AIが働き手の時間を1日平均1時間短縮する効果
AIの活用による就労時間の短縮とその影響
2024年版「Global Workforce of the Future」によると、AIの導入によって世界中の働き手は平均で1日1時間の労働時間を削減できることが明らかになりました。この時間は創造的な作業や戦略的思考、またはワークライフバランスを向上させるために利用されています。特にエネルギーや公共事業分野の働き手は75分の時間を節約する一方、航空宇宙や防衛分野では52分と最も少ない結果となっています。こうした傾向はすべての業界に共通しており、AIの活用が効率的な業務運営に寄与していると考えられます。
この記事の要約
- AI活用で働き手は1日平均1時間を節約。
- 特にエネルギー分野での節約が目立つ。
- AIの導入は多くの業界で業務効率を向上させている。
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Adecco Groupが世界27カ国の35,000人の働き手を対象に行った調査「Global Workforce of the Future(2024年版)」で、AIによる業務効率向上の兆候が表れていることが明らかに
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回答者の75%がAIの活用によって生産性が向上したと答える一方、職場でAIを活用するためのトレーニングを受けたと答えたのは25%にとどまる
【2024年10月17日 スイス・チューリッヒ】
Adecco Group(本社:スイス・チューリッヒ、CEO:デニ・マシュエル)は、本日、世界27国の35,000人の働き手を対象に実施した年次調査「Global Workforce of the Future(2024年版)」を発表しました。今回の調査では、人工知能(AI)の活用により、働き手は就労時間を1日平均1時間節約でき、その時間を創造的な作業や戦略的思考、あるいはワークライフバランスの向上に充てることができるようになったことが分かりました。
「Global Workforce of the Future(2024年版)」では、AIを活用している働き手は1日あたり平均1時間を節約することができており、2割は1日あたり最大2時間節約できていることが明らかになりました。また、AIを活用している働き手の5%は1日あたり3〜4時間節約できていることがわかりました。
AIの活用による時間の節約は、業界を問わず一貫して見られました。節約時間が最も多かったのは、エネルギー、公共事業、クリーンテクノロジー分野の働き手で、一日あたり平均75分節約されています。最も少なかったのは航空宇宙・防衛分野で、一日あたり平均52分でした。テクノロジー分野では1日あたり平均66分、製造業では平均62分、金融サービス分野では平均57分となりました。
Adecco Group CEOのデニ・マシュエルは、今回の調査結果について次のように述べています。「AIがどのように雇用・労働の世界を変容させるかについては、これまで多くの憶測が飛び交っていました。今回初めてAIによる業務効率改善の兆候が見られたことは、非常にエキサイティングなことだと言えます。働き手が節約した時間は有効に活用されており、特定の業界だけでなく、広範囲にわたって効果が表れていることが分かりました。まだ初期段階ですが、AIは生産性の向上という効果を本格的にもたらしつつあるようです」
「Global Workforce of the Future(2024年版)」では、節約された時間はより大きな価値を生むために活用されていることが示唆されています。回答者の28%が、節約された時間を創造的な作業に充てていると答え、26%が戦略的思考に時間を割けるようになったと回答しています。また、回答者の27%がAIのおかげでワークライフバランスが改善されたと回答しています。しかし、AIの活用によって節約された時間が、必ずしも生産的に使われているわけではないという傾向も表れています。回答者の23%は、取り組んでいる仕事のボリュームは変わっていないと回答しており、21%は個人的な活動にその多くの時間を費やしていると答えていました。
その他の重要な調査結果と提言
「Global Workforce of the Future(2024年版)」は、働き手におけるAIの影響を評価するだけでなく、仕事の世界がどのように変容しているかについて、さらなる洞察も明らかにしています。
【テクノロジーには人間中心のアプローチを採用し、雇用ではなくエンプロイアビリティを維持するべき】
働き手は不確実な未来に対する懸念を強めており、経済状況や雇用の安定が最優先事項となっています。多くの従業員が現在の職場に留まることを選んでいる一方で、AIが雇用の安定性に与える影響は大幅に過小評価されていました。今回の調査では、回答者の13%がAIの影響で仕事を失ったと回答しています。
本調査の回答者の40%が長期的な雇用の安定性について懸念を示しており、83%が現在の職場に留まる意向を示しています。これは、過去3年間でもっとも高い数字となりました。しかし、AIがもたらすディスラプションの影響に対する見方は、多面的に見ることでよりバランスの取れたものになります。たとえば、51%の回答者がAIのスキルが仕事の機会を広げると同意しており、46%はAIによってスキルを学び、仕事で成長する機会が増えたと回答しています。
【選ばれた一部の働き手に対して特定のスキルを教えるのではなく、適応力を磨く機会を広く提供すべき】
高い成果を上げている一部の働き手は、主に雇用主からの手厚い支援によって同僚を上回っています。企業はこうした人財セグメントを拡大し、将来のリーダーを育成するために、従業員が継続的にスキルを向上できるよう支援する必要があります。本調査によると、将来に対して備えていると答えた回答者はわずか11%でした。これらの働き手は適応力があり、キャリアプランに柔軟性を持ち、新しいスキルを積極的に習得しようとする姿勢を持っています。
将来に対して備えている働き手の93%が個別のキャリア開発に関する支援を受けているのに対し、すべての働き手においては51%しかキャリア開発支援に関する支援を受けていないことが分かりました。さらに、将来に対して備えている働き手の95%が企業の提供するリーダーシップトレーニングに参加しているのに対し、すべての働き手においては、わずか57%しかトレーニングに参加していないことが分かりました。
【企業は従業員の社内異動を促進するべき】
働き手は社内での異動を希望しており、同じ部署に留まってスキルを向上させることを希望する働き手は減少しています。本調査では、回答者の76%が、企業は外部からの採用の前に組織内での異なる役割のために既存の従業員を優先的にトレーニングすべきだと考えており、これは2023年から12ポイントの増加となりました。しかし、新しいスキルの獲得のために現在の職場に留まる意向を示したのはわずか9%で、これは昨年から7ポイント減少しました。
【メンタルヘルスとウェルビーイングは、変化が急速な仕事の世界において重要であり続ける】
従業員のメンタルヘルスをケアすることは企業における優先事項であり、企業は、AIによって特定の従業員だけが恩恵を受けるのではないかという懸念を払しょくする必要があります。そのためには、包括性や持続可能な働き方へのコミットメントを示すことが求められます。今回の調査によると、回答者の40%が過去12か月間において過労によるバーンアウトを感じたことが分かっています。さらに、AIによって仕事に悪影響を受けた回答者においては、62%がバーンアウトを感じたことが分かりました。
自身が所属する企業のリーダーが十分なAIスキルや知識を持っていると答えた回答者は、46%と半数未満でした。また、回答者の76%は、スキルや経験を超えて自身の可能性を見出すことができるリクルーターのヒューマンスキルを重視していると答えており、これは昨年の64%から12ポイント増加しました。
レポートの完全版は、こちらからダウンロードできます。
https://www.adeccogroup.com/global-workforce-of-the-future-research-2024
「Global Workforce of the Future(2024年版)」について
Adecco Groupは、5年連続で世界27か国の20の業界に所属する35,000人を超える働き手を対象に調査を行い、急速に変化する仕事の世界において、民間および公共部門の意思決定者を支援するための重要なトレンドに関するグローバルな視点を提供しています。
Adecco Groupについて
Adecco Groupは、世界60の国と地域で事業を展開する人財サービスのグローバルリーダーとして、働くすべての人々のキャリア形成を支援すると同時に、人財派遣、人財紹介、アウトソーシング、コンサルティングをはじめ、企業の多岐にわたる業務を最適化するソリューションを提供しています。日本においては、アデコ株式会社、AKKODiSコンサルティング株式会社、AKKODiSビジネスサポート株式会社の3つの法人と、Adecco、LHH、AKKODiS、Pontoonの4つの事業ブランドを通じて、人財派遣、アウトソーシング、コンサルティング、人財育成・組織変革をはじめとするサービスを提供し、すべての働く人々のキャリア開発を支援するとともに、企業の多岐にわたる業務の最適化と業績向上をサポートします。
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