レノボ、Tech Worldで「全ての人のための賢いAI」ポートフォリオを発表
レノボが「全ての人のための賢いAI」を発表しました
レノボ・ジャパンは「Lenovo Tech World Japan 2024」で、新たなAIのソリューションやサービスを発表しました。「Smarter AI for All」というビジョンのもと、生成AIの実用化が進む中、日本企業の57%がすでに活用を始めていると調査結果が示しています。AIの恩恵を広く受けられるよう、80以上の製品プラットフォームを整備し、4つのグローバルイノベーションセンターを設立するなど、多様な取り組みを進めています。
この記事の要約
- レノボは年次イノベーションイベントで新AIソリューションを発表
- 日本企業の57%が生成AIを活用開始しているとの調査結果
- 「Smarter AI for All」ビジョンに基づく製品プラットフォームを展開
レノボ・ジャパン合同会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:檜山太郎、以下レノボ)は本日、レノボの年次イノベーションイベント「Lenovo Tech World Japan 2024」において、「Smarter AI for All 」に向けた新たな包括的なAIソリューション、サービス、デバイス、そして注目の新技術を披露しました。
2022年に一般公開され注目を集めた生成AIは、現在ではDXの主要なテクノロジーとなっています。ここ数年、生成AIはキーワードが先行する状態が続いていましたが、日本においても実際に活用される段階に突入しようとしています。レノボ・ジャパンが行った最新の調査(*1)によると、生成AIの全社的に積極的な活用を進めている日本企業は31%にのぼり、一部部門で活用を進めている企業の26%を合わせると、57%の企業が、すでに生成AIの活用を始めています。
レノボは数年前から、来るべきAI時代に向け「Smarter AI for All」というビジョンを掲げ、その実現に向け、あらゆるレイヤーでお客様にAIの恩恵をもたらすための体制を整えてきました。これまで80を超える製品プラットフォームを立ち上げ、世界中に4つのグローバルイノベーションセンターを開設するなどの取り組みを行っています。
また、2023/24年度には、成長と変革のための投資として、今後3年間で、AIデバイス、AIインフラ、AIソリューションへ10億米ドルの投資することも発表し、イノベーションを加速していきます。
レノボでは、「あらゆる領域でAIの恩恵を届ける」ためには、「あらゆる場所でAIが動作するワークロードが必要」と考え、ハイブリッドAIを提唱しています。この考えは、「パーソナルAI」、「エンタープライズAI」、「パブリックAI」の3つのフレームワークに基づいています。
PC上で動作するAIエージェント 「Lenovo AI Now」を発表
「パーソナルAI」のフレームワークにおいてはさらに、一人ひとりに寄り添う「Personalize」、時間の使い方を変える「Productive」、デバイス内で保護される「Protected」の3つのPを提唱しています。
10月に米ワンシントン州シアトルで開催された年次のグローバルイベント「Lenovo Tech World ’24」(以下、Tech World )において、この3つのPを具現化するクライアントアプリケーション「Lenovo AI Now」を発表しました。※日本語対応及び日本での展開は未定
Lenovo AI Nowは、コンピューティング体験を強化するためのローカルAIエージェントで、PC上で直接動作します。パーソナルナレッジベースと自然なインタラクション理解能力を組み合わせて、レノボのPCの強力な演算機能とセキュリティ保護機能に基づき、よりスマートで安全なAI体験を提供します。
Lenovo AI Nowは、クラウド処理に依存せず、ユーザーの個人知識ベース (PKB) とのリアルタイムのやり取りを可能にします。これにより、すべてのやり取りがデバイス上のローカルに保存されるため、データのプライバシーが強化されます。ユーザーは、Lenovo AI Nowを使用して、ドキュメント管理や会議の要約からデバイス制御やコンテンツ生成まで、さまざまなタスクを自動化および簡素化できます。
Lenovo AI Nowのナレッジ アシスタントは、情報の取得や質問、内容の要約、パーソナルナレッジベースに基づいたテキストベースの生成などが可能です。また、PC アシスタントはコンピューターの専門知識やスキルがなくてもPCの動作を向上させることができます。
データセンターのサステナビリティに貢献する新たなNeptune水冷技術
エンタープライズ領域おいては、生成AIへの投資は、経営陣の最優先事項となっています。レノボの調査によれば(*2)、80%のCIOは、生成AIやマシンラーニングがビジネス全般に大きなインパクトをもたらす外的要因であると認識しており、96%のCIOは生成AIへの投資を最優先事項として、次の12ヵ月間、拡大を続けると予測しています。
「エンタープライズAI」では、生成AIの恩恵を持続的に企業や組織が受けるために、クラウドに加えて、エッジ、クライアントも含めたハイブリッドなインフラストラクチャを考えることが大切です。
一方、AIの導入が進むにつれ、データセンターでは、熱密度の上昇に対応する再設計が必要になっています。データセンターにおいては、パフォーマンスだけでなく、サステナビリティとの両立が重要です。この課題に向け、レノボはTech Worldにおいて、第6世代の垂直式液体冷却システムである「ThinkSystem N1380 Neptune」、およびNeptune水冷技術を採用する高性能サーバー「ThinkSystem SC777 V4 Neptune」を発表しました。両製品は、AIやHPCデータセンター向けに設計されており、データセンター用の特殊空調なしに、100KW超のサーバーラックを運用できる新たなデータセンターへの道を切り開いています。
ROIの改善に向けNVIDIAと協力
エンタープライズ領域においてAIを活用するには、費用対効果(ROI)の改善が重要です。しかし、最近のレノボが行ったグローバルでの調査(*2)によると、CIOの61%が、AI投資からROIを生み出すのが非常に困難だと回答しています。
この課題解決に向けレノボは、Tech Worldにおいて、NVIDIAとの協力により開発されたハイブリッドAIソリューション「Lenovo Hybrid AI Advantage with NVIDIA」を発表しました。このソリューションは、組織が迅速に成果を出すことを支援します。レノボのフルスタック機能と包括的なAIライブラリ「Lenovo AI Library」、そしてNVIDIAのAIソフトウェア、アクセスレーテッドコンピューティング、ネットワーキングを組み合わせることで、組織はデータやインテリジェンスをより迅速かつ効率的に事業成果につなげ、AIの採用を推進し、より高い投資利益率(ROI)を実現できるようになります。
Lenovo AI Libraryは、ドメイン固有言語モデルや機能エージェントおよびバーティカルエージェントを含む、実証されたAIユースケースアクセラレーターによりハイブリッドAIを実現します。 マーケティング、IT運用、法務、製品開発、カスタマーサービスなどの複数領域の主要なユースケースを網羅するLenovo AI Libraryの事前検証済みのソリューションにより、展開を迅速化し、AIからの成果を速やかに得られるようにします。
ALSや認知症患者を支援するレノボのAI
レノボとスコット・モーガン財団(SMF)はTech Worldにおいて、筋萎縮性側索硬化症(ALS)やその他の重度の障害を持つ人々のための、予測AI、超リアルなアバター、個別化された声、そして視線追跡を組み合わせたAI駆動型ソリューションを発表しました。
この統合されたソリューションは、SMFが設計し、レノボが構築した円形キーボードインターフェース、レノボの予測AI、ElevenLabsによる個別化されたAI音声のレプリカ、D-IDの超リアルなアバター、IrisBondの視線追跡技術を組み合わせ、迅速かつ正確な個人的なコミュニケーションを提供します。このソリューションは、生成AIをアクセシビリティの課題に適用する新たな可能性を示し、「Smarter AI for All」を提供するという共通のビジョンをさらに前進させるものです。
また、レノボはTech Worldにて、Innovations in Dementiaと共同で、認知症やアルツハイマー病を抱える人々の体験に基づくカスタムAIを搭載したフォトリアルな3Dアバター「アルツハイマー・インテリジェンス」を発表しました。この概念実証プロジェクトにより、認知症の診断を受けた人々やその家族は、24時間いつでも会話型アバターにアクセスでき、正確性、プライバシー、そして思慮深さを重視した厳選されたアドバイスを得ることができます。
ユーザーが(音声認識を通じて)質問をすると、LLMはデータセットにクエリを実行し、ユーザーの質問に対してテキストベースの回答を提供します。また、「感情分析」を活用することで返信の背後にある感情が分析され、AIが話す際の表情に反映されます。
*1クライアントデバイスを中心としたテクノロジー活用動向調査(2024年10月)、レノボ・ジャパンがMM総研に調査委託
*2 Lenovo Global CIO Report 2024。グローバルの750人のCIOに調査
<レノボについて>
レノボ(HKSE:992/ADR:LNVGY)は、売上高570億米ドルの世界的なテクノロジー企業であり、Fortune Global 500の248位にランクされています。180市場で毎日数百万人の顧客にサービスを提供しています。レノボは、すべての人にスマートなテクノロジーを提供するというビジョン「Smarter Technology for All」を掲げ、AI対応、AI-readyかつ最適化AIであるポケットからクラウドまでのポートフォリオ(PC、ワークステーション、スマートフォン、タブレット)、インフラ(サーバー、ストレージ、エッジ、HPC、ソフトウェア、ソフトウェア定義型インフラストラクチャ)、ソフトウェア、ソリューション、サービスの発展を促進する世界最大のPCメーカーとしての成功を収めてきました。世界を変えるイノベーションへの継続的な投資により、レノボはあらゆる場所のすべての人にとって、より公平で信頼できるよりスマートな未来を創出します。
詳しくは、 https://www.lenovo.com/jp/ja/ でご覧いただけます。