web3事業の参入時に課題となる暗号資産交換業該当性の明確化に向けてタスクフォースを組成、主要な論点を公表
web3事業の参入時に課題となる暗号資産交換業該当性の明確化に向けてタスクフォースを組成、主要な論点を公表
紹介や広告掲載業務、暗号資産交換業の仲介、発行体のトークン販売に係る交換業該当性、アプリ内ウォレットのカストディ該当性などを明確化すること、機動的かつ適法なweb3ビジネスの実現に向け、事業者で活動中
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web3領域への事業参入の拡大と「暗号資産交換業該当性」の課題
世界的なweb3への注目から、エンターテイメント事業者のNFT領域の取り組みや、ゲーム事業者のブロックチェーンゲーム、x to earnへの参入等、多様なトークン取引およびビジネス形態が生まれてきています。国内ではスクウェア・エニックスは「資産性ミリオンアーサー」における NFTの累計発行数が14万枚になったことを決算説明会で明らかにしました[1]。KDDIはメタバース・Web3サービス「αU」としてメタバース、ライブ配信、バーチャルショッピングなどWeb3時代のサービスを提供することを公表しました[2]。
一方で、web3事業においてトークン(暗号資産)の取扱いは不可避であるため、日本国内で参入を検討する事業者が高いユーザー利便性を追及しようとすると、暗号資産交換業への該当性の懸念が生じる場合が多く存在します。暗号資産交換業に該当してしまうと、資金決済法に基づく登録が必要となり、犯罪収益移転防止法に基づく取引時確認その他の体制整備が求められることになるため、暗号資産交換業該当性の判断如何によっては、web3を活用した新たな事業に参入しようとする事業者にとっての参入障壁となりえます。
そこで、当会では、「web3事業ルール検討タスクフォース(web3TF)」を2023年3月に立ち上げ、どのような範囲のサービスが暗号資産交換業に該当する/該当しないのかについてビジネス事例と課題を整理し、それぞれの暗号資産交換業該当性に関し、解釈の明確化、現行規制の見直し等について事業者及び実務家が主体となって議論を行ってまいりました。年度内の成果に向けて、今後さらにweb3TFでの議論を深め、関係各所と意見交換を行ってまいります。本取り組みにより、多様な事業者の参入を後押しし、web3領域の健全な競争と成長ひいては日本の産業活性化に寄与いたします。
[1] スクウェア・エニックス・ホールディングス「2023年3月期
決算説明会」, https://www.hd.square-enix.com/jpn/ir/pdf/23q4slidesJPN.pdf
[2] KDDI「メタバース・Web3サービス「αU」始動」,https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2023/03/07/6588.html
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(図1)直接的に暗号資産の交換等の業務を行わずとも業該当性に該当しうるweb3の周辺事業
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(図2)web3TFのスコープとなる主要な論点
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web3事業ルール検討タスクフォース構成員
座長 河合 健 アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業 パートナー
副座長 白石 陽介 株式会社HashPort 社外取締役
委員 佐野 史明 片岡総合法律事務所 パートナー
委員 安達 知可良 EY新日本有限責任監査法人 金融事業部
アシュアランスイノベーション本部 アソシエートパートナー
委員 金光 碧 株式会社bitFlyer クリプトストラテジー部部長
委員 北田 友宏 コインチェック株式会社 執行役員CLO 法務・コンプライアンス本部長
委員 桑原 惇 ビットバンク株式会社 営業部門 部門長 兼 事業開発部 部長
委員 堀田 昂慈 株式会社HashPort 取締役
委員 落合 孝文 渥美坂井法律事務所弁護士法人 シニアパートナー
委員 藤井 大志 KDDI株式会社 法務部 エキスパート
オブザーバー 株式会社スクウェア・エニックス、一般社団法人日本暗号資産取引業協会
協会ホームページはこちらをご参照ください。
https://cryptocurrency-association.org/news/main-info/20230907-001/
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協会概要
企業名 :一般社団法人 日本暗号資産ビジネス協会
(Japan Cryptoasset Business Association)略称 JCBA
所在地 :東京都千代田区鍛冶町1丁目10番6号 BIZ SMART神田901号室
代表者 :会長 廣末 紀之 URL:https://cryptocurrency-association.org
設立 :2016年3月
事業内容:暗号資産、ブロックチェーン上のデジタル資産、Web3に関連するビジネスについての会員間の知見共有、意見集約、業界課題の解決に向けての論点整理や提言を通じて、ビジネス環境整備・促進、普及啓発活動に取り組んでいます。
・分科会等:現在 11 部会 税制検討、ICO・IEO、ユースケース、金融、NFT、ステーブルコイン、
DeFi、セキュリティ・ システムほか、各種タスクフォース、ワーキンググループ等が活動
・月次勉強会 :法規制、税務会計、技術、ビジネス面に関するテーマで開催
・提言、要望 :業界課題の論点整理、政党や監督官庁への提言・要望
・外部講演活動:講演等による普及啓発、司法当局や消費者センター等への講演及び協力など
■会員企業について
正会員:30社 準会員:91社 特別会員:4社 団体会員:11社 計136社(2023年9月時点)
Web3.0関連事業者、暗号資産交換業者、ゲーム・エンタメ事業者、システム・セキュリティ関連事業者、法律事務所、会計監査法人、税理士事務所、研究・教育機関、地方自治体など
会員一覧:https://cryptocurrency-association.org/member/