LF Researchが発表した「2024 Japan Spotlight」オープンソース調査レポート

LF Researchが発表した「2024 Japan Spotlight」オープンソース調査レポート

日本企業のオープンソース活用に関する調査結果公開

Linux Foundation Research(LF Research)が新たに発表した「2024 Japan Spotlight インサイトレポート」では、日本におけるオープンソースの動向や課題、機会について詳しく分析しています。このレポートでは、日本企業がオープンソースをどのように活用してイノベーションを推進しているか、自動車、ヘルスケア、製造といった主要セクターでの利用状況を明らかにしました。一方で、日本は他地域と比較してオープンソースの価値認識やセキュリティへの信頼面で課題が残ることも示されており、今後の改善点が指摘されています。レポートは英語版と日本語版の両方が提供され、ダウンロード可能です。

この記事の要約

  • LF Researchが「2024 Japan Spotlight インサイトレポート」を公開。
  • 日本におけるオープンソースの利用状況と課題を分析。
  • オープンソースの価値認識やセキュリティに関する課題を指摘。

Linux Foundation Research (LF Research) の最新調査レポート「2024 Japan Spotlight インサイトレポート – 日本におけるオープンソースの動向、課題、機会」が公開されました。英語版と合わせて日本語版も同時に公開され、以下よりダウンロードできます。

LF Research は今年初めに 2024 World of Open Source 調査を実施し、日本市場特有の傾向を捉えるために調査結果をセグメント化しました。この分析で、日本企業がどのようにオープンソース ソフトウェアを使用してイノベーションを推進し、自動車、ヘルスケア、製造などの主要セクターを強化しているかが明らかになりました。
また、日本ではオープンソースの導入が進んでいる一方で、オープンソースの価値に対する認識やオープンソース セキュリティに対する信頼において他の地域に遅れをとっていることも明らかになりました。
日本がオープンソースをどのように受け入れ、導入しているかについて詳しく知るには、レポート全文をお読みください。英語でも日本語でもお読みいただけます。

2024 Japan Spotlight 目次 :

  • 序文

  • はじめに

  • 日本特有のプライオリティ

  • 日本の OSS セキュリティ

  • 日本における OSS の価値

  • 業界分析

  • 日本の OSS 貢献者

  • 調査方法

著者 :

  • Adrienn Lawson, The Linux Foundation

  • 序文 – 福安徳晃 (Noriaki Fukuyasu), The Linux Foundation

序文 :

Linux Foundationは、オープンなコラボレーションとガバナンスへの取り組みを通じて何百ものプロジェクトを専門的に管理し、オープンソース ソフトウェア (OSS) 開発のための信頼できるスペースとなっています。私は日本事業の責任者として、長年にわたりOSSの推進者とともに業界の発展に尽力し、認知度向上の取り組みに参加し、グローバルなOSSコミュニティへの日本企業の参加を幅広くサポートしてきました。今年のレポートの調査結果は、OSSが日本のビジネス環境で果たす重要な役割を浮き彫りにしています。調査回答者の3分の2以上が、OSSが組織にとって価値があると認識しており、4分の3が、今年OSSによるビジネス価値が増加したと報告しています。日本企業はOSSを活用して業務を強化するだけでなく、グローバルなOSS 発展にも貢献しています。この活気あるエコシステムは、私が支援する機会を得たこの業界の多くの偉大なリーダーたちの揺るぎないサポートと情熱から大きな恩恵を受けています。これらのリーダーは、日本のOSS環境の育成に大きく貢献し、国内発の取り組みが世界規模で発展することを可能にしました。今日の日本のオープンソース業界の基盤を築いてこられた方々に、感謝の気持ちでいっぱいです。

将来を見据えると、OSSの可能性は計り知れないものの、日本は他の地域に比べてその可能性に対する理解が遅れていることは明らかです。現在、日本の組織のうちオープンソース プロジェクトに貢献しているのは4分の1だけです。時間の不足やコミュニケーションの課題などの障壁に対処することは、参加を促進し、OSSのメリットを最大化するために不可欠です。オープンソースの動向に関する 2023年のLinux Foundation Researchの調査により、日本におけるOSS参加についての理解がさらに深まりました。このレポートは、ヨーロッパとグローバルのインサイトに関する以前のレポートに続き、地域的なオープンソースの取り組みに関する調査の継続を示しています。2024 Japan Spotlight レポートを発表できることを嬉しく思います。Linux Foundation Researchと調査にご協力いただいたすべての参加者に心から感謝いたします。私たちが力を合わせれば、日本国内だけでなく海外でもオープンソースのイノベーションを支援し、推進し続けることができるでしょう

— 福安 徳晃 (NORIAKI FUKUYASU) Vice President of Japan Operations, The Linux Foundation

記事選定/ライター
NFT-TIMES 長尾英太

ブロックチェーン技術記者、長尾といいます。ブロックチェーンについては投資/投機的な観点よりも、技術として未来の社会でどのように取り込まれていくかを中心に発信したいです。最近ではNFTやメタバースなどに注目しています。 1989年11月7日千葉出身。大学卒業後IT企業に入社。2017年にブロックチェーンの技術ライターとして独立。 Twitter
ページトップへ