月 31 日時点で Stripe を導入している企業のうち、最も高い収益を上げている AI 企業 100 社を選出。フォーブスの2024年「注目すべき AI 企業50 社」の 3 分の 2 、米大手ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)の生成 AI アプリのトップ 100 リストの 82% を含む、トップ AI 企業の 3 分の 2 が Stripe を利用していると推定される。
②SaaS 企業: 同様に有望だった SaaS 企業グループを特定するため、2018 年 7 月 31 日時点で収益が最も高い SaaS 企業 100 社を選定。
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Stripe について
Stripe は、企業向けのファイナンシャル インフラを構築する会社です。スタートアップから世界的な大企業まで数百万社が Stripe の決済プラットフォームを導入して、決済処理のみならずリアルタイムで資金をプログラム化し、収益を成長させ、新規事業展開を加速させています。サンフランシスコとダブリンに本社を持つ Stripe は、インターネットの GDP を拡大することを使命に掲げています。
詳しくは https://stripe.com/jp をご覧ください。