ジェイテクト、生産現場向けノーコードAIプラットフォームを内製化
ジェイテクトが生産現場向けAIプラットフォームを内製化
株式会社ジェイテクトは、生産現場のデジタル化を推進するため、プログラミング不要で使えるノーコードAI活用プラットフォームを内製化しました。このプラットフォームは、検査工程などでのAI導入を容易にし、デジタルモノづくりの加速を目指します。ジェイテクトは「JTEKT Group 2030 Vision」を掲げ、未来のモビリティ社会に貢献するため、多様なコンピタンスを活用したソリューション共創センターを設立しています。専門組織を設けたことで、ソフトウェア開発や省人化、自動化を進めており、業界のデジタル化に対応し続けています。
この記事の要約
- ジェイテクトがノーコードAIプラットフォームを自社開発。
- 生産現場でのAI導入を加速し、デジタル化を促進。
- 「JTEKT Group 2030 Vision」に基づき、未来のモビリティに貢献。
株式会社ジェイテクト(本社:愛知県刈谷市、社長:近藤 禎人、以下「ジェイテクト」)は、生産現場のデジタルモノづくり改革を通じて既存事業の競争力を向上させるため、検査工程などにおいてプログラミング不要で容易に使用できるノーコードAI活用プラットフォームを内製しました。
ジェイテクトは「JTEKT Group 2030 Vision」を掲げ、「モノづくりとモノづくり設備でモビリティ社会の未来を創るソリューションプロバイダー」になることを目指しています。ジェイテクトグループは、製品と製造設備に関する要素技術や知見であるコンピタンスを集約したテクノロジープラットフォーム(通称「テクプラ」)を活用し、これらのコンピタンスを掛け合わせて社内や社会の課題解決策を提案するソリューション共創センター(通称「ソリセン」)の開設を進めています。
今回のノーコードAI活用プラットフォームの内製は、ジェイテクトの技術力を活かし、生産現場でのAI導入にかかる障壁をなくし、デジタルモノづくりを加速するためのソリューションです。
1.開発背景
昨今、モノづくりのデジタル化が求められる中で、ジェイテクトでは2022年10月にWebアプリケーションの開発体制を強化するための専門組織として「先端ソフトウェア研究室」を新設し、ソフトウェア人材の育成並びに製品の開発設計や生産工程の省人化・自動化を推進しています。
一方で、生産現場のニーズに合ったWebアプリケーションの迅速な提供および運用には、プログラミングなどの専門スキルを持つ人材が限られることが課題でした。
この課題を解決するために当研究室では、これまで各事業領域への製品開発を通じて培ったソフトウェア開発力を活かして、データの前処理から機械学習モデルの運用までを容易に行うことができるノーコードAI活用プラットフォームを内製しました。
このプラットフォームを活用することで、生産現場で働く従業員はプログラミングの専門知識不要で生産工程の省人化・自動化や業務の効率改善が可能となります。
2.ノーコードAI活用プラットフォームの特長
ステアリング、駆動製品、軸受など多岐にわたる生産工場を持つジェイテクトのモノづくり課題を解決するソリューションです。AI・ソフトウェア人材と生産技術部門が連携し、アジャイル開発により創出したAI活用プラットフォームで、特長は以下の通りです。
① ユーザビリティ :学習モデル構築などAI活用に関する各サービスをノーコードで使用可能。
② カスタマイズ性 :「マイクロサービスアーキテクチャ」によりサービスを自由に組込み可能。
3.今後の展望
現在、自動車部品の外観検査の自動化を目指し、本プラットフォームの導入を予定しています。今後は国内外のジェイテクトグループへの導入を推進することで、生産工程の省人化・自動化といった生産現場のデジタル革新をグローバルに展開してまいります。
4.本件を通じて達成可能なSDGsの目標とターゲット
【8.2】高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを
通じた高いレベルの経済生産性を達成する。
【9.4】2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じた
インフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。全ての国々は各国の能力に応じた取組を行う。
<参考>
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2019年2月5日 銀座にオープンイノベーションの拠点を新設
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2022年10月17日 Webアプリケーション開発体制を強化~専門組織を新設、ソフトウェア人材教育を活発化~