博報堂DYホールディングス、メタバース生活者意識調査を実施

博報堂DYホールディングス、メタバース生活者意識調査を実施

博報堂DYホールディングス、メタバース生活者意識調査を実施

現在のメタバース利用層は生活者の8.3%(推計680万人)
一番多いのは20代男性で19.0%
性別・年齢・国籍関係なく交流を楽しむことができる 71.9%
メタバースにより現実世界での生活を豊かにしてくれることに期待
 株式会社博報堂DYホールディングス(東京都港区、代表取締役社⻑:⽔島正幸)は、全国15~69歳の生活者を対象に、メタバースに関する現状の生活者意識や動向を把握することを目的とした「メタバース生活者意識調査」を実施しました。
 総務省が発表したメタバース市場の予測(令和4年版 情報通信白書)では、メタバースの世界市場は2021年に4兆2640億円だったものが、2030年には78兆8705億円まで拡大すると予想されています。関連する領域もメディアやエンターテインメントにとどまらず、教育、小売りなど様々な領域に拡張し、活用が期待されています。生活者の期待に比例するように、産業側のメタバースに対する期待値も高まってきていると言えます。
 この度「メタバース生活者意識調査」を実施し、その中でも現在のメタバース利用者の動向に着目、今後のメタバース関連ビジネスの攻略の糸口を探りました。

<調査結果の概要>
●「メタバース関連サービスの認知」36.2%、「利用経験」は8.3%

メタバース関連のサービスを認知している人は全体の36.2%、推計約2,980万人という結果でした。
日本人の約3分の1が「メタバース」を知っているというのが現在の状況です。
またメタバース関連のサービスを利用したことがある人は全体の8.3%、推計約680万人が「利用経験がある(2-3ヶ月以上での利用)」ことがわかりました。
※今回約40のメタバース関連サービスを提示し、認知、利用経験・頻度を聴取。利用層は2-3ヶ月に一度以上でいずれかのメタバース関連サービスを利用している人をメタバース利用層と定義しました。

●「性別・年齢・国籍関係なく交流を楽しめる」「新しい市場が生まれる」に期待が高い
メタバース利用層、認知層に共通で期待が高い項目として「性別・年齢・国籍関係なく交流を楽しめる:71.9%」、「新しい市場が生まれる:70.2%」となり、世界中の人と平等につながり、交流できるようになることやビジネスやマーケティングでの可能性を感じていることがうかがえます。

●メタバース利用層の平均年齢は33.4歳
メタバース利用層の平均年齢は33.4歳。男性が多く、一番多いのは20代男性で19.0%でした。
メタバース利用層の世帯年収は691万円(全体607万円)と平均より高いことがわかりました。
ライフステージとしては未婚男性が最も多いことがわかりました。

●メタバースサービスに年間12万円以上課金
メタバース利用層のメタバースサービスへの年間課金額は平均123,782円となっており、月に10,000円以上課金していることがわかりました。

●メタバース利用層は日常的なジャンルにも課金
メタバース利用層は仮想通貨やゲーム(利用経験71.9%、年間課金額11,767円)だけでなく、買い物体験(利用経験56.9%、年間課金額15,517円)、旅行体験(利用経験56.9%、年間支出額14,674,円)、飲み会参加(利用経験50.2%、年間支出額13,888円)など旅行、買い物、飲み会といった日常生活における支出者における平均支出額はゲームよりも高いことがわかりました。

●ライブ配信での投げ銭活動や動画配信に積極的
メタバース利用層におけるコンテンツとの関わり方をみるとメタバース上で投げ銭を行ったことがある(メタバース利用層33.7%、全体との差分20.8pt)が全体差分が最も高く、好きなコンテンツの画像や動画を編集して自らアップしたことがある(メタバース利用層35.1%、全体との差分18.8pt)、コンテンツのクラウドファンディング、寄付、ドネーションの参加(メタバース利用層31.4%、全体との差分18.3pt)など、利用層は動画コンテンツ好きであり、好きなコンテンツを自分のSNSに投稿することにも積極的であること、有名人やクリエイターの支援ニーズもあると考えられます。

●重視点は現実世界とも繋がり、「皆でできること」や「リアルと連動して楽しめること」
メタバースサービスの重視点としてゲーム要素、アバター要素に次いで、「友人・知人もやっている(メタバ―ス利用層14.9%、全体差分6pt)」や「リアルと連動して楽しめる(メタバ―ス利用層15.9%、全体差分6pt)」などが利用層のスコアが全体よりも高い結果となりました。メタバースサービスを通して友達や家族とみんなで楽しめることや、リアルな繋がりを重視していることが確認できます。

●メタバースにより自分の生活や社会が良い方向に進んでいくことに期待
さらにこの先、メタバースの可能性として、「自分の生活がもっと良くなる気がする(メタバ―ス利用層54.2%、全体差分23.1pt)」や「より人間らしい生活が送れる(メタバ―ス利用層42.7%、全体差分22.5pt)」、「現実世界の経済を豊かにする(メタバ―ス利用層54.5%、全体差分17.5pt)」」など、メタバースを通じて現実世界の自分の生活や社会がより良くなることに期待していることがうかがえます。

■メタバース利用層のサマリ
現在のメタバース利用層は、ゲームや漫画、動画コンテンツ好きな比較的世帯年収の高い未婚男性層が多く、まずは「ゲーム」が先行していますが、一人で世界に浸るだけではなく、知人や家族といった現実世界の人々と「みんなでできる」ことも重視していることから、みんなで盛り上がれるイベントコンテンツに今後課金意向があるようです。
利用層はメタバースにより「自分の生活がもっと良くなる気がする」「より人間らしい生活が送れる」と 期待しており、将来的にはそれが現実世界の課題を解決していくと考えていて、完全にメタバース空間に篭るといった考え方よりも、メタバースが現実世界の自分の生活や社会を豊かにすることに期待しているということがわかりました。

 

<調査概要>
・ 調査方法:インターネット調査 ・ 調査時期:2022年10月
・ 調査地区/対象者:全国の15~69歳の男女 ・ 調査機関:株式会社マクロミル
・ 有効回収サンプル数:3,545サンプル ・ 分析/集計期間:エム・アール・エス広告調査
※集計結果は事前調査結果出現率により算出

 


記事選定/ライター
NFT-TIMES 長尾英太

ブロックチェーン技術記者、長尾といいます。ブロックチェーンについては投資/投機的な観点よりも、技術として未来の社会でどのように取り込まれていくかを中心に発信したいです。最近ではNFTやメタバースなどに注目しています。 1989年11月7日千葉出身。大学卒業後IT企業に入社。2017年にブロックチェーンの技術ライターとして独立。 Twitter
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