NFTアートは100年後の「骨董になりうるか?」

NFTアートは100年後の「骨董になりうるか?」

NFTアートは100年後の「骨董になりうるか?」

デジタル骨董展ーこれからの価値と所有を考えるー 2022.10.29(土) – 11.13(日) @ BE AT STUDIO HARAJUKU

『デジタル骨董』というなんとも不思議な言葉が浮かんだのは、昨今のNFTアート市場の動向を横目に見ながら、「100年後には画像データをあたかも骨董品のよに愛でているのかもしれない」と思ったことがきっかけだった。従来、「物理的な所有が可能か」という点において、対極に位置していた骨董品とデジタルアート。しかし近年、ブロックチェーン技術の発達に伴い、コピーが容易なデジタルデータに対して唯一無二な資産的価値を付与する「NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)」が社会実装され、デジタルアートは「いつ、誰が」所有してきたかを明確に証明することが可能となった。
これは、愛好家によって代々継承されることで価値が形成されてきた「骨董」とデジタルアートも同じ土俵に立てることを意味しているのではないか。だとすれば、日々生み出される無数の画像データですらも、未来の骨董品になりうるのかもしない。とはいえ、千利休や豊臣秀吉が生きた時代には、一国一城の価値があるとも讃えられた「茶器」などと比べて、「画像データ」は果たして本当に同様の価値を生み出すのだろうか。時代の潮流によって一時的に高騰しているとも見えるNFTアートの市場は果たして、本当に価値あるモノとして未来へ継承されるのか?
本展は、これからの「価値」と「所有」が果たしてどこへ向かうのかを考察する展覧会である。これまで、モノの価値がどのように変化してきたかの歴史を振り返りながら、NFTによるデジタルデータの「希少性の担保」と「所有者の明確化」が可能となった現代を時代の境目と捉える。本展示で問いかけるのは、「価値とは何か?」という人類の営みの本質である。
 

【展覧会概要】
デジタル骨董展ーこれからの価値と所有を考えるー
展示期間:2022.10.29(金) – 11.11(金)
営業時間:11:00~20:00
会場:BE AT STUDIO HARAJUKU(ラフォーレ原宿6F)
入場料:無料
主催:BE AT TOKYO
企画プロデュース:有國恵介(BE AT TOKYO/FLOWPLATEAUX)
企画・編集:桜井祐(TISSUE Inc.)、
塚田有那(一般社団法人Whole Universe)
監修:鞍田崇(哲学者)、加藤明洋(アーティスト・エンジニア)
協力:吉田真一郎(近世麻布研究所)、菅原夢愛、吉祥寺PukuPuku
空間デザイン:赤羽伸哉
アートディレクター:畑ユリエ
特設WEBページ:https://be-at-tokyo.com/projects/beatstudio/10744/

【出展作品】

<NFT>
exonemo《Metaverse Petshop》
加藤明洋《Wan Nyan Wars》
HUMAN AWESOME ERROR《民主的工藝》
藤畑正樹《Brave New Commons》
高尾俊介《Generativemasks》
 

 

exonemo《Metaverse Petshop》 Supported by NowHere|NFT advisor Toshi  wildmousexonemo《Metaverse Petshop》 Supported by NowHere|NFT advisor Toshi wildmous

加藤明洋《Wan Nyan Wars》加藤明洋《Wan Nyan Wars》

 

高尾俊介《Generativemasks #1947》高尾俊介《Generativemasks #1947》

藤畑正樹《Brave New Commons》藤畑正樹《Brave New Commons》

HUMAN AWESOME ERROR《民主的工藝》HUMAN AWESOME ERROR《民主的工藝》

「襤褸」(イメージ)※実際の展示物とは異なります  「襤褸」(イメージ)※実際の展示物とは異なります  

「白南京金継ぎ」「白南京金継ぎ」

【展示構成】

[1] Introduction なぜ価値と所有なのか?
NFTアートの潮流を見つめる上で、モノを通じた「価値」と「所有」という概念にフォーカスを当て、来場者に問いを投げかける。

[2] Chronology 価値と所有の年表|骨董とNFT
千利休らの「数寄の時代」から青山二郎らが提唱した「骨董の時代」。そしていま勃興する「NFTの時代」という3つの軸から、価値観や所有感がどのように変遷していったかを年表でたどる。

[3]Analyzation モノが価値を持つとは?
骨董が価値を持つようになった構造を分析し、5つのキーワードで分析。同時にそれらキーワードを象徴するような作品を「骨董」と「NFT」の両者から紹介する。

[4] Question これからの価値と所有とは?
NFTの興隆とともに、デジタルアート・デジタル世界において「価値」や「所有」の概念は変わりうるのか、100年後の「価値」を示唆する作品を通じて鑑賞者に問いかける。

【監修者プロフィール】

骨董監修:鞍田崇(哲学者)

1970年兵庫県生まれ。1994年、京都大学文学部哲学科卒業。2000年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)、専門は哲学、環境人文学・日本学術振興会特別研究員、総合地球環境学研究所(地球研)特任准教授等を経て、2014年より現職。近年は、ローカルスタンダードとインティマシーという視点から、工芸・建築・デザイン・農業・民俗など様々なジャンルを手がかりとして、現代社会の思想状況を問う。

NFT監修:加藤明洋(アーティスト・エンジニア)

1992年愛知県生まれ。情報科学芸術大学院大学(IAMAS)メディア表現研究科修士課程修了。デジタル/フィジカルメディアの組み合わせにより、テクノロジーと社会の関係を描く作品を制作している。作品に、ブロックチェーン技術を応用した社会の可能性と課題をボードゲームを通して描いた「TRUSTLESS LIFE」「BAIS」、犬派と猫派の戦いを描いてNFTの価値を問うプロジェクト「WAN NYAN WARS」などがある。

株式会社ビーアットとは
2020年に設立。セレクトショップを運営する株式会社ビームスと、デザイン・デジタルでの実装力を武器とする株式会社フロウプラトウによる合弁会社。「全ての表現者が創造することによって生きていける社会をつくる。」をミッションに掲げ、メディア運営・製品開発および販売・コンテンツ企画および制作・クリエイター支援を事業展開する。カルチャーを発信するオンラインメディアおよびリアルスペースを運営する。
公式サイト:https://be-at-tokyo.com
公式Instagram:@be _at _tokyo(https://www.instagram.com/be_at_tokyo/)
公式Twitter:@BE_AT_TOKYO(https://twitter.com/be_at_tokyo
運営スペース:「BE AT STUDIO HARAJUKU」ラフォーレ原宿 6階


記事選定/ライター
NFT-TIMES 長尾英太

ブロックチェーン技術記者、長尾といいます。ブロックチェーンについては投資/投機的な観点よりも、技術として未来の社会でどのように取り込まれていくかを中心に発信したいです。最近ではNFTやメタバースなどに注目しています。 1989年11月7日千葉出身。大学卒業後IT企業に入社。2017年にブロックチェーンの技術ライターとして独立。 Twitter
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