コクヨ、三井住友信託銀行、慶大経済学部附属経済研究所FinTEKセンター、東京理科大学インベストメント・マネジメント、IGSが、ONGAESHIプロジェクトに参画
コクヨ、三井住友信託銀行、慶大経済学部附属経済研究所FinTEKセンター、東京理科大学インベストメント・マネジメント、IGSが、ONGAESHIプロジェクトに参画
20-30代のデジタル・リスキリングを無償化。ブロックチェーンを活用した育成・採用一体型の新サービス「ONGAESHI」の9月提供開始に向けて、学びたい人、採用企業、講座提供者の募集を開始
デジタル人材育成・採用一体型の新サービス「ONGAESHI(オンガエシ)」の実現に向けて、ONGAESHIプロジェクトが発足しました。コクヨ株式会社、三井住友信託銀行株式会社(以下、SMTB)の大手企業2社と、慶應義塾大学経済学部附属経済研究所FinTEKセンター(以下、慶應FinTEK センター)、東京理科大学インベストメント・マネジメント株式会社(以下、TUSIM)、およびプロジェクトの運営主体としてInstitution for a Global Society株式会社(以下、IGS)が、本プロジェクトに参画決定しました。
ONGAESHIは、2023年9月に提供開始を予定しています。これに伴い、デジタル人材を目指す20-30代の社会人・学生の事前登録、デジタル人材を採用したい企業、及びデジタル関連スキルが身につく講座を提供したい講師の募集を開始しました。
- ONGAESHIサイト:https://www.lp.ongaeshi-pj.jp/
■人材業界に第三の選択肢を。新サービス「ONGAESHI」概要
ONGAESHIは、人材業界に第三の選択肢をもたらす、新しいシステム「連帯貢献システム」を取り入れた、デジタル人材育成・採用一体型のサービスです。持続的な無償教育の提供を行い、まずは喫緊の課題となっているデジタル人材不足の解消を目指します。
ONGAESHIは、国際的なサッカークラブ移籍制度「連帯貢献金」※1から発想を得ており、採用費用の一部をデジタル人材育成に関わった全員に還元します。また、受講権をNFT化(名称:ポジションNFT)することで、一般的に資金供給が十分でない教育領域への資金を呼び込みます。
※1 サッカー選手が国外クラブに移籍した際に、所属元が移籍金の一部を請求できる。これにより、持続的な選手の育成につながる仕組みを構築している。(参考:FIFA公式サイト https://digitalhub.fifa.com/m/1b47c74a7d44a9b5/original/Regulations-on-the-Status-and-Transfer-of-Players-March-2022.pdf ※最終閲覧日2023/2/1)
○各ユーザーのメリット
上記の仕組みにより、若手人材(名称:タレント)は無償で学びデジタルスキルを身につけることができます。また、企業(名称:採用企業)は不足しているデジタル人材を採用できます。採用が成立すると、教育提供者(名称:講師)は教育成果として報酬を得ることができ、教育のスポンサー(名称:スポンサー)も、自らの支援で人材を育成し、報酬を得ることができます。さらに、前職の企業がスポンサーとなっていた場合、報酬を得ることができるため、従業員への投資と人材流出のジレンマが解消されます。
○ブロックチェーン技術を活用した基盤システム・ビジネスモデルを、特許申請中
ONGAESHIは、後述のようにNFTなどのブロックチェーン技術を活用することで、一連のシステムを実現します。なお、基盤システムおよびビジネスモデルを包含した特許を出願中です。(出願番号:PCT/JP2023/000976)
・タレントが使用する、スマートフォンアプリや学習アプリのUI
■なぜNFTを活用するのか
NFTが持つ「独自性」「保有者の証明」「売買可能」に着目しました。上述の「デジタル人材育成の連帯貢献システム」と「ポジションNFT」を組み合わせることで、スポンサーが報酬を得やすい仕組みを構築できます。これにより、教育への資金が呼び込みやすくなり、学習無償化を実現し、さらにデジタル人材を全員で育て、その報酬を全員が得られる仕組みが実現します。
■その他、特許申請中のテクノロジー活用について
○メカニズムデザインを専門とする慶應義塾大学坂井教授が、能力に基づいた年収によるマッチングを設計(特許申請中:PCT/JP2023/003225)
オークション理論を採用市場に応用することで、過去の年収ではなく能力に基づき、最適年収で企業と人材をマッチングします。求職者のスキル、非認知能力などを客観的に評価した学習歴データを持つONGAESHIだからこそ実現可能です。
IGSの調査※2によると、20-30代社会人の42%が「転職時の転職先への給与交渉は得意ではない」と回答しています。この仕組みを通して、学んでスキル・能力を向上させた若手人材の年収の最適化を促進します。
※2 20~30代社会人のうち、デジタルのスキルアップに必要性を感じているが取り組んでいない人360名に、IGSがWEB調査を2022年12月19日~21日に実施
・慶應義塾大学 経済学部 教授 坂井豊貴先生のコメント
- 「Web3の本命がこのプロジェクトだと考えています。ビットコインの登場以来、クリプトの世界では数多の実験が行われてきました。そこで得られたシンプルな結論は、世に価値を生まないプロジェクトは、中長期的には消えるというものです。このプロジェクトでは、入念なメカニズムデザインを伴うエコシステムによって、人材育成と採用マッチングが成立します。そこで世に生まれる価値が、エコシステムの動力となります。これまでの資本主義が、食物連鎖のヒエラルキーを範とするものであるなら、私たちはそれとは違う相貌、生態系のサイクルを範とする姿を見たいと思っています。」
○個人情報の安全な利活用(特許申請中:PCT/JP2020/048871)
欧州のGDPRの施行、日本でも2022年4月に施行された改正個人情報保護法など、世界的に個人情報に関する規制の厳格化が進んでいます。ONGAESHIは、講座の細かな成績や学習内容などの学習歴データを扱うため、個人情報の安全な利活用が欠かせません。そのため、ONGAESHIの前身となる、慶應FinTEKセンター主催の産官学連携の実証研究「STAR」で構築した、ブロックチェーンシステムを活用します※3。このシステムでは、学習歴や関連情報を暗号化し、ブロックチェーンと分散型ストレージに分割してデータを移行します。これにより、プラットフォーマーでさえ、本人の許可なく個人情報を見ることはできません。また、個人情報の開示対象者・内容・期間を、本人がコントロールすることができます。
※3:慶應義塾大学、IGSによるプレスリリース(2020年8月11日)https://i-globalsociety.com/wp-content/uploads/2020/08/20200811_Release.pdf
■ONGAESHIプロジェクトチームとは
新サービス「ONGAESHI」の実現に向けてプロジェクトに参画する、慶應FinTEKセンターやTUSIMなどの教育を提供する機関・企業、コクヨ、SMTBなどの企業、サービス開発・運営を行うIGSで構成されます。
<参画目的とコメント>
・ 慶應義塾大学経済学部附属経済研究所FinTEKセンター センター長 中妻 照雄 慶應義塾大学経済学部教授
- 参画目的:共同研究及び、講師として教材を提供
- コメント:ONGAESHIではSTARの実証で得られた知見を発展させ、ブロックチェーンを用いた個人情報管理の高度化と学習歴の採用への活用、さらにはデジタル人材の育成を実現してまいります。是非多くのタレント、企業、教育者の方にご参加いただければと思います。
・東京理科大学インベストメント・マネジメント株式会社(TUSIM)
- 参画目的:講師として、教材を提供
- コメント:当社は東京理科大学の事業会社として、教育環境の充実に寄与してきました。今回、本プロジェクトにおける、無償教育と採用を繋げることでデジタル人材を増やすというコンセプトに共感し、参画を決めることとなりました。今後はデータサイエンスやビジネス開発に関連する講座の提供を検討してまいります。
・コクヨ株式会社
- 参画目的: ONGAESHIを通じた学習支援の検討
- コメント:コクヨの目指す社会像を「自律協働社会」と掲げている中で、ONGAESHIの目指す「学生の学びと社会への船出の正当なマッチング機会を提供する」という観点において共通すると考え、参画させていただきました。学習支援などを通じて、この不確実な世の中で、答えのない問いに立ち向かえる人材の輩出に貢献したいと考えています。
・住友商事株式会社 ※参画検討中
- コメント:住友商事は広島大学、東広島市と共に街づくりに取り組んでおります。STARの後継プロジェクトとなるONGAESHIはDAOという新たな取組みであり、地域課題を解決しながらサステナブルな街づくりを進めることにつながる可能性があると期待しております。
・三井住友信託銀行株式会社(SMTB)
- 参画目的: ONGAESHIを通じた学生の就職活動支援と採用活動の推進
- コメント:STARプロジェクトを通じて、その可能性を確認したブロックチェーン、トークンエコノミーについて、ONGAESHIにおいて実践し、人材の育成・採用といった一連のサイクルにおけるテクノロジーの活用可能性を追求して参ります。
・Institution for a Global Society株式会社(IGS)プラットフォーム事業部長 松原祥起
- 参画目的:サービス開発及び運営
- コメント:IGSのパーパス「分断なき持続可能な社会を実現するための手段を提供する」のもと、STARプロジェクトでは、ブロックチェーンシステムの開発や、学習歴データの可視化や企業様とのマッチングをおこなってまいりました。今後は本格的なブロックチェーンの社会実装とデータの利活用に向けてONGAESHIの開発を進めてまいります。